2月7日(ブルームバーグ):
経営再建中のソニー は、今期(2014年3月期)の純損益予想を1100億円
の赤字に下方修正し、市場関係者を驚かせた。
パソコン(PC)事業の売却とテレビ事業の分社化を打ち出したが、
市場からの平井一夫社長へのプレッシャーは強まっている。
平井社長は約2年前の社長就任以降、
エレクトロニクス(エレキ)事業の再生とテレビ事業の黒字化を目標に
掲げてきた。
6日の決算発表後の記者会見でも平井氏は自らの使命は
「エレキ事業を再生、成長させること」だと繰り返した。しかし、
今期もエレキ事業が赤字になることを認めざるを得なかった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の西村美香アナリストは
6日付リポートで「エレキの追加構造改革発表はプラス印象」としつつ、
デジタルAV製品やスマートフォン(スマホ)の事業環境悪化により
「中期的にはまだ楽観視できない」と記載した。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は
「来期には平井社長にもっとプレッシャーが掛かるだろう」
と述べた。
だが、手をこまねいているわけではない。6日の発表資料によると
7月をめどにパソコン事業を投資ファンドの日本産業パートナーズに売却
するほか、テレビ事業については分社化する。
これに併せて14年度末までに国内外合わせて5000人の人員削減も行う。
これら構造改革費用として今年度200億円を上積みし、
来年度は700億円を見込んでいるが、15年度以降の固定費削減効果は
年間1000億円以上になるとしている。
7日のソニー株は一時、前日比5.1%高の1707円まで買われた。
午後1時14分現在は同2.3%高の1661円で取引されている。
再生への道
「VAIO(バイオ)」ブランドを展開しているパソコン事業については
14年春モデルを最後に事業を終え、日本産業パートナーズが設立する
新会社に売却する。
円滑な事業移行のためソニーも当初5%を出資。
新会社は現在のソニーのパソコン事業の拠点である長野テクノロジーサイト
(長野県)を引き継ぎ、譲渡価格は今後協議するという。
ソニーはモバイル領域ではスマホとタブレットに集中する。
一方、テレビ事業は
新興市場の成長鈍化や通貨安などの影響で、今期は赤字となる見込みだ。
ただ、「テレビ事業再生への道筋は見えてきた」とし、
高画質の4Kテレビの商品ラインアップを強化し、高付加価値商品の比率
を高める方針。
同時に製造、販売、間接部門で規模の適正化を進めるとともに、
事業責任を明確化するため、テレビ部門を
分社化する方針も打ち出した。
平井社長は会見で「テレビやパソコンを取り巻く事業環境が厳しく
推移する中、対策を迅速に実行する」と語った。
また、中期成長戦略を今年度末以降に発表することも明らかにした。
問われる本気度
ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者
(CEO)は「テレビを毎年黒字にするとしていたのに、結局赤字になる」
とした上で、「パソコンのようにやめるべきだ。
そのほうが投資家に本気度をアピールできる」
と語った。
6日発表された決算資料によると、
1100億円の赤字とされた今期純損益見通しについては、昨年10月時点で
会社は300億円黒字と予想していた。
ブルームバーグ・データによるアナリスト19人の事前予想平均 でも
248億円の黒字が見込まれていた。通年で赤字となるのは
過去6年で5度目となる。
スマートフォン、オーディオ・ビデオ機器などが振るわなかった。
今期営業利益予想も800億円(従来1700億円)に見直し、
売上高予想は7兆7000億円に据え置いた。
ソニーは今期のスマホの販売目標を4000万台とし、従来の4200万台から
下方修正した。
そのほかの製品については目標を維持した。1-3月期の想定為替レートは
1ドル=104円前後(従来100円前後)、ユーロについては1ユーロ=140円前後
(従来130円前後)に変更した。
エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、今のソニーには
「昔、ウォークマンを作ったような新しい種がない」と指摘。
「自分で商品を作り出せなくなっており、
ビルやビジネスを売っているだけ。
平井社長には攻めが欠けている」
と述べた。
記事に関する記者への問い合わせ先:
東京 黄恂恂 xhuang66@bloomberg.net;
東京 安 真理子 myasu@bloomberg.net;
東京 天野高志 tamano6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:
大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2014/02/07 13:33 JST
