春日部から車で2時間。国道4号、50号、294号を経由して真岡市の二宮文化会館へ。
本来は真岡市民文化会館というコンサート向けの立派な会場があるのに、3.11で真岡市は大きな被害を受け、今なお、その会場は使えません。
3.11というと東北、そして茨城の被害が有名ですが、栃木県真岡市も大きな被害を受けています。その後の地震でもなぜか真岡市だけ強い震度。
何か真岡市の地盤が東北の地震層と関連があるのかもしれません。
今回、配布されたプログラムには
「真岡市内は大きな被害を受け、本楽団においても、演奏会場と練習場所を一度に失う事態となり、存続の危機にもなりました。
しかし多くの方のご協力のもと、この困難を乗り越えることができました。」
と明記されていました。困難を乗り越えると記されているも、実はまだ途上です。環境が厳しいながら練習場所を捜し、また本番の会場は残響がほぼゼロという、
演奏会場には不適な会館でしかコンサートが出来ない現実。
しかし、今まで40数回の定期演奏会を行ってきたこの真岡オケは、前進中です。
一時期は三石さんが振っていた時代もあります。三石さんから、弟子である佐藤さんに指揮棒が渡され、本日に至っているようです。
今回の曲は「イーゴリ公」序曲、「カレリア組曲」「ブラ1」です。指揮は上述のように佐藤和男さん。
東京アマデウスを指導されたり、市民交響楽団も指揮されていらっしゃいます。
開場の30分ほど前に着きました。駐車場で開場まで車で暖を取っていようと思ったのですが、入り口付近を見ると結構、この寒気の中、並んでいます。
私も並ぶことにしました。しかし外照明が暗く、階段ではご老人が転ぶ有様。
特に外には誘導係さんがいないようで、仕方なく、私が受付に出向き、団員さんにその旨を申し出ると、男性の方(後にクラリネット奏者と判明)が、
すぐ外に出てくれて、会館受付に外照明をもっと広範囲に点灯してくれるように交渉してくれて、改善されました。
敏速な対応に感謝。
人手が足りないとは思うものの、出来れば外にも整列や誘導を促す係りが必要かなとも思いました。結構、年輩の方が多かったです。
開場は10分ほど早めてくれました。寒かったし!これまた感謝。オケによっては、開場時刻を臨機応変にしないところもあるので、見習って欲しいです。
客席はほぼ、満席です。
しかし、このホールは楽屋がありません。ホール客席後半が分断できるようで、そこで区切り、後方を団員の控え室、更衣室にする有様。
舞台も、一般のホールと違って、ここは狭く、また左右、上に行く音は吸収されてしまう最悪な場所。反響板を後方に配置しても、厳しい。
前回もここで聴きましたが、あまりの響きの悪さに唖然とすると共に、団員さん達の悔しい思いを推測しました。
案の定、「イーゴリ公」では管と弦が全く解け合わずに聞こえてきました。さすがに厳しいなぁと思うも、次の「カレリア」では、その悪条件を超えて、
音がまさに音楽の音色としてこちらに伝わってきました。特に第2曲からは、その印象強し。
本来はここは愛を歌う音楽ですが、私には震災で悩む真岡オケの心情を歌っているかのように聞こえ、第3曲のマーチ風では、
近い将来、完全復活する真岡オケの春を願うかのように聞こえてきました。
今回の最も素晴らしい音楽に聞こえました。
後半はブラ1。
ブラ1を聴くのは、先日の桐朋祭以来。あの時も演奏までの数時間は大混雑で混乱。異様な雰囲気の中で演奏が始まるも、演奏は圧倒的で素晴らしいものになりました。
今回のティンパニ奏者は女性。この方が恐ろしいほどお上手!一打入魂!という感じ。
最後まで主役だったように思えます。
この舞台ですから、団員同士もお互いの音がよく聞こえなかったようで、あちこちで、音の出が曖昧に聞こえてきました。また低弦がなかなか聞こえてこない。
指揮者もかなり、意識して指揮していましたが、これはオケの技量というよりホールの限界か。
コンミスさんも奮闘。ただ、やはりソロがもう一つホール内に響かない。本当に惜しい!
聴きながら、まさに震災地のオケなのだということを強く感じました。
ホルンはちょっと力不足のように思えました。次回は「ライン」なので頑張って欲しいです。
アンコールはホワイトクリスマス。
いわゆる「市民交響楽団」というアマオケは、越谷と真岡、この2つだけ今後も聴き、また応援していこうと思います。世の中に本当にたくさんありますが、
とても聴きに行ける余裕もないですし、また真岡のような特別な感銘を受けるところはまずないでしょうから。
また、前回苦言を呈した演奏中の客の入場に関しては大きく改善されました。
素晴らしい!
次回は芳賀町民会館で開催予定。ジプシーが続きます。
しかし、将来、この数年間の経験は、必ずや団員達の力になると思います。
頑張って!