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conscience

my diary

集団的誤謬

2022年10月24日 | 日記
 何故、プーチンはウクライナへの侵攻という間違いを犯したのか。それについては、プーチンが若い時代にKGBという情報組織の下級幹部でいた時代に、ベルリンの壁の崩壊からソ連邦解体に至る経験をし、その後も、自らの能力とKGB時代に培ったコネで出世してきたことから、欧米に対する強い被害者意識を持ち、少数の信頼出来る者を重視して、自らの意見に反対する者達を追放してきたので、自然とプーチンに阿る者しか取り巻きにはいなくなり、『ウクライナに侵攻しても数日で片付く』とか、『親ロシアのウクライナ国民から歓迎される』とかの誤った情報に基づいてこの侵攻に踏み切ったと言われている。しかも、この行動が誤りだったとわかった後も、その原因を冷静に分析することなく、誤りを是正することはプーチンの取り巻き達の利益を大きく損なうことになり、自らのプライドも傷つくことから、むしろ、ウクライナ国内の原発を攻撃したり、戦術核の使用を検討するなど、誤った行動をエスカレートする方向に向かいつつある。
 このような集団的誤謬というものは、旧日本軍にも見られ、ミッドウェー海戦などで致命的な敗北を喫した後でさえ、講和の方向に向かうのではなく、一億総玉砕などと国民を巻き込んだ狂気の行動に出ようとしていた。このような誤謬は我が国においては決して珍しいことではない。例えば、日本人は、村社会の中で「和」を好む生活を送ってきて、異なる意見を排除しようとする傾向が強いように考えられている。学校内における「いじめ」もそうであり、ともすれば、「赤信号、皆で渡れば怖くない」という集団の意思が重視されることもある。福島原発でメルトダウンに至った原因でも、千年に一度の大災害の危険性よりも原発運営会社の利益を優先して、津波に対する水防や自家発電装置の高所への設置という対策を取ろうとせず、もしかすると、東日本全体が放射能汚染する可能性もあった。しかし、そのような経験を経た今でも、ともすれば、温暖化ガスを放出しないということで原発の存在をSdgsに結び付けたり、燃料価格の高騰や電力不足を原発の再稼働で補おうとする政治的圧力が高まっていて、CMなどを通じて潜在的に国民の意識を変えようとする動きも見られるようになってきた。
 「長いものには巻かれろ、世間に逆らうな」、これは、村社会で生きる鉄則で、官僚社会や閉鎖的な会社社会で生きる為の知恵でもあるが、しかし、いつまでも、そんなことで良いのだろうか。個人が、何が本当のことなのかを適切に見分ける目を持ち、自らの意見を発信する場を持つ必要がある。現代の政治家は、与野党問わず、自らが当選することのみが自己目的化して、国民の本当の声を代弁したり、国の長い将来のことまで考える能力を失っているように思うが、国民個々のネットでの発信などは、その一つ一つの声は小さいかもしれないが、それが纏まることが出来たとすれば、自らの利益という観点でしか政治的行動をしない政治家どもを動かす作用点ともなる可能性がある。その為には、現在発生している物事の真実を見抜く力を国民一人一人が持たなければならないだろう。
 そういう意味では、陸上自衛隊でのセクハラを訴えて、自衛隊幹部や当事者から謝罪をさせるまでに至った元女性自衛官の存在などは、女性だけではなく、多くの国民を勇気づけるものである。安倍元首相などと結びついてきた旧統一教会に対して、教会から脱退した女性信者などが会見などを通して、その不当性を訴えているのも勇気ある行動と思う。山上容疑者の行動自体は是認出来るものではないが、安倍の蓋とも呼ばれる障害が除かれ、オリンピックに絡む不正疑惑など様々なものが明らかになりつつある。考えてみれば、長く権力を持ち、お友達に便宜を図ってきたと言われる元首相とその取り巻き達も集団的誤謬をなしつつあったのかもしれないと想像したりする。
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