ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

日本語ボサはこれでいこう

2009-01-30 16:37:03 | ライヴ

こんにちは、どうにかこうにかタチの悪い風邪から復活したサンバタウン店主です。今日は用事で最寄りの某銀行ATMボックスに行ったのですが、最初の所が取扱中止でストップ。仕方ないなーと少し離れたATMボックスへクルマを飛ばして行ったらなんとそこもワタシの前のオバはんが取扱中止にさせやがりまして(ヘンな日本語)、どないなっとんねん、M!U!F!J!(ヴィレッジ・ピープル風もしくは西城秀樹風に)

さて、そんな某銀行と店主の相性の悪さはどうでもいいとして、今回は久々にライヴのご紹介。2/21(土)におなじみCafé Dufíにやって来る注目のデュオ、vice versa(ヴァイスヴァーサ)であります。

このお二人(vocal:石塚明由子、guitar:マツオケンイチ)、とても良い音楽を作っていますよ。
この感じは、日本人が目指すのであればここしかないという和ボサ、そう、ボッサ・ノーヴァでなくてボサノバとあえて書きたい、そんなベクトルをイメージさせてくれます。歌詞がいい。曲がいい。演奏がいい。店主自身、日本語の歌がここまでココロに沁み込んで、心地良く聴こえるのは実に久しぶりのことです。そんなわけで大勢のご来店をお待ちしております(ってDufiスタッフかい)。



vice versa 「月とコーヒー」発売記念ライヴ
2月21日(土) at Café Dufí
open 18:00 start 19:00
charge: 予約2,000yen 当日2,300yen
(飲食代別途)

共演:Qu-Ki (from gura)
落合智彦(ガットギター)、Radio(フルート)、
ゴトウヒロシ(ベース)


ご予約・お問い合わせ:
 Café Dufí TEL 052-263-6511
 織音工房 toraji@par.odn.ne.jp



ちなみに他の会場は・・・

2/22(日) 大阪 chove chuva
3/15(日) 山梨 くじらぐも
3/20(金) 東京 Strings


というふうになっております。

最後にこの素晴らしいデュオの新作「月とコーヒー」特設ページをご紹介してひとまずこの記事を終わりに致しましょう。是非試聴のチェックを!

笑えるポスター

2009-01-29 14:29:00 | Brasil Metal Union

こんにちは、風邪ひいて身体エラいくせして妙に気が昂ぶっているサンバタウン店主です。
ひょんなことで(あ、また『ひょん』使っちゃった)お知り合いになりました、アチラ方面の凄腕ギタリスト、キコ様ことキコ・ルーレイロ(ロウレイロ)のブログをなんとなーく見てたら、思わずコーヒー吹いてしまいそうなイベントのポスターを発見!



どうやら昨年の12月21日、サンパウロのSão Carlosで行われたショーロイベント「Chorando sem parar」のポスターでございまして。いやーすごい。午前10時から午後10時まで。12時間泣きっぱなし。

我々にはおなじみの女傑ルシアーナ・ハベーロやニコラ・クラシッキに挟まれるようにして、ポスターの真ん中へんを陣取っているキコ様がス・テ・キ!キコ様の上のルイス・メロヂアはまあご愛嬌として(それでも意味不明だよなあ)、こういうポジショニングって普通ありえないと思うのですが、やはり彼を前面に押し出した方が集客効果が大きいんでしょうね。RockeiroやMetaleiroも押し寄せるショーロイベント会場!いいぞ、なんて素晴らしいんだブラジル。じゃあよ、そしたらよ、オレ、キコ様呼ぶわ。そんでよ、国内外のミュージシャンも集めてショーロフェスティバルやんのよ。キコ様にはいつもの路線じゃなくてショーロギターやってくれって頼むからさ。んで日本のロック/メタルキッズをショーロ漬けにするんだわ。もちろんお約束とばかりにイベントの前後日程には各地でキコ様のギターワークショップ開催っちゅうことで、どすか?どすか?

