日本のチェロ界の重鎮、更には桐朋学園大学の学長として教育に携わり、またサントリーホールの館長にも就任中の堤さんが、私の地元(正確には隣の市ですが)で
リサイタルをしてくれました。
直前まで全くこの公演予定を知らず、たまたま先日、南越谷駅前のロータリーにあるポスターで知って、慌ててチケット購入、本日を迎えました。
共演のピアニストは須関裕子さん。まだ28歳。年齢差40を超えるお二人の共演です。もう何度か共演されていて、堤さんの最新CDも彼女がピアノです。
曲目はバッハの無伴奏チェロ1番から、一柳さんの「コズミック・ハーモニー」まで多彩。越谷だから、名曲ばかりか..と思いきや、
そうではなくしっかりとした選曲だったように思えます。
聴衆も楽章間で拍手するわけでなし、割と質は高かったです。
ただ、アンコール演奏中、ここで終わりか..と誤って拍手してしまった方が何人か。まぁ、これは許容かなといったところ。
それより最前列中央の男性(私とほぼ同年齢?40歳後半に見えましたが)が、やや「ヲ」っぽく、演奏後、もう一呼吸欲しかったところで何度か拍手1番乗り!困ったものです。
リサイタル中盤で司会の岡部真一郎さんとしばしステージ上でお話。
また聴衆からの質問アンケートにも真摯に回答されていらっしゃいました。
「食べ物は何が好きですか?」という小学生からの質問には会場も笑いが。
「私は何でも好きなんです。ルーマニアで何だかよくわからないものを食べて、食べ終えたら、今のは羊の脳味噌だ!と言われて、びっくりしたことがあります。」
というお話も(^^;。
バッハ、一柳以外では、カザルスの名曲「パストラーレ」も良かった。私が一番、感銘を受けたのはシューマンの「アダージョとアレグロ」でした。
ご存じの方も多いと思いますが、この曲は元々はHnの曲。しかし、シューマンがVnやVc用にも編曲していて、今やHnと同じ位の頻度で聴くことが出来ます。
須関さんのピアノも素晴らしかった。一柳作品時の緊張あるタッチもあれば、ドビュッシー「亜麻色~」では、幻想的な音色を奏で、魅了させられました。
終演後、堤さんからサインもいただきました。少しいろいろとお話しが出来たのが嬉しかったです。
今日ご使用のチェロはバッハが無伴奏チェロを作曲した頃に作られたもののようで、この素晴らしい名器を次世代の方により良い状態で、近い将来、お渡ししたいとおっしゃっていました。
今年も多くのチェリストの演奏会に接することが出来ました。堤さんの他には長谷川陽子様、山崎伸子さん、古川展生さん。
若いところでは、上村文乃さん、宮田大さん。また新倉瞳さんやオンドラーチェクさんのドヴォルザークの協奏曲も素晴らしかった。
来年も素晴らしいチェリストに出会えますように!