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舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

戦争の中で出会った日本人とイギリス人、大島渚監督の名作が蘇る「戦場のメリークリスマス」観てきました。

2021-05-14 23:33:40 | Weblog


5/14(金)、シネ・ウインドで「戦場のメリークリスマス」を観てきました。





予告編はこちら。



すごく有名な映画にもかかわらず、坂本龍一の主題歌くらいしか知らない人間なわけですが、最近知ったんですが、今ではなかなか新潟市内でもDVDのレンタルとかもしていないようなレア映画なんですね。
そんな矢先、同じく大島渚監督の「愛のコリーダ」と共に4K修復版として再上映されることになったので、この機会に観てみました。

第二次世界大戦中のジャワ島、日本軍の俘虜収容所にて、日本人達と俘虜のイギリス人達を描くドラマです。
戦争映画だけどいわゆる「戦闘」は登場しないのですが、それでも戦争とは、人々が正気を失い命を落としていく狂気じみたものであることが描かれている映画だなと思いました。

また、戦争という国家間の対立は文化の違いを露わにし、西洋人達の目を通して日本の文化の異様さが(切腹など)浮かび上がるのが印象的でした。
戦争の中でそれぞれが正義を貫こうとも、結果的に人々は傷付き、命を落としていく、そういう救いのない世界です。

それでも時折、狂気の中で人間らしさが垣間見えたりもして、そこが妙にぐっときます。
もしも戦争がなかったら、この人達はもっと平和的で友好的で、人間的にはすごく魅力のある人達だったんだろうな、と思わされるんですよね。

デヴィッド・ボウイ演じるジャック・セリアズ陸軍少佐と坂本龍一演じるヨノイ大尉、トム・コンティ演じるヒックスリー俘虜長とビートたけし演じるハラ軍曹、この4人を中心に物語は進んでいきます。
彼らは、敵国同士であるために対立する(特にこの映画では、日本軍がイギリス兵を俘虜として支配している)立場ではあるものの、心の中では相手に対する信頼や友情を感じているのではないだろうか…と思わせる描写が、随所に登場します。

映画を見ながら、もしも戦争という形で出会わなければ、彼らは友情を築いていたのではないか、そして彼ら自身も、心のどこかではそのことに気付いているのではないか、と考えずにはいられませんでした。
そこに、戦争の残酷さ、切なさとやるせなさを感じるわけですが、同時にそれは人間の持つギリギリの希望でもあるのかもしれないな、と感じさせられる映画でした。

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