・・・という妄想が店主の頭の中を駆け巡りましたが、まずは目の前にある4枚の新譜を通販サイトにアップさせるという仕事をきちんと今日中にやってからにしましょう(しゅん)。

再入荷のお知らせ

2009-01-29 10:38:39 | CD

以前ぜじろぐでも採り上げましたSamba de Fato e Cristina Buarque/ O samba informal de Mauro Duarte(2CD)が3セットのみ再入荷しました。

テレーザ・クリスチーナ&グルーポ・セメンチ系の「良心的サンバ・カリオカ」に目がない人には問答無用でオススメします。愛聴盤間違いなしです。
ラティーナ1月号の2008ブラジルディスク大賞で、マルメラアダのアベさんも1位に推されました。保証書付きってやつですね。

サンバタウンのみならず日本国内のブラジル音楽市場は(コアなファンを除き)、リリース後2~6ヶ月くらいたってから動き(つまりお客さんからの問い合わせ)が出てくる傾向にありますので、そういう意味では今が商品投入の好機かな・・・としたたかな計算を働かせる店主ですが、それはともかくとしまして、お早めにどうぞ。

噂をすれば何とやら。

2009-01-28 11:29:57 | CD

三つ前の記事のネタとして使わせていただいたZé Paulo Beckerご本人からメッセージが届きました。実は少し前、彼にファンレターみたいなものをしたためたんですが(照れ笑い)、そのお返事でございます。

残念ながら、彼のファーストソロ作Lendas brasileirasは廃盤となっていることがはっきりしました。再発の見込みは?という問いには「再プレスにあたり、いろんなカヴァー曲の権利問題が複雑に絡んでくるので、現時点では難しい。当然僕も手許に持ってない」というお答えをいただきました。がっくし。


(これがそのアレね)

以上、だからどうしたと言われればそれまでなんですが、ブラジリアンギターファンの希望を見事に打ち砕く情報でした。おしまい。

ある朝の風景

2009-01-28 10:47:47 | 日記

今朝、いつものように小ゼジを保育園に送ろうとしていた時のこと。

手をつないで歩く我々の眼前を、すぐ近くの住宅資材積み替え現場で作業していたユニック車が、クレーンのブームを高々と持ち上げたまま動き始めたではありませんか。

おい、どうするつもりや、どうするつもりやと思うが早いか、ユニック車のブームは電線(電話線&光ファイバー線)に突入。

引きちぎれるケーブル。

頭上にふりかかる電線。

なぎ倒される電柱。

園の前でダベっていたお母さん達の絶叫。

出会いはスローモーション(by 中森明菜)。

そして画像のような有様に。

シャーシ部分から見事にねじれてしまったトラックはこの数分前、電線にブームを引っ掛けたまんま宙吊りに近い状態になってました。

人間、いざ当事者となってこういう事故の現場に立ち会うと、どう対応していいか判断できず、なかなか咄嗟にアクションを取れないもんですね。運転手のじいさんなんて呆然としてますし。登園中の園児の安全確保、警察ほか関連各所への連絡、現場の交通整理などなど。ワタシなんぞに至っては小ゼジが電線の真下にいたっちゅうのに、まず危険を察知するや、自分だけが一瞬先に飛びのいてしまって、あの恥ずかしい記憶が今も重苦しいです。

でもまあ、誰も怪我しなくてすんだのは幸運だったと言うほかない凄絶な出来事でした。

そしてワタシもとりあえずの現場対応をやった後、倒壊した電柱に阻まれて駐車場から出られなくなった自分のクルマを一旦置き去りにし、徒歩でいま帰宅したところです。こ、こんな体調最悪の日に限って・・・。


ってなんかmixi日記みたいね、これ。

手習いのススメ

2009-01-27 23:20:47 | 楽譜・教則本・書籍

こんにちは、結局どういうわけか今になって風邪をこじらせてしまい、体調最悪のサンバタウン店主です。げえっほ。ううむ、やはり油断大敵、風呂から上がって髪の毛乾かさずに寝たのがいけなかったか。個人実績ではコレやらかすと風邪こじらせ率100%ですね。皆さんも気をつけましょう。

さて、そんな店主のウィークポイントなどははどうでもいいとして、今回はブラジル音楽にまつわる様々な教材のご紹介を。
本日、通販サイトの新着アイテムカテゴリにどどっと商品アップをしておきましたので、ご興味のある方は是非チェックしてみて下さい。

