「ご主人や、10月31日だ。」
・・・だね。
「アレだ・・・えっと、お菓子を巻き上げる日。」
ハロウィンね。イベントの名前くらい、ちゃんとしよう。
「カボチャの誕生日でしたっけ?」
惜しいけど、ちょっと違うなー。
「まぁ、由来はどうでもいいです。お菓子をください、そういう日でしょう?」
また言い切ったなぁ・・・。
「トリックアンドトリート!」
オア!オアだからor!オーアール!
「どっちでもいいです、些細な問題です。お菓子をよこしなさい、そういう日ですから。」
・・・マジな話、菓子類に該当するモノが無いのよね。最近あんまり買ってきてないし、買ってたのは食べちゃったし。
「む・・・トリートできないならトリックですね。イタズラする日に変更です。」
な・・・てか、仮装もしないで何を言うかね、このコは。
「あー、仮装しなきゃいけないんでしたっけ。」
中途半端な知識でイベントに首突っ込んでくるよねぇ、毎回。
「じゃ、ねこむすめ~♪」
うゅ・・・仮装っていうか、いつも通りだよね。
「ですよねー。」
標準武装だもんね。てゆか、何もしなくても猫型だしね。
「あ、こんなのありました。」
おぉ、魔女・・・っぽぃ帽子・・・だけ?
「だけです。」
せめてマントとかあれば、それっぽくなるのに。
「じゃあ用意してください。」
そうきたか。えと・・・黒い布ならあったかな。
「本当ですか?それっぽくなれますねー。」
・・・水玉模様の。
「え?」
ていうかね、お菓子が無いんだって。
「ですよねー。」
「どうして用意してないかなぁ・・・せっかくのハロ・・・ハロイーンだっていうのに。」
生憎と、キリスト教徒じゃないのでね。
「まぁ、トリートできないのならトリックするまでです。今日はご主人をイジメる日。」
ちょっと待った、なんか違ってる。
(現代日本は、ご近所の付き合いすら希薄になって久しいですけどもね。)