Indonesia mum over bird flu Straits
Times, Singapore (シンガポール)
インドネシア、鳥インフルに関して語らず
(--懸念されるインドネシア保健省スパリ
大臣の方向性) 2008/9/7
AFP
世界の鳥インフルの死者の半数を占めている
インドネシアがウイルス提供の拒否と、保健
省大臣の耳障りな、彼女の言うところの”世
界の陰謀”に対する非難の声について、関心
が高まりつつある。
インドネシアはWHOとのウイルスの共有
を2006年12月以後保留している。理由
はそれらウイルスを用いて先進国の製薬企業
が、貧しい途上国が購入出来ないような高価
なワクチンを製造するから、ということであ
る。
保健大臣のスパリ女史の当初の動きは、世
界の不公平なシステムに対する抗議の行動と
して国際的喝采を博した。しかし難局打開の
ためのWHOとの折衝が続く中、スパリ女史
の高まる好戦性に対して、世界には警戒の念
が高まってきた。
保健大臣は本年当初に、米国がウイルスを
生物兵器に作り変えていると、彼女の著書の
中で書いた: It's Time for the World to
Change: Divine Hands Behind Avian
Influenza. (今、世界は変わるとき:鳥イ
ンフルの背後に在る神の手)。
先週、スパリ女史は、本の内容に関して熱
狂している大衆に向かって、裕福な国家が”
新ウイルス”を作成し、それらウイルスを途
上国に送ってまき散らし、ワクチンメーカー
が販売路を広げるための手助けをしている、
と語った。
「インドネシアはWHOにウイルスを送る
が、それは突然米国政府の手に渡ってしまう。
その後米国政府はウイルスをドルに換えてし
まい、我々は彼等がその後にどのような研究
を行っているのか分からなくなる」、とスパリ
女史は語った。
「それからウイルスはワクチンに変えられ
る。そしてワクチンはインドネシアに送られ
てきて、インドネシアは購入することを要求
される。しかし、もしインドネシアが受け入
れなかったなら、彼等は何度も、何度も購入
することを要求する。そして最後には、先進
国側は新ウイルスを作って途上国に送り込ん
でくるのだ」、と女史は説明している。
しかしながら、海外およびインドネシア国
内の科学者達は、スパリ女史が世界のシステ
ムに論争を持ちかけている間に、ウイルスが
変異して人人感染を起こすようになることを
予知するための、分析時間を浪費してしまう
懸念を抱きだしている。
インドネシアは8月に112人がウイルス
で死亡したことを発表している。2003年
以来の数であるが、世界での死者数240人
余の中で多くを占めている。そのなかでほん
の少数のウイルス検体と遺伝子構造が、WH
Oや国際的研究者との間で共有されているに
過ぎない。
保健省は本年早くから鳥インフルでの死者
の公表を中止し、死者が発生して数週間から
数ヶ月してからまとめて発表するようにした。
「私は女史の行動は政治的であり、世界の
保健機構の問題に対するものでないと危惧し
ている」、とバリ島のウダヤナ大学のウイルス
学者であるニュウラ・マシャルディカさんが
語っている。
「このような行動は、世界の鳥インフル対
策システムのパワーを低下させ、非力にする
だけだ。我々は現在、ウイルスの状況を疫学
的にもウイルス学的にも把握できない」、とマ
シャルディカさんは懸念している。
「この状況は、我が国におけるパンデミッ
クのリスクを上げ続けることになっている。
なぜなら我々はパンデミックのいかなる兆候
についても知ることが出来ないからだ」。
スパリ女史は、インドネシアや他の途上国
は自らの力でウイルス研究を行うべきと主張
しているが、インドネシアの研究者達は、彼
等自身もインフルエンザウイルス検体を入手
出来ないと語っている。
保健省ではウイルスを研究室に保管してい
るが、現時点ではインドネシアの研究者には
提供していないと、インドネシア国家鳥イン
フル専門家委員会のアミン・スバンドリオ委
員長が語っている。
同委員長はスパリ保健大臣のWHO規則を
途上国にも平等なものにする闘争を支持して
きているが、それでもウイルス検体提供の保
留という行動は危険であると語る。
同氏によるとスパリ女史の欧米を中心とし
た陰謀説は、根拠に基づいたものではないと
言う。
「100%の確信はないが、多分女史は悪
い人間から悪い情報を吹き込まれているのだ
と思う」、と同氏はコメントしている。
しかし、科学者達やWHOが心配の念を表
明している間に、スパリ女史は国内で人気を
上げてゆく。
女史の本はインドネシア語版も英語版も数
回の再販を重ね、映画製作の話も出ている。
大学人の多くも彼女の側についている。
「私は彼女は非常に明快な政治的立場に立
った政治家、または大臣の代表となっている、
と思う」、。政治学者のビマ・アリア・スギア
ルト氏が語っている。
スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は、ス
パリ女史の物議をかもし出すコメントから立
場を隔てているが、彼女のポストを変えるよ
うな動きは見せていない。
「インドネシアはWHOの政策に解決すべ
き問題があることを認識しているが、陰謀説
を信じていないことは確かだ」、と大統領報道
官のディノ・パッチ・ドジャラル氏が語って