教則本-ネルソン・ファリア/ブラジリアン・ギター・ブック
教則本-長岡敬二郎/ブラジリアン・パーカッション パンデイロ
楽譜+CD-フルートとギターのためのショーロコレクション vol.1
教則本-パッと見てわかる ボサノヴァギターコード
教則本-すぐに歌えるボサノヴァ 1
教則本-すぐに歌えるボサノヴァ 2
楽譜-Carlos Henrique Machado/ Choro brasileiro
楽譜+CD-Itibere Zwarg/ Oficinas de Musica Universal Pro Arte
楽譜-Songbook CHORO Vol.1

中にはマニア向けの珍品もあったりします。また大好評をいただいているSongbook CHORO vol.1は、一時完売となりましたが、予約キャンセルが出たため1部在庫がございます。既に再取り寄せ手配もかけておりますが、お急ぎの方は是非この機会にどうぞ。
「すぐに歌えるボサノヴァ」シリーズは、どんな曲が収録されてるのか知りたい方のために、合計60曲の紹介を手打ちで入力してやりましたわい。モノを本当に奨めたい・売りたいのならここまで踏み込まんといかんのじゃーいっ。

店主も、物販業が軒並み不調になると言われる2月はあえてじたばたせずに、少し時間を設けて、「実はすごい人」ことネルソン・ファリア大先生教則本あたりで、久しぶりにギターの練習などにいそしめたらなあ、なんてことを考えております。
そうなのです。いくら世間が不況だのなんだのと悲観的な風潮になろうが、そんなのに我々の素晴らしき人生まで巻き込まれてたまるけいっ。特に余暇活動に至っては尚更のことです。その部分だけはしっかり大切にして、楽しく充実したプライベートライフを送りたいものであります。
そんなわけで、皆様もここはひとついかがでしょうか?

そうそう、習い事といえば、いよいよ名古屋でも3/20(金祝)、東京より長岡敬二郎氏をお招きして、大々的にパンデイロワークショップを開催することが決定致しました!詳細は別途ご案内ということで、お楽しみに!!

ポルトガル語発音のフシギ

2009-01-27 00:39:57 | 日記

こんにちは、週末は法事で実家の松山に帰省していたサンバタウン店主です。しばらくぜじろぐも放置しっぱなしになっておりましたが、久々に記事を書いたかと思えばあまり意味のないネタです。申し訳ありません。

最近ウチの商品に関し、やたらErnesto Nazarethとキーボードで入力したり手書きで納品書切ったりすることの多い日々が続いておりますが、そういえばなんでNazarethで「ナザレー」と読むのだろう、とお思いになった方はおられませんか?

今はなきブラジル音楽の名スポット「サバス東京(Sabbath Tokyo)」もこれと同じパターンになっているのか、ブラジル人はことごとく「サバー」と発していたのを思い出します(なんか語感的におマヌケな感じで違和感ありまくりでした)。

そこでワタクシ思ったのですが、かの地ブラジルにおかれましては、外来語的な読みづらい単語の語尾に関しては見て見ぬふりをし、あえて発音せずにそのままやりすごすという暗黙の了解的発音法則になっているんではなかろうかと邪推したりするわけであります。例えばリオのギタリスト、Zé Paulo Beckerの読み方なんか今でもケンケンガクガクですよね。ゼー・パウロはいいとして、最後のBecker姓。普通に読めばベッケルだ、いやベケールだ、はたまたドイツ家系だろうからそのままベッカーで通すのが正しいとか、まあいろいろなご意見があるようですが、リオの現場ではどうなのかというと、上記の「やりすごしルール」に基づいてか、B-e-c-k-e-rのkのところでストップして「ベッキ」と発音する人が多いそうです。er無視とはなんとも豪快な。

こういうのは日本にいてはなかなか体得できないものですね。

でも、それならば、なぜ、
Elizeth Cardosoはしっかり「エリゼッチ」と発音するのでしょうか?
なぜ「エリゼー」ではないのでしょうか?


つか、だったらおれ、あえて「エルネスト・ナザレッチ」ってマジ頓珍漢な読み方しちゃうぜ?みたいな(←今どきのアタマ悪そうな若者風)。

ポル語発音に関する謎は深まるばかりです。

皆殺しアルバム、遂に登場。

2009-01-22 15:33:57 | CD

その道のモーレツなファンからクリスちゃんと呼ばれ愛されるサンパウロ在住のシンガー、クリス・アフラーロ待望に待望で待望の2ndが、4年ぶりに登場しました!もう一回言いますね。4年ぶりにっ、登場、し・ま・し・たッ!!

