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conscience

my diary

円安は、近隣窮乏化政策か?

2024年06月26日 | 日記
 円安が進んで、1ドルが160円になろうとしている。おかげで、海外からのインバウンド客が増えているが、輸入物価が高くなり、庶民の生活、特に消費者物価が高騰し、賃金や年金などの社会保障費の増加が追い付いていないとも言われている。岸田内閣は、政治資金集めのパーティー券などで得た裏金問題により支持率が減少したと言われているが、支持率低下に大きな影響を与えている一つの原因は、この消費者物価の高騰による生活苦があるとも考えられる。勿論、円安で輸出主体の大企業は利益を得ており、トヨタなどは、国土交通省から一部の製品の製造ストップがかかっても、実質はびくともしていない。株価が一時低下していても直ぐに回復してくるのは、この証左だろう。
 庶民における、生活苦からの政府への不満は、東京都などの都市圏と、地方では異なるだろう。東京には、本社機能が集中しており、大企業に勤務する会社員も多く、物価高にも関わらず賃金水準も高い。一方、地方においては、諸にこの消費者物価の高騰が庶民生活に大きな影響を及ぼしている。特に、資産を持っていない高齢者であれば猶更であろう。富裕層と貧困層の格差が、都市部と地方では少し状況が違うとは言いながら確実に広がっているように見受けられる。
 しかし、戦後70年以上にわたって政権の座にあったのは、自民党を中心とする現在の与党であった。彼らは、政・官・業の癒着体質を温存しつつ、社会主義的な福祉政策も一部で実施することによって国民を宥め、大企業などの労働組合を懐柔してきた。その間、大半の政治家は、家業としての政治屋であり続け、官僚などから新規に政治家に転身して来た者も、国の為というよりも、当選して政治家になることを目的としている。彼らを支える官僚や企業においては、与党政治家の多少の腐敗体質には目をつぶっても、革新を唱える野党には政権を運営するだけの経験と能力がないことを、かっての民主党政権の失敗もあって承知している。多数の国民も、体裁の良いようなマニュフェストを掲げても実現してこなかった野党には不安の方が大きいのではなかろうか。その一例が、東京都知事選である。小池氏には、胡散臭い過去の学歴もあり、最初の知事選では、自民党都議会などを目の敵にしていたのに、いつのまにか自民党にすり寄り、築地市場の豊洲移転やオリンピックでも、巧みなパフォーマンスばかりで、現実には、何が行われていたのだろうかという疑問もある。確かに、コロナ禍では、三密を言い立てて世論を誘導したが、本当に東京都のコロナ対策は成果を収めたのだろうか。これも疑問が多い。しかし、おそらく、今回も小池氏が当選するだろう。かっての美濃部都政の時に都政が滞ったという過去の教訓もあるし、共産党の力を借りようとした蓮舫氏の選挙戦術の失敗もある。それでも生活に余裕がある多くの都民にとっては、現状を大きく変えるよりも、まだ小池氏の方が良いのでなかろうか。そんなふうに思えてならない。

 「円安は近隣窮乏化政策であり日本にとってのメリットが大きい」と高橋洋一先生などが主張しているようだ。確かに、円安では輸出主体の大企業は儲かっているし、インバウンド客が増えて、コロナ禍で打撃を受けていた観光業などは一息ついていることだろう。だが、日本だけが儲かるということになると例えば、1985年のプラザ合意で急激な円高が進み、結果として我が国経済がバブルとなり、公定歩合の引き上げと不動産の総量規制でバブル経済を引き締めようとしたところ、失われた30年とも言われたデフレ時代になったように、アメリカの意向次第では、再びプラザ合意のようなことが強いられるとも限らない。しかも当時と異なるところは、日本が少子高齢化の影響を受けて衰退傾向を見せ始めていることだろうし、製造業なども多くが海外に移転してしまっていることだろう。果たして、この困難な局面を、批判だけ得意で実務的な行政経験に欠けている、立憲民主党などの野党が担えるだけの力量があるだろうかという懸念があり、裏金問題で、セレブ化し家業化している自民党政治家の相変わらずのテイタラクが表面化したとは言え、これに変る政党が未だに誕生してこないという悲劇が我が国にはある。維新についても、今回の政治資金改正法論議などから透けて見えて来たことは、自民党にすり寄ろうとする勢力がいて、万博などについても、利権の為に無理なことをやっているのではないかという疑惑があるのではなかろうか。どちらにしても、古稀の老人には知ったことでは無い。政治に無関心な大部分の若者層が近い将来泣きを見るだろうとは言えると思う。
 

 ヘドロの埋立地に今でも噴き出すメタンガス、夢の万博は今や昔の物語、昭和のおっさんと官僚達が、広告業者などを使って醸し出す夢の世界は、ギャンブルIR大国への悪魔の道なのか。





※ 最近話題の近隣窮乏化政策とは、
 政府が為替相場に介入し、通貨安に誘導することによって国内産業の国際競争力は増し、輸出が増大する。さらに国内経済においても国産品が競争力を持ち、国内産業が育成される。やがて乗数効果により国民所得は増加し、失業は減少する。その一方で貿易の相手国からすると、通貨高による国際競争力の低下、輸入の増大と輸出の減少、雇用の減少を引き起こすことになる。多くの場合、相手国は対抗措置として為替介入を行い、自国通貨を安値に誘導しようとし、さらにそれに対して相手国が対抗措置をとる。こういった政策を「失業の輸出」といい、さらに関税引き上げ、輸入制限強化などの保護貿易政策が伴うと、国際貿易高は漸次減少していき、やがて世界的な経済地盤沈下を惹起する。世界大恐慌の後、1930年代に入ると主要国は通貨切り下げ競争、ブロック経済化をすすめ、やがて国際経済の沈滞とそれに続く植民地獲得競争が第二次世界大戦の遠因となったという反省から、戦後は国際通貨基金(IMF)、関税および貿易に関する一般協定(GATT)(2013年現在は世界貿易機関(WTO)に継承)等の設立により為替相場安定と制限の撤廃が図られた(→ブレトン・ウッズ体制)。
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