大相撲名古屋場所14日目(23日・愛知県体育館)――大関に上がったころの初心を思い出し、持ち味のスピードを思い出した。
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横綱の8連覇を阻止した日馬富士は肩で息をしながら、「全身全霊でやりました」と語気を強めた。3年前の大関昇進伝達式で誓った言葉が、この四字熟語。「悔いのない相撲を取り切りたい」という思いが感じられた会心の速攻だった。
立ち合い、すぐに左まわしに手をかけた。命綱を握りしめ、後は終始動き回った。頭をつけて出し投げを連発。じれた白鵬が苦し紛れの下手投げを打ち、腰が伸びた瞬間を逃さず寄り切った大関は、「何があっても(左を)離しちゃだめと思った」と勝因を分析した。
2年前に初めて賜杯を抱いて以降は苦戦続き。昨年九州場所では右足首のけがで休場にも追い込まれた。師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)は「けがをして受け身の相撲になり、体が小さいからまたけがをした」と振り返る。日馬富士から攻めの気持ちが消えたら、132キロはただの軽量力士に過ぎない。故障も癒えて稽古量も倍増し、ようやく持ち味を取り戻したのが復活につながったようだ。
白鵬戦は2連勝。一人勝ち状態の横綱にとって一番の苦手力士が復調すれば、土俵は必然的に活性化する。この1年の成績を見ても、「綱取り」を論ずるのはまだ気が早いが、まずは全勝で千秋楽を締めくくることが、ライバルとなるための第一条件と言っていい。(上村邦之)
(2011年7月23日20時21分
読売新聞)
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