もうね、もう・・・たまらンのですっ(痙攣)。

ファースト作Só Xerémがフォホー色の濃い美しいアコースティックな作風で、ワタシなんぞは今回もそれを期待していた(正直なところ次のアルバムタイトルはSó Xerém Vol.2でいいと思っていた)のですが、それは極めて良い意味で裏切られました。1作目のルーツリズムと涼やかなアコースティックサウンドはそのままに、クリスちゃん本来の方向性であろうサンパウロ都会派のアプローチでMPB界の曲者達をカヴァー(残り半分は自身のオリジナル)。なんせアルバムタイトルQuase tudo dáはかのアルナウド・アントゥニスのUm somに収められていた変態バイアゥンの曲名そのものなんですから。あとはペリクレス・カヴァルカンティ(A.カルカニョットがよく採り上げてますよね)、カルロス・カレカ、ルーラ・ケイローガ、うわー普通に考えたらもうゲテモノ料理に近いっすな。それからジルおやじと、おお、カエターノのUm tomとかもやってますね。参りました。女性ヴォーカルファンは間違いなく全滅状態。歌って逝かせて、って感じです。

こちらで試聴できますが、こんなもんほんの断片。ネット越しに聴いても意味ないです。あくまでご参考まで。

残念ながらウチではオーダーに乗り損ねてしまい、入荷は来月以降の予定。手許にはサンプル盤ばかりなり。本来は入荷してからの情報発信がサンバタウンのモットーですが、クリスちゃんの追っかけに等しいワタシなどは敢えて申し上げます。どのショップさんででもいいです。こればかりは見つけたら即お買いなさいませ。

アイテム補充のお知らせ

2009-01-22 00:03:43 | CD

先日、サンバタウン史上かつてない反響をいただいたショーロアイテムの補充が決定しました。

モノはわずか一夜にして計20枚がソールド&ヨヤクドアウトになったホナウド&ホジェリオ兄弟それぞれのソロCD、そしてSongbookのCHORO Vol.1、そして遂に日本市場から姿を消して久しいハファエル・ハベーロ88年の名作Lamentos do morroの調達に成功!!

【今回入荷予定のアイテム】
・CD-Ronaldo do Bandolim/ Ernesto Nazareth por Ronaldo do Bandolim(文句ナシ)
・CD-Rogério Souza/ Violão brasileiro(これも素晴らしかったです)
・CD-Raphael Rabello/ Lamentos do morro(何より店主がもう一度聴きたい)
・CD-Pedro Amorim/ Violão tenor(今こそこの渋い音色に注目!)
・CD-Rancho Carnavalesco Flor do Sereno(大好評っす)
・CD-Maogani/ Cordas cruzadas(レアアイテムです)
・Songbook-CHORO Vol.1(新たな定番の誕生)
・Apostila da EPM 2004(リオのショーロ学校2004年度のCD付き教材です)


入荷時期は2月上旬予定ですが、ご予約も承りますので、我こそはという方は是非zezi@sambatown.jpまでメールにてご連絡下さいませ。

店主の心を支えるもの(その2)

2009-01-21 11:30:31 | 日記

こんにちは、オバマ新大統領誕生にあたり、円高ドル安ストップの動きにならないうちにさっさとブラジル取引先への送金を済ませてきた、ちょっとセコいサンバタウン店主です。いつになってもある程度のまとまった資金を動かすというのはドキドキものです。ATMを目の前にして心臓バクバクしちゃいました。ワタシ絶対金融マンにはなれそうにありません。

さて、そんな弊店のか弱いキャッシュフロー話などはどうでもいいとして、今回はブラジル音楽に全っ然関係のない本の紹介を。最初の記事を一体いつ書いたのかさえ覚えていない「店主の心を支えるもの」シリーズの第2弾。「ホワンの物語~成功するための50の秘密」(Robert J. Petro著、山川紘矢+山川亜希子訳、飛鳥新社版)について。

