goo blog サービス終了のお知らせ 

先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
https://www.youtube.com/watch?v=0us2dlzJ5jw

大阪統一メーデー —1928年の労働運動(読書メモ)

2025年04月09日 07時00分00秒 | 1928年の労働運動

大阪統一メーデー —1928年の労働運動(読書メモ)
参照・協調会史料
  ・日本労働年鑑第10集/1929年版(大原社研編)

大阪統一メーデー —1928年の労働運動(読書メモ)
大阪ではこの数年、総同盟、反総同盟が同じ会場内で分かれて陣取り、デモコースも別々であったが、1928年は統一メーデーとなり、集会もデモも一緒に闘われた。すさまじい3.15弾圧に直面した大阪労働運動が選択した道であった。メーデー中之島公園会場や解散地天王寺公園での発言の多くが今こそ労働戦線の全国的組織統一の実現を求め、なにより3.15弾圧への糾弾そして反撃のアジテーションで溢れていた(発言者の多くが「弁士中止!」にあっているが)。

大阪メーデー
1928年5月1日大阪メーデーは行われた。参加団体27。「例年とは違い雨が激しく降り注ぐ中参加した5200余名は昨年より少ないとはいえ階級的意識に燃えていた」(協調会大阪支所長事務取扱藤沢穆)。

会場
木材労働組合(旧評議会)代表が、メーデー開始を宣言し、大阪足袋工組合の紹介で今年の示威行動の指揮官日本農民組合の山上武雄が壇上に上がった。
「諸君! 今日はメーデーの日だ。一年に一日労働者として心から祝う日だ。しかるに労働運動の現状を見るに、官憲資本家の弾圧は益々激しくなり、今や吾が陣営の一翼は崩されんとする(弁士中止!)」

総聯合関西聯合会
「・・従来のメーデーは二つに分かれて行っていたが、今年は一緒に行うことになったことは実に意義あることである。吾々は日本の無産階級が全部感情を去り、統一戦線を完成せんことを望んでやまない。」

純向上会
「諸君!吾々は横暴なる官憲の暴圧によって苦しむ兄弟の(弁士中止!)」

総同盟大阪聯合会
「・・過去数ヵ年示威運動を別々に行っており実に悲しむべきことであったが、今年は共同して行うこととなったことは更に本日の意義を増すものである。吾々は従来絶えざる闘争を続けてきたが、このメーデーによって更に勢いを整えて猛進せんことを諸君と共に契つものである」

総同盟大阪紡織労働組合 守谷キクヨ
「・・私共は従来無産運動に加わっておらなかったのでありますが、皆さんのご援助によって結束することが出来得るようになりました。この意義あるメーデーを迎えるにあたって、更に婦人解放の為に猛烈なる運動を起したいと思います。どうぞよろしくご援助下さい。」

関西労働組合自由聯合会
「諸君!現在すべからざる一切の不合理を打ち破るため(弁士中止!」

大阪金属労働者組合
「‥大阪の全労働者が一場に集まったことは誠に喜ぶべきことである。しかも年と共にメーデーの行列に参加する者が漸次増加することは、官憲資本家に多大の脅威を与えるものである。吾々はこの勢力によって更に積極的に運動を起し資本主義制度の牙城に突進せなければならぬ。」

全日本農民組合
「・・・今や吾々の陣営には幾多の組合が互いに対峙して争っているが、強固なる資本主義制度を攻撃するためにはどうしても共同戦線を張らなければならぬ。労働者も農民も感情を去って大同団結をせねばならぬ。横暴なる官憲や資本家と戦うためには無産階級の統一あるのみである。」

大阪煙草労働組合
「・・吾々労働者は田中反動内閣の暴圧に対し(弁士中止!)」

総同盟大阪聯合会 大矢省三
「本日・・東京において我々無産党代議士が日比谷において田中反動内閣の打破に猛運動をおこしていることは意義あることだ。吾々は今年総ての行き掛かりを捨てて、総ての者が共にこの行列に加わることは最も喜ぶべきことであって今や支配階級は暴力をもって(弁士中止!)」