経営再建中のソニー は、今期(2014年3月期)の純損益予想を1100億円
の赤字に下方修正し、市場関係者を驚かせた。
パソコン(PC)事業の売却とテレビ事業の分社化を打ち出したが、
市場からの平井一夫社長へのプレッシャーは強まっている。
平井社長は約2年前の社長就任以降、
エレクトロニクス(エレキ)事業の再生とテレビ事業の黒字化を目標に
掲げてきた。
6日の決算発表後の記者会見でも平井氏は自らの使命は
「エレキ事業を再生、成長させること」だと繰り返した。しかし、
今期もエレキ事業が赤字になることを認めざるを得なかった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の西村美香アナリストは
6日付リポートで「エレキの追加構造改革発表はプラス印象」としつつ、
デジタルAV製品やスマートフォン(スマホ)の事業環境悪化により
「中期的にはまだ楽観視できない」と記載した。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は
「来期には平井社長にもっとプレッシャーが掛かるだろう」
と述べた。
だが、手をこまねいているわけではない。6日の発表資料によると
7月をめどにパソコン事業を投資ファンドの日本産業パートナーズに売却
するほか、テレビ事業については分社化する。
これに併せて14年度末までに国内外合わせて5000人の人員削減も行う。
これら構造改革費用として今年度200億円を上積みし、
来年度は700億円を見込んでいるが、15年度以降の固定費削減効果は
年間1000億円以上になるとしている。
7日のソニー株は一時、前日比5.1%高の1707円まで買われた。
午後1時14分現在は同2.3%高の1661円で取引されている。
再生への道
「VAIO(バイオ)」ブランドを展開しているパソコン事業については
14年春モデルを最後に事業を終え、日本産業パートナーズが設立する
新会社に売却する。
円滑な事業移行のためソニーも当初5%を出資。
新会社は現在のソニーのパソコン事業の拠点である長野テクノロジーサイト
(長野県)を引き継ぎ、譲渡価格は今後協議するという。
ソニーはモバイル領域ではスマホとタブレットに集中する。
一方、テレビ事業は
新興市場の成長鈍化や通貨安などの影響で、今期は赤字となる見込みだ。
ただ、「テレビ事業再生への道筋は見えてきた」とし、
高画質の4Kテレビの商品ラインアップを強化し、高付加価値商品の比率
を高める方針。
同時に製造、販売、間接部門で規模の適正化を進めるとともに、
事業責任を明確化するため、テレビ部門を
分社化する方針も打ち出した。
平井社長は会見で「テレビやパソコンを取り巻く事業環境が厳しく
推移する中、対策を迅速に実行する」と語った。
また、中期成長戦略を今年度末以降に発表することも明らかにした。
問われる本気度
ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者
(CEO)は「テレビを毎年黒字にするとしていたのに、結局赤字になる」
とした上で、「パソコンのようにやめるべきだ。
そのほうが投資家に本気度をアピールできる」
と語った。
6日発表された決算資料によると、
1100億円の赤字とされた今期純損益見通しについては、昨年10月時点で
会社は300億円黒字と予想していた。
ブルームバーグ・データによるアナリスト19人の事前予想平均 でも
248億円の黒字が見込まれていた。通年で赤字となるのは
過去6年で5度目となる。
スマートフォン、オーディオ・ビデオ機器などが振るわなかった。
今期営業利益予想も800億円(従来1700億円)に見直し、
売上高予想は7兆7000億円に据え置いた。
ソニーは今期のスマホの販売目標を4000万台とし、従来の4200万台から
下方修正した。
そのほかの製品については目標を維持した。1-3月期の想定為替レートは
1ドル=104円前後(従来100円前後)、ユーロについては1ユーロ=140円前後
(従来130円前後)に変更した。
エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、今のソニーには
「昔、ウォークマンを作ったような新しい種がない」と指摘。
「自分で商品を作り出せなくなっており、
ビルやビジネスを売っているだけ。
平井社長には攻めが欠けている」
と述べた。
記事に関する記者への問い合わせ先:
東京 黄恂恂 xhuang66@bloomberg.net;
東京 安 真理子 myasu@bloomberg.net;
東京 天野高志 tamano6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:
大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2014/02/07 13:33 JST