「さぁ、12月の12日です。」
「ふむ、語呂合わせで、わんにゃんわんにゃん・・・だな。」
「そう、わんにゃん大戦争の日です!」
・・・いゃ、そんな日はない。
「今こそ、猫と犬の覇権争いに終止符を打つ時!」
「そうだな、姐さん・・・この辺で雌雄を決しておこうか。」
そんな日ははない、ないぞ。
「覚悟と準備は良ろしいですか、リンク。敗北の覚悟と、逃走の準備は。」
「姐さん、いつまでも姐さんの天下が続くわけじゃあない。凋落の覚悟と言い訳の準備はできているのかな。」
ちょっとちょっと、遊ぶのは構わないけど、平和的に遊ぼうね?
「・・・・・・どうやって勝負しましょうね。何か良い案はありませんか、リンク。」
「姐さんに一任するよ。姐さんならきっと、対等に勝負のできる素晴らしいアイディアを出してくれると信じているさ。」
て、何やるか決まってないのか・・・。ケンカにならないようにしようね、そこだけ気を付けようね。
「とりあえず・・・そうですね・・・・・・ズルぃですよ、リンク。」
「三十六計、逃げるが勝ち。オーナーの口癖じゃないか。」
口癖っていうほど口癖のつもりはないけどな・・・。
「そうですね、とりあえず・・・・・・頭数を集めましょうか、お互い。」
何をやるかも決まってないのに!?
「あぁ、まずは互いの軍を集めるってことかい?犬の軍と猫の軍を築く、と。」
「あ、そうですね、そうしましょう。猫っぽぃのと犬っぽぃのを集めて、それで・・・・・・・・・それで、まぁ、何かしましょう。」
あ、何も決まってないね、これ。何も決まらないまま進もうとしてるね、これ。
「ひとまず、シュガーを連れてきましょう。あとは・・・。」
「こちらには既に、みかがいる・・・もう2対1だぞ?姐さん。」
「何を言っているのですか。私のほう、もっと増えますよ?」
「・・・ほら、リオーネもこっち来る。ちゃんと歩いて、こっち。」
「何なんです、もう。訳の分からないおかしな争いに巻き込まないでもらえますか・・・っちょ、引っ張んないでよ!わかった、あるくから!」
「2対3だと・・・我々の側が不利になってしまっただと・・・!」
「というかですね、イヌよりネコのほうが絶対に多いはずですよ?だってご主人がネコ派だもん、ね。」
まぁ、ネコ派だけどねぇ。
「ほら。あと、イシスも一応はネコでしょ?トラだし。チエもそうでしょ?ヤマネコだし。」
「本当に猫が多いな・・・犬はいなかったか、他に犬は・・・・・・。」
ロダンは犬枠じゃない?
「あぁ、ヘルハウンド!そうだ、ロダンは犬だな。」
「ヘルハウンドってアレですよね、犬のお化けですよね。」
・・・・・・大きく間違ってはいないと思うけど、あんまり正しい表現とも思いたくないな。
「お化けはアウトですね、認められません。」
「何・・・!それはヒドぃぞ、姐さん。」
「ちどりは・・・どっちだろ。ね、ご主人、キツネってネコ?イヌ?」
ちょっと待ってなー、インターネットの世話になってくるゼー。
「狐は・・・犬の仲間なんじゃないのかな。そんな気がするのだが・・・。」
キツネはね、イヌ科みたいだね。イヌ科・イヌ亜科・・・あるいはイヌ科のキツネ属、そのどちらかを指す名称ってのが、一般的なトコみたい。
「では犬だな。我々の仲間だな、歓迎するとしよう。」
「キツネはキツネでも九尾の狐ですよね、そういえば。お化けはダメです、認められませんね。」
でも、ネコ目・イヌ科の、イヌ亜科とかキツネ属なんだってさ。
「ではネコですね。私達はちどりを歓迎します。しっぽがいっぱいあったって気にしません。」
「いやいや。それはヒドぃぞ、姐さん。」
「あ、じゃあプラムは?フェレットはネコ?」
「それは、どちらでもないんじゃないかな。あえてどちらかと言うのなら・・・犬のような気がしないかい?」
ちょっと待ってなー・・・・・・えーっと、ネコ目・イヌ亜目・イタチ科・イタチ亜科・イタチ属・・・んー、どっちともつかなくない?
