舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

シネ・ウインド「バクシーシ山下の社会科見学in新潟15」観に行ってきました。

2024-05-11 23:57:27 | Weblog


5/11(土) 夜、シネ・ウインドへ「バクシーシ山下の社会科見学in新潟15」を観に行ってきました。
バクシーシ山下監督を中心に、ドキュメンタリー性の高い一風変わったAVをまさかの映画館で上映してしまうこのイベントも気付けば15回。

個人的に第1回目だけどうしても予定があって来られなかったのですが、それ以降は毎回来ていて、一時期は月刊ウインドのレポートまで書いていた(一度あまりに生々しい文章を書いて編集の方から怒られたこともある)ほどの好きなイベントです。
というのも、普通はAVは一人でエロを目的に見るものですが、ここで上映されるAVはとてもエロい気持ちにはなれないほどの変なAVばかりで、しかもそれをみんなでスクリーンで観賞するという特殊すぎる状況が、他では味わえないような不思議な気持ちや感動を味わうことができるのです。

まずはカンパニー松尾監督の「ロスは生なんです」。
日本のAV監督と女優がアメリカ、ロサンゼルスで現地の女優さんやポル男優とAV撮影に挑戦するというAV…の裏側に密着したAVです。

日本のAV監督と、AV女優、AV男優、日本からロスに移住した元AV女優、アメリカのポルノ男優と日本の元AV女優の夫婦、そこに同席しつつ自分も撮影に加わる松尾監督…と、日米のエロにまつわる男女の想いが交錯し合い絡み合う、まさに群像劇!
エイズ検査から始まり、日本のAVとアメリカのポルノ女優の違いに翻弄される日本のAV監督や男優たち、アメリカで売れようと無茶をして情緒不安定になりつつも最後は撮影に復帰するAV女優、そして驚くほど巨根のアメリカのポルノスターと、彼とのAV撮影に挑戦する日本のAV女優、それを見守る元AV女優の妻…などなど、AV撮影の裏側に驚くほどたくさんのドラマがありました。

続いて、バクシーシ山下監督の、タイトルは忘れたのですが、色々なAV女優(おそらく素人の女優さん達)の自宅に上がって生活に密着し、そこでハメ撮りを撮影するというAV。
こちら、数あるシリーズの中から4作品を1時間に編集したものなのですが、登場する4人の女優さん達が、同棲している女友達の妊娠、自己肯定感の低さ、離婚と借金、そして家族や彼氏との不仲など、それぞれ生々しい悩みを抱えているのです。

いかに普段見ているAVが見ている男性が「萎える」要素を都合よく取り除いたフィクションで、その裏側にはこういう女優さん達の生々しい生活の悩みがあるんだな…となんだか考えさせられるAV。
実際、山下監督はそういう女優さんの悩みを聞くたびに性欲がどんどん萎えていき、結局なかなかセックスができないあたりも本当に生々しい。

かと思えば、例えば2人目の女優さんは自己肯定感の低さから何者かになりたくてSM嬢になっていて、山下監督に緊縛プレイをしている途中にテレビに「サクラで出演した」というバラエティ番組が偶然流れ、緊縛プレイ中に2人でテレビを見るという不思議な展開に。
さらに、4人目の女優さんはインタビュー中に彼氏とメールで喧嘩が始まり別れ話を切り出されるなど、予想外のドラマが展開…ちなみにこの女優さんは新潟から上京した方で、山下監督は新潟らしいオチを考えてそうしたらしいです。

それにしても、松尾監督も山下監督も、いわゆる普通ならエロ目的のAVには映らないような、なんなら男性の視聴者からイメージダウンになりかねないような、女優さん達の生々しい現実を、AV監督という立場から撮影していくのがすごく挑戦的だなと思いました。
終了後に松尾監督、山下監督と、一緒に来ていた梁井一監督とお話しできたのですが、梁井監督曰く、AVに出演する女優さん達に「訳あり」な人が多いのは昔も今もあまり変わらないそうです。





さらに上映後のアフタートークでは、時代や法律の変化の中でAVの撮影現場が変化していく中で、AVに生きてきた監督たちそれぞれの考えを(笑いも交えつつ)知ることができるという、本当の社会科見学のような内容でした。
一応、今回で一区切りということですが、今まで色々な興味深いAVが見られて本当にありがとうございました…またどこかでお会いできるのを楽しみにしています!
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