晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

家族という名のクスリ

2016年07月31日 | 
家族という名のクスリ  金 美齢 著

去年、下重さんの「家族いう病」がベストセラーになり世間をさわがせました。私ももちろん読みました。
これは、その下重さんや、また「おひとりさま」の風潮に「ちょっと待った!」の反論本です

金 美齢さん・・ 昔TVタックルで田島陽子さんと女性問題や少子化問題で激論していたことを思い出した。
金さんの経歴は、1934年、台湾生まれ。1959年に留学生として来日、早稲田大学英文学科入学、同大学博士課程修了。
その後イギリス留学、大学講師を経てJET日本語学校校長を務める・・評論家、台湾独立を願う。
などなど・・論客なのは皆がしるところである。

台湾人の周さんと結婚し二人の子供を育てながら、女性としても自立した人生を歩んできた彼女の論旨には、よどみがなく
とても感銘をうけた。
まず・・解りやすいのです。ふつうというか、ごく当たり前のこととして今まで日本人の中に受け入れられてきた
社会通念だからです。

家族を否定する下重さんを痛烈に批判するのが、気持よいくらいです。
確かに、家族は時として面倒なことや、しんどいこともあります。でも、だからと言って、病気あつかいするような
論調が世の中に広く浸透すれば、ますます結婚や出産をすることをためらう若い人たちが増えて、人口は減少。
日本の社会は崩壊、そして、日本人は絶滅してしまうでしょう!

なんと恐ろしいこと・・日本人はいよいよ絶滅危惧種に指定されるかも・・(*_*;

あらためて思う。
家族は素晴らしい。
そして、これほど人生に効くクスリはない。

若い人たちに是非読んでもらいたいです

影法師

2016年07月17日 | 
影法師  百田尚樹 著

泣けました~~
久々に感動の時代劇でした
2015年の作品ですが
百田尚樹・・「永遠の0」「モンスター」で話題をさらった作家さんです。
まさか、こんなにいい時代物も書けるとは、おみそれしました(*_*;

あらすじは・・

生涯の契りを誓った2人の少年。1人は異例の出世を果たし、1人は貧困のなかで朽ち果てた。
光があるから影ができるのか。影があるから光が生まれるのか。
父の遺骸を前にして泣く自分に「武士の子なら泣くなっ」と怒鳴った幼い少年の姿。作法も知らぬまま、ただ刀を合わせて刎頚の契りを交わした14の秋。それから――竹馬の友・磯貝彦四郎の不遇の死を知った国家老・名倉彰蔵は、その死の真相を追う。

江戸時代・・地方の小藩、どこも財政難で、武士も農民も生活が苦しいようすがよくわかる。
そして、身分制度にがんじがらめになっている世の中で、武士といえどもごく一部の階級しか将来はないのです。

下士と呼ばれる、低い身分の武士がどんなに優秀でも上士になることはない。
その、下士の勘一が貧しい御徒組から、なんと筆頭国家老にまで出世するのですから、驚きです

ただ、、いわゆるサクセスストーリーにとどまるのではありません

一人の男の生きざま・・それは侍として、男としての矜持でもあります。
一言でいえば・・

潔い!
最後のページをめくるとき、
ただ、ただ、感動と涙で胸が震えました

海の見える理髪店

2016年07月03日 | 
海の見える理髪店   荻原 浩 著

短編集でした。
表題の「海の見える理髪店」・・ほんわかのんびりして、著者は最近メルヘンタッチが好きなのかな~
老人の店主が生い立ちを独白しながら髪を切る・・
その波乱万丈の人生に思いをはせるのは、お客さんとして初めてやってきた若い男。。
なんか、、いいです~最後にやっぱり!と。

崩壊と再生・・
しんみりと心に響きました。
なんと、直木賞にノミネートされたらしい。何回目!?
そろそろ快挙のニュースがききたいですね

老境の美徳   曽野綾子  著


曽野綾子先生のエッセイ、またしても勉強になりました。
85歳・・私の母と同じ年かと思うと、ため息がでます。だってうちの母はもう、介護の世話になるばかり
のおばぁさんですから~

確かに、人の生き方はそれぞれ全く違うし、年齢でひとくくりにできないけれど、、曽野先生の言葉にはいつも
驚きと感心です。
たとえば、、老人は適当な時にこの世を去る義務がある、とか、皆平等はないとか、平和な暮らしなどない、
とか、、厳しい~でも納得で、敬虔なクリスチャンならではの思想に基づいてるなぁとも思う。
マスコミへの批判も相変わらず。

私もこの先、曽野先生のような強靭な精神力で人生を乗り切っていきたいものですが・・
ちょっと悲しいようなしんどいような・・