いる。
(「海外直近情報集」より)
Times, Singapore (シンガポール)
インドネシア、鳥インフルに関して語らず
(--懸念されるインドネシア保健省スパリ
大臣の方向性) 2008/9/7
AFP
世界の鳥インフルの死者の半数を占めている
インドネシアがウイルス提供の拒否と、保健
省大臣の耳障りな、彼女の言うところの”世
界の陰謀”に対する非難の声について、関心
が高まりつつある。
インドネシアはWHOとのウイルスの共有
を2006年12月以後保留している。理由
はそれらウイルスを用いて先進国の製薬企業
が、貧しい途上国が購入出来ないような高価
なワクチンを製造するから、ということであ
る。
保健大臣のスパリ女史の当初の動きは、世
界の不公平なシステムに対する抗議の行動と
して国際的喝采を博した。しかし難局打開の
ためのWHOとの折衝が続く中、スパリ女史
の高まる好戦性に対して、世界には警戒の念
が高まってきた。
保健大臣は本年当初に、米国がウイルスを
生物兵器に作り変えていると、彼女の著書の
中で書いた: It's Time for the World to
Change: Divine Hands Behind Avian
Influenza. (今、世界は変わるとき:鳥イ
ンフルの背後に在る神の手)。
先週、スパリ女史は、本の内容に関して熱
狂している大衆に向かって、裕福な国家が”
新ウイルス”を作成し、それらウイルスを途
上国に送ってまき散らし、ワクチンメーカー
が販売路を広げるための手助けをしている、
と語った。
「インドネシアはWHOにウイルスを送る
が、それは突然米国政府の手に渡ってしまう。
その後米国政府はウイルスをドルに換えてし
まい、我々は彼等がその後にどのような研究
を行っているのか分からなくなる」、とスパリ
女史は語った。
「それからウイルスはワクチンに変えられ
る。そしてワクチンはインドネシアに送られ
てきて、インドネシアは購入することを要求
される。しかし、もしインドネシアが受け入
れなかったなら、彼等は何度も、何度も購入
することを要求する。そして最後には、先進
国側は新ウイルスを作って途上国に送り込ん
でくるのだ」、と女史は説明している。
しかしながら、海外およびインドネシア国
内の科学者達は、スパリ女史が世界のシステ
ムに論争を持ちかけている間に、ウイルスが
変異して人人感染を起こすようになることを
予知するための、分析時間を浪費してしまう
懸念を抱きだしている。
インドネシアは8月に112人がウイルス
で死亡したことを発表している。2003年
以来の数であるが、世界での死者数240人
余の中で多くを占めている。そのなかでほん
の少数のウイルス検体と遺伝子構造が、WH
Oや国際的研究者との間で共有されているに
過ぎない。
保健省は本年早くから鳥インフルでの死者
の公表を中止し、死者が発生して数週間から
数ヶ月してからまとめて発表するようにした。
「私は女史の行動は政治的であり、世界の
保健機構の問題に対するものでないと危惧し
ている」、とバリ島のウダヤナ大学のウイルス
学者であるニュウラ・マシャルディカさんが
語っている。
「このような行動は、世界の鳥インフル対
策システムのパワーを低下させ、非力にする
だけだ。我々は現在、ウイルスの状況を疫学
的にもウイルス学的にも把握できない」、とマ
シャルディカさんは懸念している。
「この状況は、我が国におけるパンデミッ
クのリスクを上げ続けることになっている。
なぜなら我々はパンデミックのいかなる兆候
についても知ることが出来ないからだ」。
スパリ女史は、インドネシアや他の途上国
は自らの力でウイルス研究を行うべきと主張
しているが、インドネシアの研究者達は、彼
等自身もインフルエンザウイルス検体を入手
出来ないと語っている。
保健省ではウイルスを研究室に保管してい
るが、現時点ではインドネシアの研究者には
提供していないと、インドネシア国家鳥イン
フル専門家委員会のアミン・スバンドリオ委
員長が語っている。
同委員長はスパリ保健大臣のWHO規則を
途上国にも平等なものにする闘争を支持して
きているが、それでもウイルス検体提供の保
留という行動は危険であると語る。
同氏によるとスパリ女史の欧米を中心とし
た陰謀説は、根拠に基づいたものではないと
言う。
「100%の確信はないが、多分女史は悪
い人間から悪い情報を吹き込まれているのだ
と思う」、と同氏はコメントしている。
しかし、科学者達やWHOが心配の念を表
明している間に、スパリ女史は国内で人気を
上げてゆく。
女史の本はインドネシア語版も英語版も数
回の再販を重ね、映画製作の話も出ている。
大学人の多くも彼女の側についている。
「私は彼女は非常に明快な政治的立場に立
った政治家、または大臣の代表となっている、
と思う」、。政治学者のビマ・アリア・スギア
ルト氏が語っている。
スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は、ス
パリ女史の物議をかもし出すコメントから立
場を隔てているが、彼女のポストを変えるよ
うな動きは見せていない。
「インドネシアはWHOの政策に解決すべ
き問題があることを認識しているが、陰謀説
を信じていないことは確かだ」、と大統領報道
官のディノ・パッチ・ドジャラル氏が語って
いる。
(「海外直近情報集」より)