尖閣
【ハノイ=大木聖馬】東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議出席のためにハノイを訪問している中国外務省の胡正躍外務次官補は、29日夜(日本時間同)、中国の温家宝首相がハノイでは菅首相と会談しないことを明らかにした。
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胡次官補は、尖閣諸島などを巡り、「日本側は、中国の主権と領土を侵す言論をまき散らした」などとして日本を強く非難、その上で、「両国首脳が会談を行うのに必要な雰囲気を壊した」と述べた。これにより、修復に向かっていた日中関係に影響が出ることは避けられない見通しとなった。
胡次官補は、香港メディアなどを呼び、首脳会談の取りやめを公表、国営新華社通信がこれを伝えた。日本側が同夜に会談が行われると発表した直後の突然の発言だった。
胡次官補は、「一連のASEAN関連会議に先がけて、日本の外交当局責任者が他国とともに、再び、釣魚島(尖閣諸島の中国名)についてあおった」として、「尖閣諸島は日米安全保障条約の範囲内」と確認した27日の日米外相会談を批判した。
さらに、ASEAN会議の期間中に「中国の主権と領土を侵す言論」があったと非難。29日午前行われた前原外相と楊潔チ(ようけつち)外相との会談に関しても、「日本はまたも真実と異なる言葉をまき散らし、両国の共通認識の履行における中国の立場について歪曲(わいきょく)した」とした。(「チ」は竹かんむりに「褫」のつくり)
胡次官補はその上で、首脳会談は不可能との認識を示し、「これによって生じる結果は、日本が完全に責任を負わなければならない」と断言した。
日本側の説明によると、外相会談では、尖閣諸島を巡り、前原外相が「尖閣諸島に領土問題は存在しない」との考えを示したのに対し、中国側は反発。また、東シナ海のガス田開発では、前原外相が条約交渉再開を求め、ガス田「白樺」(中国名・春暁)への機材搬入についての説明を求めた。
胡次官補らによると、楊外相は「釣魚島の問題における原則的な立場を述べ、釣魚島とその付近の島々は古来、中国固有の領土と強調した」という。
中国では現在、反日世論が高まっており、国内での「弱腰」批判を恐れる共産党政権は、日本、特に対中強硬発言を繰り返す前原外相に対し、柔軟な姿勢を見せられない状況にある。
(2010年10月30日02時38分
読売新聞)
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