思考実験をしてみましょう。
同程度の経済力をもった2ヶ国があったとします。
A国は貧富の差がほとんどない社会を目指します。その代わり経済成長は0。
B国は経済成長5%を目指します。その代わり貧富の格差は激しい。
この条件下では初年度はA国とB国の福祉や医療や教育に回されるお金の量はおそらく同程度。
そしてA国の平均的な国民の所得はB国の富裕層には及ばないけれども貧困層の所得と比べるとはるかに上となります。
しかし10年後にはどうなっているでしょう? 20年後は?
具体的な数値は省きますが、高い確率で(つまり何事もなければ)経済成長5%を維持したB国の貧困層の所得はA国の平均的な国民の所得を上回ってしまうのです。
そしてA国とB国の福祉や医療や教育に回されるお金はB国がはるかに上を行くのです。
時が経つにつれてB国はA国よりも福祉や医療や教育の分野が充実していくことになります。
さらにB国は文化にもお金をまわせる余力ができるでしょう。
そして災害時や緊急時にまわせるお金の桁が違ってくるのです。
国際関係で述べるなら、経済成長0の状態を10年間続けると国際的な影響力は一気に下がります。
さらに、何処かの国を助けたいと思っても余力が無い状態なら助けることもできません。
ギリギリの状態であったなら非常時において脆い体制となります。
勿論、これは机上の空論であって現実は様々なパラメーターが存在します。
なので現実は上記のようには進みません。
しかしレーニン・スターリン型の共産主義や毛沢東型の共産主義は構造上に欠陥があることが判明しています。
原始共産主義も小規模で構成員の価値観がほぼ一致している状態ならば可能かもしれませんが、国家単位では無理なことは判明しています。
そしてレーニン・スターリン型の共産主義や毛沢東型の共産主義は平等な社会を作り出すシステムではなく究極の格差社会を作り出すシステムであることも判明しています。
共産主義を奉じるお方は理論の再構築をすべきです。
社会主義を奉じるお方も理論の再構築をすべきです。
その上で方法論を練り直すべきです。
福祉や医療や教育を重要視し格差を是正したい。と考えるならば、その為に経済を発展させて福祉や医療や教育に投入できるお金を増やそうと考えてもよいと思うのです。
「経済成長よりも大切なものがある」と言われても私には、ピンと来ないのです。
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