昨日の夜は、宮部みゆきの小説『火車』を読んでいました。
ドラマ化もされているようですね。私、ほとんどテレビを観ないのでドラマは観てません。
休職中の刑事・本間俊介は亡くなった妻の親戚の男に失踪した彼の婚約者を探して欲しいと頼まれる。
突然、証拠を残さず消え去った彼女は何者なのか?
序盤の弁護士と主人公の刑事が接触してある事実が判明したところで夢中になりました。
下手な作家さんならその事実を後半まで引っ張るかもしんない。しかし最初のほうであっけらかんと提示する。そんなことで驚いてもらっても困るのだと言わんばかりに。
事実その後の展開では、丁寧な外連味の無い筆致で重厚なエピソードが何度も繰り出されて読み手をぐいぐい引き付ける。凄い筆力。
探す女性の正体に簡単に辿り着けず様々なエピソードが組み込まれるのは、探す女性の途轍もない不安感からくる用心深さを表しているような気になる。
切ないお話。
傑作です!
こんなお話をまだ読んでいなかったとは。
私、宮部みゆきの小説にはまってしまうかもしんない。