店主も2003年に世間で言うところの脱サラなる行為に及び、サンバタウンを立ち上げたわけなんですが、やはり自分で何か事業を起こすにあたり、coraçãoの拠り所といいますか、指針となる大事な書物というのが何冊かあります。その中でも経営理念とか目指す生き方について、迷ったときにいつも目を通すのが本書です。ちなみに訳者はあのパウロ・コエーリョの名著「アルケミスト」の翻訳も手がけられています。

両親があいついで亡くなり、非情な地主に農場を追い出され、少年ホワンはロバとともに都会へと旅立つ。
自分自身を愛し、信頼していくこと。それによって危機でさえも飛躍するためのチャンスと考えることができる!
(表紙肩の序文より引用)


とまあ、どこかの国の雇用不安情勢を想起させるストーリー展開ですが、本書は例えば「蟹工船」のような夢もチボーもない暗鬱な雰囲気はなく、逆境を感じさせながらも光ある出口に守られているような、まあ予定調和と言われればそれまでなんですが、読んでてストレスを感じません。また「あなたのために、とても嬉しいわ」みたいな「ひょっとして下訳のまんま入稿しちゃった?」といぶかってしまいそうな凄まじい訳文も素晴らしく、おれならこう訳するけどなあ、と想像力を存分に働かせつつ文章に深く入っていけるので、「アルケミスト」と同様、ある意味名訳と言えるでしょう。あ、ちなみに物語の舞台はメキシコです。

実体のないマネーゲームや自己利益の追求にしか興味がない方には本書はちゃんちゃらおかしく思えるかもしれませんが、自分の人生を、自分なりの確かな足取りで歩んでいきたいと常日頃お考えの方にオススメしたい一冊です。経営の要所についても実に平易に示唆されているので、特にこれから起業したいと思っている方にはうってつけでしょう。個人的には、ある種SF小説にも近い荒唐無稽さを感じた「アルケミスト」より遥かに読みやすく、素直に感動できる名作だと思います。

一点だけネタバレに近い話題に触れてしまって申し訳ないのですが、ストーリー中ホワン(ブラジルだとジョアンですね)が幾度となくピンチを迎える場面で必ずと言っていいほど登場するパトロン的存在の大富豪・エクトル翁の描写が、ワタシにはどうしてもエルメート・パスコアルの姿とダブって仕方ありません。

以上、なんとかブラジル音楽ネタに無理矢理つなげて終わらせてみました(笑)。

サンバタウンが世に問うパンデイロ

2009-01-19 23:11:24 | パンデイロ

こんにちは、やたら大仰なタイトルをぶちかますサンバタウン店主ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。インフルエンザとかかかってませんか。何やらタミフルすら効かない型が出てきたとかいいますし、ここらで人類の数を減らしちまえという地球の自浄作用というやつが働いてるんでありましょうか。運が悪ければワタシが減ってしまうかもしれません。いやコワ。今回はとりあえずうがい徹底ということで。

そんな深遠なテーマに思いを馳せながら入口でさっさと引き返すワタシの腰抜けぶりはどうでもいいとして、今回はパンデイロの話題。関連性まったくないし!

本日通販にもアップ致しましたが、サンバタウンにてContemporânea製品をカスタマイズしたパンデイロがいよいよ公の場に登場することとなりました。詳細はそれぞれの商品説明ページでご確認いただけますので改めて野暮は申しませんが、サンバタウンが手がけるハンドメイドパンデイロのポイントとしましては、

1.ショーロの伴奏を前提としたサウンド

2.和風テイストの外観

この2点に尽きます。おっと日付が変わりそうですね。一旦記事アーップ。

えー、失礼しました。話は戻りまして、サンバタウンではこれまで色んなパンデイロの改造をしてまいりました。特にプラチネラ(シンバルみたいなパーツね)の材質や加工技術については独学でいろいろ試行錯誤を重ねたつもりです。ステンレス、洋白、アルミ、ブリキ、銅、更には材の厚みもやれ0.3mmだの0.5mmだの、果ては0.8mmとかアホみたいなトライアルも数知れず。そのひとまずの結論として店主が行き着いたのが真鍮という素材。何と言いますか、これが一番ブラジルらしいというシンプルな理由によります。以前はスザーノスタイルを意識したステンレス&複数枚重ねのプラチネラも作っておりましたが、正直なところ出口の見えない世界で自分を見失いそうなのと、あとはまあ、工程的にもめちゃめちゃしんどいんでやめました。もうやっとれんわ、という感じです(笑)。吹っ切れた後はシングルモルトウイスキーを追求するイングランドの頑固な酒蔵のオッさんのように、オール真鍮のプラチネラを究めるべくひたすらジョーネツを注ぎ込んでおります。

