米国では7月をピークに新規感染者数が減少傾向だったが、9月中旬から再び増加傾向が続いている。ワシントン・ポストの集計によると、現在は中西部などを中心に17州で新規感染者が目立っており、大統領選で接戦が予想されたオハイオ州やアイオワ州なども含まれている。

 トランプ氏は新型コロナについて「奇跡のように消える」「99%は無害」などとして過小評価を続け、マスク着用などにも消極的な立場を取ってきた。大統領選に向けた選挙集会でも、マスクを着用せず、お互いに距離を取らない参加者が多く見られた。米メディアが実施した大統領選の出口調査では、約4割の有権者が、「新型コロナの感染拡大防止よりも経済を優先する」と回答。特に、トランプ氏の支持者では、約6割が経済を最優先事項として挙げたという。

 米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、米国の累計感染者は940万人、死者が23万人を超え、いずれも世界ワーストとなっている。欧州でも「第2波」が猛威を振るっており、世界全体では感染者が4790万人超、死者は122万人超に上っている。(ワシントン=大部俊哉)