メーデースローガン
一、労働者は労働組合に集まれ
二、全国労働組合会議を即時開催せよ
三、耕作権の確立を要求す
四、失業者に仕事を与えよ
五、八時間労働制を要求す
六、失業保険法の制定を要求す
七、健康保険法並に工場法の改正を要求す
八、最低賃金制度の確立を要求す
九、団体交渉権の確立
十、国家賠償法の制定を要求す
十一、交通事故特別裁判法の制定を要求す
十二、建築場に工場法を即時実施せよ
十三、屋外労働者の保護法を制定せよ
十四、すべての無産政党は合同せよ
十五、立入禁止、動産差押禁止
十六、言論、集会、結社の自由確立
十七、社会保険制度の完成
十八、無産階級圧迫悪法の即時撤廃を要求す
十九、団結権、罷業権の確立
二十、徹底的普選の確立

デモ
参加者は激しい雨の中断固デモを貫徹した。デモは日本農民組合を先頭に中之島公園から天神橋から一路松屋町筋を南下し、天王寺公園に達した。
(デモ隊列)
日本農民組合                 325名
官業労働向上会                380名
煙草労働組合                76名
愛友会                     12名
一般労働組合(旧評)               42名
総同盟大阪電線工組合           273名
総同盟大阪印刷出版労働組合  48名
総同盟大阪紡織労働組合     104名
総同盟大阪合同労働組合   188名
関西合同労働組合        18名
関西自由聯合          30名
大衆労働組合          32名
大阪印刷労働組合(旧評)              24名
協働会            76名
東大阪労働者組合       30名
純向上会          1195名
計             5247名

(弾圧)
旧評議会系労組は、表向きはメーデー参加を許されていたが、当日官憲は「会場入り口で組合員證を求めたり」「組合旗への制限」の取締を厳格に行い、事実上参加させない弾圧を行ってきた。またデモの時の行進歌は官憲によって「メーデー歌」と「デカンショ節」だけに制限された。デモの途中「革命歌」を高唱した関西自由聯合30名全員が検束された。

(天王寺公園会場の閉会時の発言)
関西電気従業員組合
「・・・今や世界の無産階級は到るところにおいて弾圧を加えられ、吾々無産者として之に対してなすべき要求が種々あるが、当面の問題として何をなすべきであるか。階級戦線の統一これである。しかも之を実際に移さねばならぬ。意識的計画的なる支配階級の弾圧に対し(弁士中止!)」

官業労働向上会
「・・・反動的な田中内閣は吾々の兄弟のある人達を無惨にも踏みにじった。そして更にその手を吾々に延ばさんとしている。吾々はかかる弾圧にひるむことなく敵の牙城に肉迫せなければならぬ。」

総同盟大阪合同労働組合 田中良一
「・・・・吾々がなすべき任務がある。過去は過去の感情を放棄し、戦線を統一してこの圧迫に抗争せねばならぬ。この意味において今日のメーデーは歴史上に記録を残すべものである。戦線の統一をなす先駆である諸君に対し、戦線統一の為一層努力せられんことを願うと共に、横暴なる田中内閣のもっとも反動的なる弾圧(弁士中止!)」

(メーデー当日大阪主要工場に於ける欠勤者・メーデー参加数者数)
汽車製造株式会社 従業員総数1319名中、欠勤者数1280名
住友電線製造所  従業員総数 男1128名、女264名中、欠勤者男902名、女181名
住友製鋼所               従業員総数  男1474名、女19名中、欠勤者男690名、女2名
大阪鉄工所       従業員総数1526名中、欠勤者240名
藤永田造船所   従業員総数2546名中、欠勤者490名

(メーデー当日臨時休業にした工場)
久保田鉄工所
久保田鉄工所尼ヶ崎工場
横河橋梁
摂津醤油
川北電気
帝国製鋲株式会社
佐渡嶋伸鋼所
藤田組西島製作所

以上


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。