高橋のブログ

不定期に..

【新交響楽団第218回定期演奏会を聴く】

2012-07-23 10:59:25 | 日記
【新交響楽団第218回定期演奏会を聴く】

第218回、重みを感じますね。私が新響を初めて聞いたのは芥川さん指揮によるショスタコヴィチ交響曲第4番(日本初演)、
あれからもう25年ほど経過したように思えます。

ロビーで結構、友人に会えました。

今回は飯守泰次郎さんの指揮、Vn独奏に松山冴花さんを迎えて、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と、
マーラー交響曲第1番のプログラム。

席は1F10列右。左に通路。


共に大変、充実した響きを聴かせてくれました。感謝。

新響は今回、練習見学も出来ましたが、いい意味でプライドの高さを感じます。
「私たち、新響ですから!!(あなたを感動させますよ!!)」という雰囲気。

指揮者の注意、指示を真摯に受け止め、また時には議論も起きる(16日の練習の時、飯守さんがベートーヴェンの編成の件で
休憩時に「担当と喧嘩します!」とおっしゃっていました)。

高みを目指して努力を惜しまない集団です。オペラシティは、ほぼ満席。


ベートーヴェンの協奏曲、松山さんは紫のドレスでご登場。彼女は2歳でVnを始め、9歳でニューヨークへ。
その後はジュリアードで学び、エリザベートを始め各コンクールで実績をあげた期待の若手奏者。

日本にいた9歳までどこで学び誰に師事していたのかわかりませんが、あの大らかな弾き方、そして解釈は
同年代の日本人演奏家とはかなり違うような気がします。

その斬新さに私は惹かれる部分もあるのです。越谷でのリサイタルでもそうでした。


今回も時に各パートに鋭い視線を送ったり、目を閉じて弾かれたり、前回のブラームスのコンチェルト同様に、
松山さんらしい演奏だったように思えます。そして彼女の最大な特徴はその音程の正確さだと思います。
音程が良ければいい、というものではありませんが、やはり音程は私の中では重要視しています。
音程が非常に正確なので、カデンツァも純な気持ちで音楽に入れました。

カデンツァにサン=サーンス版を使ったわけですが、この理由は何かの機会にお伺いしたいと思います。

数年前に聴いた小野明子さんの同曲演奏は本当に感動的で思わず涙が出てしまったのですが、
今回の松山さんのは感傷的にならず、あくまでもがっしりと、時に攻撃的な要素も多く、ベートーヴェンを聴いた!
という強い印象が残りました。本当に見事な演奏。

拍手が凄いこと。満面の笑みの松山さんでした。



後半の「巨人」。新響、シンフォニカ、都民響等、トップレヴェルのアマオケで共通して言えるのは、弱奏時の音色です。
一般にアマオケは弱奏時にその技量がわかります。管楽器はかすれた音になるし、弦は特に高音域でそれが目立ってしまう。

しかしトップレヴェルのアマオケはそういうところでも、非常にクリアーな音色を聴かせてくれます。
「巨人」は特にそういう部分が多いのですが、全くアマオケだということは感じませんでした。




それから第1楽章が終わって、大半の団員達が深呼吸したのは感じ取れたのですが、Vcの方々を見ると、全然、気持ちが休んでいません。
ずっと飯守さんを見つめている

その理由がすぐにわかりました。第2楽章冒頭の低弦による序奏部が非常に特徴的。ここを飯守さんは非常に重く、
また強く弾かせていました。ズシーン!という感じで。再現時も同様。こういう弾き方をするのであれば、
第1楽章が終わって、やれやれ..と落ち着く状態ではなかったでしょう。

私は第2、第3楽章が特に面白く鑑賞しました。


また全体に管楽器群の叫びも、少し大げさにしていました。時に壊れる寸前という段階まで。

第4楽章の後半は、新響ならではのサウンド。管楽器群が強奏していてもしっかり弦が聞こえてきます。
とかく管に消されがちなのですが、いい勝負。

立奏はHnに加えて、TpとTrbが一人ずつ。ラトル等と同様。

そしてラストのティンパニのロールは、床から聞こえてくるほど。


拍手喝采で、飯守さんが全員を立たせるとストバイ最後尾の裏に松山さんが。黒い服に着替えていて、
また完全に団員に同化していたのでわかりませんでした。

あのコンチェルトを終えても弾き体力が残っている。音楽家は体力あってのものだと思いました。

最後、コンミスの指示で全員が一礼した時に、松山さんが「あ、ここで礼するんですね!!」という感じで1拍遅れて(^^^;)、
お辞儀していました。彼女にとって久々のオケ経験だったと思います。


それから私のすぐ後ろのワンちゃん(盲導犬)はご主人と前の椅子(私が着席)の間の狭いスペースでずっと「伏せ」状態。
レトリバーなので大きいのに。

さすがに「巨人」の4楽章の中間で何回か、僅かにモソモソッって動きが椅子を通じて私に伝わってきました。
頑張れワンちゃん!と心で応援。また静かになり「お仕事」してました。



新響は年4回、定期演奏会を行っているわけですが、既に来年10月の定期まで曲目や日取りが決まっていることにも驚きます。

シンフォニカ・高橋真珠さん・新響&松山さん..、この1週間余りで素敵な音楽体験が次々とできたことに感謝。


あと、ついでに。休憩中、上からチラシが何枚も降ってきました(^^;)。袋ごとドサッと落ちてきたら大変でしたけど。
オペラシティで聴くと、たまに起きますね。バルコニー席に前の僅かなスペースにチラシ類を置く人がいますが、
あそこってやや下斜めになっているから、落ちてしまうんですよね。

演奏中だったら...。

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