とは言いつつ、日本人として生まれ、日本人としてモノづくりをするからには、やはり和のココロを作品に注入したいものです。そんな矛盾だらけの店主の思いは、やがてボディの塗装にまで思いを致すようになり、現在最も得意としております艶消しオイルフィニッシュに至ったわけでございますナリよ(ヘンな日本語)。
できるものなら、以前も記事に採り上げたようにいっそ陶製パンデイロという前代未聞の路線でもって和のココロを世界に向けて発信するというのがカッコいいかなと思ったりもしましたが、本格的にその方面を目指すとなると、店主はまたイチから人生設計をやり直さないといけなくなるので、あえなく選択肢から外れた次第です。


(ちなみにこれはマホガニーレッドのタイプです)

ブラジル音楽、それもパンデイロ音源にかけては、恐らく日本で最も多く耳にしている人間のうちの一人であろうと自負する店主が製作するパンデイロに、今後も是非ご期待下さい。ゆくゆくはオリジナルのパーツを調達し、Luthier Zéの称号を授かり(誰からや)、横綱の名に恥じぬよう、今後も粉骨砕身の覚悟をもって相撲道に邁進する所存です。

音楽家の人生

2009-01-16 12:46:18 | 日記

こんにちは、年初から妙にドタバタと忙しいサンバタウン店主ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。こうも自分の時間が取れないと、ずっと手がけようと思っている自作パンデイロ数台も依然として道半ば。でも趣味に等しい我が諸業務の中でもひときわ大好きなパンデイロいじりばかりに明け暮れるというのは、それこそヒマであることの証ですから、今のありようはむしろありがたい状況と言うべきなのかもしれません。

さて、そんな店主の景況話などはどうでもいいとして、最近はもうどこを切っても雇用不安やら企業業績悪化のニュースばかり。テレビ局もそんな皆がうつむいてしまうような暗いネタばかり扱わんでもいいのにと思うのですが、そんな折、あるミュージシャンの言葉が店主の頭をよぎりました。その人とは、リオの伝統的ショーロの守護者マウリシオ・カヒーリョであります。酒の席で人づてに聞いた話なので、詳細において多少相違があるかもしれませんがご容赦下さい。

マウリシオとその音楽仲間達が集う場で、たまたま彼の(確か)姪っ子さんがその輪の中に入り、何やら彼女の将来の進路の話になったそうです。で、その姪っ子さんは自らも音楽の道を志したのか志さなかったのか、更には生活基盤の面からも我がおじさんを見ていて不安に思ったのか思わなかったのか、「ミュージシャンって、どうなん?」と発言したのだそうな。

そこでマウやん、姪っ子さんにこう言いました。

「あんな、音楽家いうんはな、確かに儲かれへん。
けどな、一生面白おかしゅうに暮らせるでえ」


周りにいた仲間達も大爆笑しながら拍手喝采だったそうです。

こういう人たちの音楽を紹介することを生業としているワタシはとても幸せだとつくづく思います。

お母ちゃん健在なり

2009-01-14 21:55:36 | DVD

そういえば、このDVD、けっこう前から再入荷してたのにサンバタウン通販サイトから登録抹消したまんまになってました。アウ。いま大急ぎで再登録。

サンバ界の肝っ玉母さんことベッチ・カルヴァーリョ、バイーアのサンバを歌うの巻。バイーアの大御所が大勢ゲスト出演していて大変に楽しい1本です。2008年ブラジル・ディスク大賞でこの作品を推した方もけっこういらっしゃるハズ。中でもヒアシャゥンが一番凄かったと言う人が多かったのも大いに頷けます。

バイーアの生き神様、ホベルト・メンデスの扱いがもうちょっと良ければワタシもDVD大賞としてこれを推したのになあ。いずれにせよ、ベッチ久々の会心作といえる作品なのでありました。

