ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

壁に咲く花

2018-07-23 21:51:24 | 訳詞



ウォールフラワー(Wallflower)


壁から壁 1.8メートル四方
窓にはシャッターが下り 灯りも何もない
床の上も ベッドも湿っている
奴らは君を狂わせようとしている
思考を奪おうとしている
奴らは君にゴミくずを食わせ 君の口に嘘を押し込む
君の守りを弱めるため 一切の容赦なしに
君は何もできない
きっと長い一日だろう
君の心は限界を超える
さほど丈夫な身体でもなかろうに

がんばれ、がんばるんだ

奴らは君を箱に放り込み
君は外界から遮断される
君の精神が壊れずにいてほしい
君が痛めつけられずにいてくれますように
 
がんばれ
君は君自身の命をもって賭けに臨んでいる
君はたった一人で夜に立ち向かう
檻を用意した連中が
弾薬と棍棒と石を傍らに眠っている間に
奴らには 君が歩む自由への道が見えない
君が 自らの肉と骨で敷いた道が

奴らが君を外へ連れ出す-照明が君の目を焼く
談話室へと-別に驚きではない
装填された数々の質問が
きれいな白衣を着た連中から放たれる
奴らの目は ヒポクラテスの誓いのごとく
その真意を隠したままだ
奴らは君に告げる-客人としてのしかるべき振舞い方を
君は奴らに抵抗しようとする 精一杯の抵抗を
奴らは限界まで追い詰める
君が 反応しなくなるまで

君は消し去られてしまうかもしれない
だとしても
ここでは君が忘れ去られることはない
そして君に伝えたい ぼくは出来る限りのことをしよう

君はいなくなってしまうかもしれないが
君のことは忘れない
君に伝えよう ぼくに出来る限りのことをするよ
出来る限りのことをしよう
出来る限りのことをするから


※Wallflower・・・和名ニオイアラセイトウ(学名 Cheiranthus cheiri
アブラナ科の二年草。南ヨーロッパ原産。全体に灰色の毛におおわれ、高さ 30~70cm。葉は披針形で先が尖る。春から初夏の頃、茎の上部に香りのよい3cm径ほどの十字花が総状に集まって咲く。原種は橙色であるが、園芸品種が多く、黄、クリームなどの花色があり、また八重咲きのものもある。通常秋まきとするが、寒さにやや弱い。

花言葉は「愛の絆、逆境にも変わらない愛、逆境にも変わらぬ誠」など。



Peter Gabriel - Wallflower



"Wallflower"

6x6 - from wall to wall
Shutters on the windows, no light at all
Damp on the floor you got damp in the bed
They're trying to get you crazy - get you out of your head
They feed you scraps and they feed you lies
To lower your defences, no compromise
Nothing you can do, the day can be long
Your mind is working overtime, your body's not too strong

Hold on, hold on
They put you in a box so you can't get heard
Let your spirit stay unbroken, may you not be deterred

Hold on, you have gambled with your own life
And you face the night alone
While the builders of the cages
They sleep with bullets, bars and stone
They do not see your road to freedom
That you build with flesh and bone

They take you out - the light burns your eyes
To the talking room - it's no surprise
Loaded questions from clean white coats
Their eyes are all as hidden as their Hippocratic Oath
They tell you - how to behave, behave as their guest
You want to resist them, you do your best
They take you to your limits, they take you beyond
For all that they are doing there's no way to respond

Hold on, hold on
They put you in a box so you can't get heard
Let your spirit stay unbroken, may you not be deterred

Hold on, you have gambled with your own life
And you face the night alone
While the builders of the cages
They sleep with bullets, bars and stone
They do not see your road to freedom
That you build with flesh and bone

Though you may disappear, you're not forgotten here
And I will say to you, I will do what I can do

You may disappear, you're not forgotten here
And I will say to you, I will do what I can do
And I will do what I can do
And I will do what I can do


【作詞/作曲 Peter Gabriel】

そも、なぜに「ゼジ」?

2018-07-04 22:18:23 | 日記

※この投稿は初代サンバタウンWEBサイト(おお懐かしい)に掲載されていたコラムを加筆訂正したものです。思うところあって、今になって引っ張り出してきました。



「なんで"ゼジ"とか"ゼジーニョ"っていうんですか?」

これかなりよく訊かれる質問です。

さて。

「ゼジ」の由来はひとことでいうと、

ブラジル人につけられたあだ名が日本人の手によって意味なく作り変えられたもの

です。

最初はこうでした。

大学時代、ブラジルからの留学生と会話する機会があり、その際に彼らから言われたのが
「お前はポルトガル語が上手いな。まるでブラジル人みたいだ(もちろんお世辞)。よし、今日からお前は"ジョゼ"だ」

ジョゼ?

ポルトガル語で José 。スペイン語圏だと「ホセ」と発音しますね。

とてもポピュラーな名前です。日本人だとさしずめ

ひろし

的な存在ではないでしょうか。店主の下の名前は「ひろあき」なので、まあ似たようなものです。

しかしほどなくして、留学生たちはこう言い始めました。

「ジョゼだからニックネームは"ゼー"だよな。よし、今からお前は"ゼー"だ」

ゼー?

なんすかそれ?

調べたところ、こういうことがわかりました。

Jo → sé → Zé

つまり「ジョゼ」の発音の後半部をちぎり取って「ゼー」というわけですね。日本人だとさしずめ

ひろし(ひろあき) → ひろ

おおお、まったく一緒ではありませんか。ひどく納得です。

ちなみに大阪にいた時は「なにわのブラジル」ことカイピリーニャにいた常連客の皆さんに「ジョゼ」とか「ゼー」とか呼んでもらってました。良き思い出です。

 

その後名古屋に居を移してから、「ゼー」は奇怪なメタモルフォーゼを遂げることになりました。

当時行きつけだったブラジルレストランバーNOVA URBANAのブラジル人客たちに、なぜか

「ゼジーニョ、ゼジーニョ」

と呼ばれることが多くなったのです。むむむ。これはおそらく、

Zezinho

というやつらしいぞ。これなら知っています。ポルトガル語で頻繁に使われる

縮小形

というやつではありませんか。可愛らしく表現するのですね。人に関していうと、名前に

ちゃん

を付けられたわけです。勝手に。つまり、今まで大事に守り抜いてきた「ゼー」が、

Zé(ひろ) + zinho(ちゃん) = Zezinho(ひろちゃん)

という若干ヘナヘナ感を伴うニックネームにカスタマイズされたわけですね。

まあ、これはこれで実は結構気に入ってるんですけど。

この時点で、大阪の面々からは「ジョゼ or ゼー」、名古屋では「ゼジーニョ」と呼ばれるという

どうでもいいっちゃいいんですけど、まあ、そういった現象が起こっています。

 

凄いのはこれからです。ウルバナの常連客にして当時のウチのサンバチームのトップダンサーだった女の子が、

だしぬけに

「ゼジ~」

とか呼び始めたのです。もうこうなると滅茶苦茶です。文法もへったくれもありません。

が、あえて例えて表現するならば、

(ひろ)+zinho(ちゃん)
Zezi(ひろち/ひろちゃ)


とでもいうのでしょうか。なんて歯切れの悪い終わり方でしょう。とても落ち着かない気持ちです。

 

ちなみに自分の名刺にはブラジル人にも説明しやすいよう、Zezinhoを使っています。