狐の日記帳

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『AKIRA』

2017年02月28日 17時47分45秒 | 映画・ドラマに関する日記




 昨日の夜は、アニメーション映画『AKIRA』を観ていました。

 1982年。
 関東地方で新型爆弾が爆発して、東京が壊滅する。
 これが元で世界大戦が勃発する。

 2019年。
 東京湾には新首都・ネオ東京が建設されている。
 東京が廃墟となってから37年。復興は進んでいた。
 街は反政府デモ隊と警察が衝突し、反政府ゲリラと軍部が殺し合いを繰り広げている。

 主人公の金田は落ちこぼれの訓練校生。
 金田とその仲間達は暴走族のチームを作り、夜な夜な街をバイクで走っていた。
 ある日、他の暴走族との抗争で、旧市街地へ続く廃棄された高速道路を走っていると、「爆心地」の付近で謎の白髪の少年と遭遇する。
 暴走族の仲間である島鉄雄と接触したらしい……。
 鉄雄は重傷を負っていた。
 直後に軍のヘリコプターがやってきて、謎の白髪の少年と共に鉄雄を連れ去ってしまう……。

 原作は、大友克洋の同名の漫画です。





 原作の大友克洋による漫画「AKIRA」は漫画の歴史に残る大傑作です。
 でも以前にこのアニメーション映画「AKIRA」を観た時は、それ程は興奮しなかったのです。
 何か違和感を感じていました。
 それ以来、この映画を観ていませんでした。

 久々に観て思ったことを書いてみます。


 細かく良く動く映像。
 そして線がとても多い。
 でもこの二つはプラスになっていると共にマイナスになっています。

 このアニメーション映画は、プレスコで先に台詞を録音してそれに合わせて作画されています。
 しかし、微妙に台詞と作画があっていないところがあるのです。
 ほんの一コマか二コマかの微妙なズレだと思うのです。でも細かく正確に良く動くのでそのズレが目立つのです。

 そして、先に台詞を録音して後に作画されているので、声優さんの演技による台詞と作画での演出プランに微妙なズレがあるのです。
 例えば、声優さんの声の演技は怒りを面に出さないようにして静かに怒りを溜めているようにしているのに作画での演出プランは怒りを前面に出してアグレッシブ。そんなシーンが幾つかあるのです。

 さらに、線がとても多いのです。
 これは、漫画家である大友克洋の特徴で、漫画では大友克人の圧倒的な画力でたくさんの線を使って微妙なニュアンスを出しているのです。
 しかし、アニメーション映画ではたくさんの人が作業に関わります。
 その作業の全てにおいて全ての線を監督の大友克洋が独りでコントロールすることは出来ないのです。
 なので線の多さが邪魔になっているところと微妙なニュアンスを出しているところが混在していて統一感がないのです。



 そして、漫画の長大なストーリーを124分にまとめるのは難しかったのだと思います。
 キャラクターの感情表現が唐突に感じたシーンがありました。


 でもでもこの映画の音楽は凄く良いのです。
 特に序盤とエンドロールに流れる曲がとても良いのです。
 そして、やはりよく動くアニメーション映像はとても楽しいです。
 そして野心的な映像表現を目指した映画であるとも言える映画です。


 面白かったですよ。
 楽しめました。


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