先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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1926年労働者の状態(読書メモ)

2023年01月30日 07時00分00秒 | 1926年の労働運動

1926年大阪第7回メーデー大阪地方評議会婦人部

「いかに婦人労働者が雇用主のために虐使されているか驚かざるを得ない」(労働年鑑第8集)

1926年労働者の状態(読書メモ)
参照 「日本労働年鑑第8集/1927年版」 大原社研編

大戦後の世界的不況は1926年においても依然として継続し、必然的に労働者を失業、低賃金・・と苦しめた。翌年1927年(昭和2年)大恐慌に突入した。
1、女性労働者
女性労働者は年々増加し、しかも生活は逆に悪くなっている。染織・紡績工場の女性労働者は寄宿舎に収容され、ほとんど自由を束縛され、その上長時間労働・酷使・過労で健康を害されている。〈いかに婦人労働者が雇用主のために虐使されているか驚かざるを得ない〉(労働年鑑第8集)。

女性労働者は全労働者の割合の半数以上であり、紡績工業に至っては8割以上に上っている。工場・鉱山ですら1926年6月末の女性労働者は全体の33%で、前年よりも64,522人増加し1,562,483人であった。

2、少女・少年労働(1924年末調査結果)
16歳未満の幼年(少女・少年)労働は、紡績工業22.33%、製本印刷業13.03%、その他工業12.43%に上っている。とりわけ女性労働者の中の幼少年労働者が非常に多く16歳未満は23.76%である。

3、一日の労働時間(1924年末調査結果)
特に労働時間が長い業種は染織工場で、製糸工場に至っては13時間から15時間、16時間に及ぶ工場も少なくない。紡績業の大部分は10時間制であるが、その上、工場主は好きかってに残業を命じている。深夜業も3交替でなく、2交替を採用している工場が今なお一般である。
全体では、
9時間以内   22.47%
10時間以内 26.95% 
11時間以内 26.41%
12時間以内 13.62%

4、月の休日(1924年末調査結果)
2日 48.64%
3日 4.90%
4日 31.02%

5、深夜業(1924年末調査結果)
深夜業は、紡績業に多く302工場ある。深夜業についている女性労働者数は215,849人もいる。1926年、評議会を先頭に「夜業禁止」運動がおきた。

6、労災
製糸紡績では職場の過酷な労働環境、職場の平均温度31度、深夜労働、24時間操業12時間2交替制、またひどい食事内容によるカロリー不足と劣悪な寄宿舎生活等で、トラホーム、呼吸器疾患、脊椎異常、視病、婦人科疾患などの疾病者が続出した。三重県の病気により帰郷した女性労働者は1924年一年間で94人で、すべて製糸紡績女性労働者。呼吸器疾患36%、帰郷後死亡者は11人。富山県下新川郡の出稼ぎ女性労働者は毎年の帰郷女性労働者のうち100人以上が疾病者で、その8割が呼吸器疾患で死亡した。

7、朝鮮人労働者
1926年12月末、在日朝鮮人数は143,796人(前年比4,219人減)。大阪における在日朝鮮人の生活状態は主にバラックで生活し、職業は土方、人夫、職工であり、同一労働でありながら日本人に比べ大幅に低い賃金、その上賃金不払いなどを巡る労働争議や日本人の朝鮮人への軽蔑や蔑視・差別が原因となる事件も多発した。



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