撃墜王ゼジ

2009-01-13 15:57:56 | CD

こんにちは、少し風邪の気配を感じつつあるサンバタウン店主です。げほごほ。
けっこう長いことカラダの調子も良かったのですが、やはりどこかしら疲れ、あるいは毒素が体内に蓄積されてきたのかもしれません。東洋医学的に考えると、ここはあえてすんなりと風邪をひいちゃって、それから強制代謝で体内を浄化して再びバイオリズムを上向きに持っていく、という好機でもありますから、あまりクスリに頼らず、十二分な水分補給&保温に努めてなんとかうまくやり過ごしたいものです。

さて、そんな店主のホームレメディな話題なんかはどうでもいいとして、今回はCDの販売についてのおハナシを。
先週末は中原仁さんのブラジル音楽講座が名古屋でありました。で、毎度恒例の、終了後に行われる「仁さんを囲む会(仮称)」に不肖ワタクシも参加してまいりました。都合の良い事に今回の会場はCafe Dufi。1月のCDローテーション作業も控えていたので、併せて用事がいっぺんに済ませられます。なんて効率的なサタデイナイトなんでしょう。

今月のDufiラインナップは以下の通り。
Casuarina/ Certidão
Glória Bomfim/ Santo e Orixá
Leo Minax/ Aulanalua
Marcelo Camelo/ Sou(ちなみに初日で完売)
Marcelo D2/ A arte do barulho
Pedro Luis e a Parede/ Ponto enredo
Renata Arruda/ Deixa
Sérgio Santos/ Iô sô
Yamandu Costa/ Lida

おかげさまで「囲む会」の間もDufiの試聴コーナーは大賑わい。なんせ店内はほぼブラジル音楽好きばかりで占められているわけですからそりゃ当然っちゃ当然なのですが、何にせよ嬉しい限りでございます。

で、試聴をお楽しみいただいている仁さん講座メンバーに解説フォローなどしておりますうちに、ふといりなか時代の接客を思い出して懐かしくなりました。だからといってここで安易にサウダーヂなんて言葉は使ったりしないんであります。

当時はご来店いただいた方に一通りオススメ音源/映像を試視聴いただいていたわけなんですが、お客さんのブラジル音楽リテラシーっちゅうのかな、まあ早い話、お客さんが上級者になればなるほど、接客も一筋縄ではいかなくなってくるんであります。

ブラジル音楽を聴き始めたばかりの、いわゆる初心者の方の場合はこうです。

「なんかイイのない?」

これは単純に、店主であるワタシに提案を求めています。それも諸手を広げて。選択権はほぼ店主側にあります。まだブラジル音楽の知識がそう深くない方は、プロの提案が頼りなのです。そう、彼らは(どっちかというと)仕留めてもらいたがっているのです。この場合こちらとしては、いわゆる「良く売れている商品」、あるいは「一般的に評価の高い商品」からオススメしていくのが最もカタい戦法と言えるでしょう。あるいはお客さんの好みのジャンル等をヒアリングすることによってピンポイント爆撃ワザを使うこともそう難しいことではありません。

しかしこれが上級レベルのリスナーさんになってくると状況は一変します。彼らも同様に、

「なんかイイのない?」

と訊いて来られますが、その言葉裏にはどこかしら「いざお手並み拝見つかまつらん」というニュアンスも込められているような気がするのは店主だけでしょうか。
彼らはブラジル音楽の知識も豊富。贔屓のミュージシャンとか、好きなジャンルとか、レコーディングの音質だとか、数多くのこだわりをお持ちです。そういった方々に通り一遍の接客で「これどうですか」なんて言ってもムダ。なぜなら彼らはたやすく撃ち墜とされたくないからです。ワタシがエースコンバットのパイロットだとしたら、お客さんも百戦錬磨のトップガン。こちらはミサイルをロックオンしようとしますが、彼らはすんでのところでひらりと機体をかわし、照準から外れます。メガストアあたりで山積みされるような売れ線どころには目もくれず、ひたすら自分だけの必殺アイテムを、店のスタッフにいとも簡単に見透かされないよう、しかし鵜の目鷹の目で狙っているのです。ワタシはあの手この手でお客さんのハートをわし掴みにする音源・映像を提案すべく、キーワードを(それと悟られないよう)聞き出します。この間、店主とお客さんとの間に互いのプライドを賭けた静かながらもスリリングな駆け引きの応酬が繰り広げられるのです。そして最終兵器を持ち出した店主の乾坤一擲の1枚!
我がライバルは「おお!」と身悶えしながら、我が一撃により見事昇天。
これこそが接客営業の醍醐味なのであります。いけねえ、手に汗握っちまったよ。