「より上位のくくりとして、ネコなのではありませんかね。」
「より細分化したグループとして、犬なんだろう、きっと。」
いゃ、イタチなんだと思うよ、これは。
「まぁ、でもプラムは私に懐いてますから、私達のチームですね。ネコです。」
「待て待て、何だそれは。」
「これで、えっと・・・7対2?・・・・・・じゃない、フェレット型はもう1人いるから、8対2です。」
「待ってくれ姐さん。その計算は、ちどりもそちらの軍にいる計算だぞ。せめて狐はこちらに譲ってくれ!」
あとねー、もうついでに調べといたんだけど、タヌキはネコ目・イヌ科・タヌキ属だって。どっちかっていうとイヌだね。
「よし、やったぞ!犬が増えた!」
「・・・ご主人、リコリスはタヌキ型ではありません、リスです。」
おぉっとぉッ!ちょ、今のナシ!えーっと、えっと・・・・・・待ってな・・・・・・・・あー、リスはね、ネズミ目・リス亜目・リス科。ネズミだ。
「ではイヌではありませんね。」
「くッ・・・!」
「あ、ご主人。コウモリは・・・。」
イヌでもネコでもないと思いますよ。
「サソリは・・・。」
虫です。
「えっと・・・今は何対2でしたっけ?どのみち私の勝ちですよね。」
「ちどりはこちら側だ!それとロダンもだ!4人いるぞ!」
「で・・・何対4でしたっけ?仮に2人の追加を認めたとしてですが。」
「精鋭揃いなのさ、姐さんの軍など物の数ではない!」
「・・・家主さん。そろそろ止めたほうがいいんじゃないの?」
はいはいはいはぃ、ケンカはしな・・・あ、いゃケンカはしてもいいけど、ケガするようなのはダメだからねー。殴り合いになるのとかはヤメてよ?
「殴り合ったりはしませんけど・・・だったらご主人、何か平和的に勝負できるアイディアをください。できれば、私達チームの数を活かせる何かを。」
「なぁ、オーナー。今から犬派に乗り換えるというのはどうだい?かわいいぞ、犬は。・・・だから、人数が少なくても勝ち目のある勝負をだな。」
そうねー・・・サイコロでも振る?
「サイコロですか・・・全員で振って、出た目の合計を競うということなら。」
「せめて、最も大きな目を出したほうの勝利とか、そういうルールにはできないかな、姐さん・・・。」
じゃあ、私が第三勢力として加わるわ。
「で、みんなしてサイコロ振るの?それって楽しいの、ねぇ。」
あと、そうねぇ・・・無難にみんなで遊べそうなのは、トランプくらいしかないなぁ。
「だったら、そうだな・・・ババ抜きをしよう。最後までジョーカーを手放せなかった側が、敗北するんだ。」
「それは数がいるほうが不利になるから却下です。」
あー、じゃあジグソーパズルでも買ってこようか。安いの。みんなで作って、早く完成したほうの勝ちで。
「あ、それは面白そう。私達の数も活かせますしね。」
「数がいれば良いというものでもないさ、その勝負なら乗った。」
「・・・ていうか、もう猫とか犬とか関係なくなってる気がしますけど。」
いいんじゃないの?楽しそうだしさ。じゃ、ちょっと待っててねー、何か適当に買ってくるから、安いの。
「安くなくても良いのですよ?」
いゃ、安いの買ってくるから。待っててくれ。
「・・・・・・てか、ケンカするのは良いんだ。」
ケンカしたいって時もあるじゃん?で、ケンカしなきゃ収まらない時もあるしさ、場合によっては~かな。もちろん、あんまりしないでほしいけどね。
(ネコ科の上にもイヌ科の上にも、ネコ目って分類が存在するんだよね・・・。広義の意味では、ものすごい広義の考え方では、どっちもネコってことなのかな。)