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舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画上映会『平行線をたどる言葉と心 映画監督 濱口竜介』に行って来ました。

2015-12-05 22:52:33 | Weblog


12月5日(土)の午後に、新潟大学で『平行線をたどる言葉と心 映画監督 濱口竜介』という映画上映会が開催されるということで、行って来ました。
上映作品は濱口竜介監督の「永遠に君を愛す」「親密さ」の二作品で、会場は新潟大学の中央図書館ライブラリーホール、主催は新潟映画倶楽部さんでした。

僕は濱口竜介監督という方は正直まったく存じ上げていなかったのですが、こうして学生さんたちが上映会が企画するくらいだから、きっと見ておいて損はないだろうと、そして、恐らく新潟で見ることが出来るのはかなり貴重な機会なのではないだろうかと。
そう思って興味を持った俺は、二作目の「親密さ」という映画の上映時間が255分と知ってびっくりしましたが、逆に考えれば4時間超えの映画を観る機会もそうそうないなと思って、観に行くことを決めました。

この日は12時半までウオロクでバイトをしていたのですが、バイト先が新潟大学まで比較的近かったので余裕だと思っていましたが、よく考えてみたら新潟大学とウオロク大学前店は言うほど近くなかったので、13時の上映時間に間に合うようにダッシュで向かったのでした。
で、あくまで「大学生ですけど?」みたいな態度で新潟大学の図書館に入り、初めてライブラリーホールに入ったのですが、結構席が埋まっていて、学生さんっぽい人もそうじゃない人が両方いました。



そんな訳で始まった、映画上映会『平行線をたどる言葉と心 映画監督 濱口竜介』。
一作目は「永遠に君を愛す」という58分の映画でした。

「永遠に君を愛す」は、とある結婚式当日を迎えるカップルがいて、しかし花嫁には秘密にしていた昔の恋人との思い出があり、一方その頃、その昔の恋人は全然関係ないところでバイト中にある出会いがあって、という、主に4人の登場人物の物語が少しずつ繋がっていく、一日の出来事を描いた映画でした。
人間ドラマを丁寧に描いている、正統派の日本映画という印象で、「永遠に君を愛す」面白かったです。



そして、二作目は255分の超大作「親密さ」でした。
4時間15分もの上映時間ということで、大体2時間くらいずつの、前編と後編に別れていて、途中休憩がありました。

前半の2時間くらいは、とある劇団が演劇の本番を迎えるまでの一ヶ月間の人間模様を描き、後半はその劇団の演劇をまるまる一本見せるという構成でした。
演劇と言っても、劇団が頑張って演劇を作り上げて本番を迎えるまでを描いた感動作、みたいな感じではなく、どっちかと言うと彼らの生活を淡々と描いた群像劇と言った印象でした。

特に前半は、劇団が稽古を開始してから本番までの一ヶ月間を、主宰で演出家の女性と、彼女と同棲している作家の男性を中心に、彼らの日常や稽古風景を、本当に淡々と写し続けていくという印象でした。
だから、一見すると単調な映画なんですが、時折本気でぐっときてしまうような格好いいシーンが登場するなあと思いました。

特に、二人が歩きながら会話するところを延々と写し続けているうちに、少しずつ夜が明けていく、という超長回しの場面は本当に格好良かったです。
それと同時に、このシーンは本当にこの時間に一発撮りで作ったんだよなあ、という撮影の努力まで伝わってきて、それも感動に繋がるというか、本当に静かなシーンがひたすら続くだけなのに、映画に釘づけになってしまいました。

で、後半はその劇団が上演する、映画と同じタイトルの劇中劇「親密さ」を、まるまる一本見せるという内容でした。
劇中劇「親密さ」は純粋に面白かったです。

劇中劇と言っても、どっちかと言うと実際の劇団の公演会場にカメラを持って入って行ったドキュメンタリー映画みたいな印象を受けました。実際、そんな感じで撮影していたのかも知れません。
だから、「ゲキ×シネ」みたいに演劇を映画館で楽しむというより、客席の雰囲気とかも含めて演劇を体験する、ような不思議な体験で、ある意味、実際に劇場で観劇する以上に客席の雰囲気が伝わってくるところもあった気がします。

映画の前半が劇団の人達の生活を淡々と描いていくのと同様に、上演された演劇を淡々と撮影している、ような印象でした。
それに加えて、劇中劇「親密さ」が、色んな人達の人間模様をわりと淡々と描く群像劇なので、この映画「親密さ」の雰囲気とわりと似ているなあとも思いました。

あと、映画の前半で描かれた会話や出来事が、後半の演劇に微妙に影響していたりしていなかったりするあたりも、面白かったです。
明らかに影響している部分と、微妙な部分とあるんですけど、でも実際演劇を作る人と演劇の関係ってそういうものでしょうし、今思えばそういう微妙な感じを映画の中で再現してるのって実はとてもすごいことな気がします。



と、そんな感じで、せっかくだから、この映画の感想を書き出してきましたけど、正直、見ている時はやっぱり4時間は長いしわりと単調な映画だなーという印象でした。
特に、映画の後半、演劇が終わるところくらいまでは、もちろん面白さもある映画でしたが、一番思っていたのは「やっぱり4時間は長い!」でした。

・・・と、思いながら映画を見ていたんですが、ラストの5分とか10分くらいのエピローグを観た時に、なんか僕は今まで味わったことのない、とんでもない感動に出会ってしまったんですね、僕は。
一応、ここに関してはネタバレしたくないので詳しくは書きませんが、本当になんてことのないシーンなんですけど、とんでもなく感動をしてしまって、「ああ、この映画が観られて良かった!」って思いました。

どうして、あのシーンがあんなにぐっとくるのか、今でもちょっと分からないんですけど、多分、4時間観た上であのエピローグを見ないと味わえない感動なんだと思います。
映画の感想を色々書いてきましたが、一番言いたいのはここだけです!ラスト5分最高!



そんな訳で「親密さ」観られて良かったです。
この上映会を企画された新潟大学映画倶楽部の皆さんありがとうございました。



この上映会に、よくシネ・ウインドでお会いする方が来ていて、帰りの電車が一緒になったので、電車を待ちながら映画の感想などをずっと話していました。
僕が、「4時間の映画は長いですねー」と言ったところ、



「僕、シネ・ウインドで8時間の映画をオールナイトで見たことありますよ」



上には上がいた!!
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