で、今回見事撃墜に成功したミサイルはこれでした。
Anna Luisa/ Girando
昨年夏にセレブなファッション雑誌「ELLE Japon」でブラジル特集が組まれた時(こういう記事を見るたびに、ワタシの愛するブラジルはどこに行ってしまったんだろうという気にさせられます。いや、ただのひがみ発言です、ごめんなさい)、このアナ嬢がどどーんと載ってましたね。ジャケは一瞬裸エプロンかと我が目を疑ってしまいましたが(失礼)、内容は実に洗練されたラパ系のMPBポップス。涼やかな色気のある歌声は女性ヴォーカルファンにかなり訴求します。そしてサウンドの核はギタリスト、フェルナンド・カネッカという男。以前カニョット・ダ・パライーバのトリビュート作を発表したこともあるなかなかの腕前を持った人物で、彼のこりこりっと活きのいいヒラメの縁側の歯応えのような(何だそりゃ?)ガットギターが実に効いてます。そして全体を流れるブラジリアングルーヴ。単なる8ビートの欧米チックなモノではなく、CDのアタマはいきなりジョンゴのリズムが2連発。ペドロ・ルイスあたりの人脈も見え隠れします。その後もマラカトゥ(バックはリオ・マラカトゥ)やコーコ(こっちはニコラ・クラシッキ&コルデスチーノスの伴奏だぜ?)、ジルベルト・ジルのParabolicamaráや、ノーヴォス・ナニワ、もとい、バイアーノスの名曲Os pingo da chuvaまでもフレッシュな感覚でカヴァー。最後は大御所エドゥ・ロボまで迎えて盛大にフレーヴォで締めてくれる。これがいい。やはり新世代とはいえ、その音楽の根底にはブラジルの伝統リズムが存在していてほしいものです。
このアルバムは、サウンドの垢抜け具合からすると、本来はむしろブラジル音楽に入ったばかりの方にオススメしたいのですが、今回の対戦相手は「女性ヴォーカル偏愛」という決定的弱点をお持ちでありまして、そこを店主は逃さずつけこみました。

そんなわけで、このアナ・ルイーザの2nd、例えばアレクシア・ボンテンポのCDにハマった人ならかなりの高確率で気に入りそうな好アイテムなのに、通販ではしばらくの間さっぱり売れずじまい。ようやく今になって回転してきたので、調子に乗ってラスト1枚の在庫を消化すべくわざわざ記事にしてみました。店主、けっこう回りくどい性格だったりして。

恐るべき兄弟

2009-01-07 17:19:57 | CD

バケモノ級(当店調べ)のアコースティック系アルバムがリオから2タイトル届きました。これ、現地発売日と同時に取り寄せたのでほぼ間違いなく日本初上陸。ムフ。

Ronaldo do Bandolim/ Ernesto Nazareth por Ronaldo do Bandolim
Rogério Souza/ Violão brasileiro


いやーめちゃくちゃ聴き応えありました。どちらも最高!!
ホナウドはトリオ・マデイラ・ブラジルの残党2名のサポートが中心の、圧倒的演奏力で繰り広げられるナザレーの実質未発表曲集。そしてその弟であるホジェリオのソロは、喩えるのは失礼ながら、ゼー・パウロ・ベッケルのあの伝説の名盤・Lendas brasileirasをよりジャジーに、そしてしなやかな躍動感を持たせたかのような、正に「ブラジリアンギター」と言うべき作品。とここまで書けばショーロ/ギターファンの方なら大体どんなもんかおわかりかと。いいなあ、リオでレコ発ライヴとか観たいなあ。

※年末に予告しておりました楽譜2点、Songbook CHORO Vol.1、それに「ジャコー本」ことTocando com Jacobも無事到着。通販にもアップしましたっ。まだお持ちでないショーロファンの方はこちらもお早めにどうぞ!