狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

『海に降る』/朱野帰子

2020年07月06日 22時37分38秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、朱野帰子の小説『海に降る』を読み返していました。

 JAMSTEC・海洋研究開発機構に勤務している天谷深雪は、有人潜水調査船「しんかい6500」のパイロットを目指している。
 しかし閉所恐怖症を発症して「しんかい6500」の乗れなくなってしまう。
 同じ時期、海洋研究開発機構の広報部に中途採用で新人が入ってきた。
 新人の高峰浩二は、深海生物学者の父親が18年前に見た未確認深海生物を見つける為に「しんかい6500」に乗ることを目的として海洋研究開発機構の中途採用に応募した、と言う……。
 しかし、広報部の人間が「しんかい6500」に乗って深海に潜ることができる可能性はほとんどない……。

 宇宙飛行士よりも遥かに数が少ない深海のパイロットを主人公にした深海探査にまつわるお話です。
 TVドラマになっているようですね。TVドラマはまだ観ていません。



 世界には未知なるものが溢れている、と思わせるわくわくするようなお話です。
 そして、私達が使っている様々なものは多くの人が綿々と受け継いだ技術の賜物で、その技術やノウハウや知識や見識は易々と失われてしまう可能性がある、と教えてくれるお話です。
 夢を目指すこととその先にあるものについてのお話でもあります。

 停滞すれば様々なものが失われていきます。
 過去から延々と受け継いできた様々なものも停滞すれば簡単に途絶えてしまう可能性が高くなります。

 わくわくするお話でありました。
 そして私達には大きな大きな可能性がまだまだたくさんあることを教えてくれるかのようなお話でありましたよ。

 面白いですよ。
 お勧めです。




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