狐の日記帳

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『文豪たちの怪しい宴』/鯨統一郎

2020年07月04日 12時23分15秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、鯨統一郎の小説『文豪たちの怪しい宴』を読んでいました。

 日本文学研究の重鎮である曽根原尚貴は、討論会からの帰り道にとあるバーに立ち寄った。
 そこで女性バーテンダーに夏目漱石の『こころ』に関する疑問点を尋ねられた。
 そして、途中からやってきた宮田という客が話に加わる。
 彼は、『こころ』を百合小説と断言し……。

 夏目漱石の『こころ』や、太宰治の『走れメロス』、宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』、芥川龍之介の『藪の中』などの過去の名作の再解釈をお話し仕立てで行っている小説であります。



 ま、小説は如何様にも解釈すればよいのです。
 勿論、その解釈に整合性があるならば説得力が出ます。

 『藪の中』は、犯人を捜すとしたならば、確かにあの人物しかいないよね。
 『走れメロス』は、そのように解釈したならば……、イメージがガラッと変わってしまう……。ハッピーエンドではなく物悲しいお話になります。う~む。
 『こころ』を、ミステリと解釈するのか……。思いつかなかった……。
 『銀河鉄道の夜』は、宮沢賢治の父親に対する想いを考慮に入れて解釈し直すと……、というお話。ふむふむ。


 面白かったですよ。
 楽しめました。



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