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舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」観てきました。

2021-08-12 13:47:52 | Weblog


8/11(水)、T・ジョイ新潟万代で、「プロミシング・ヤング・ウーマン」を観てきました。







夜な夜なバーで泥酔したフリをして男にわざと襲わせ、実はその男達に次々と復讐していくキャシー。
その理由が徐々に明かされ、過去のある事件が浮かび上がっていく…

冒頭からキャシーに手を出してくる男達が、典型的な女性蔑視と性欲に溢れた有害な男らしさが全開で、もう嫌な予感が全開です。
そこで最初は「都合のいい女」のフリをして男達に近付き、実は全然酔っていなくて冷静に男達に復讐するキャシーは、恐怖とカッコよさ、そして男性である自分にも向けられているような重さを感じ、初めて味わうような強烈な存在感でした。

復讐の場面をあえて見せないのも恐怖を掻き立てるんですよね。
ネタバレだから詳しくは書かないけど、次第に、学生時代の親友が犠牲になったある事件の復讐がキャシーの動機だったということが明かされていきます。

その復讐は最初はちょっとやりすぎのようにも思えるけれど、ただ次第に明らかになる、彼女や犠牲者の親友の味わった苦しみを考えると、納得もできてしまうようなあ…という。
そして中盤からは、弱者を理不尽に傷付ける者達への復讐のため、戦略的に迫っていくキャシーの壮絶な復讐劇に、目が離せなくなっていく、そんなサスペンスでした。

特に、学生時代の事件を知る関係者を一人一人辿って事件の真相に迫りつつ、同時にそんな事件を忘れて平和に暮らしてる当時の関係者達にその精神的苦痛を味わわせるキャシーの戦略的な頭脳プレイの一つ一つが、キャシーの戦略にすら気付かない男達のヤバさ、バカさと対比になって、強烈に惹き付けられます。
例えるなら、伊藤詩織さんが山口氏から性的暴行された事件で被害者より加害者が守られる世の中問題と、小山田圭吾さんのいじめ自慢の一件で感じた加害者はすっかり忘れて平和に暮らしていても被害者は決して忘れない問題の、まさにその二つの理不尽さを合わせたような、リアルに嫌な気持ちになる事件が動機にあるんですよね。

最初は恐怖の存在だったキャシーも、映画が進むにつれてその動機や背景にある事件を知ることで、次第に感情移入もしてしまう、つまりは弱者の視点で映画を見られるようになっていく感じもよくできていました。
にもかかわらず、というか、だからこそ、というか、終盤に復讐が失敗したかと思われるある展開が悲しくもあるのですが…そのあとにちゃんとどんでん返しもあるという、オチまで強烈な復讐劇でした。

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