
さすが山国信州、巨木の数も多く飛び飛びにしか廻れないが寄り道寄り道でこれと思う場所ばかりを廻って来ました。
信州に来てこれは逃せないと思った杉の巨木の一本・・・。
前回紹介の七二会(なにあい)坪根集落より直線では西方ほぼ7~8kmの山中に有る旧中条村日下野(くさがの)に臥雲院(がうんいん)と云う古刹が有ってその参道横斜面にこの風変わりな杉が狐立している。
山深い山中でとても直線の道路が有るわけも無く登り下りのくねくね山道を走る事になるが出逢う車もなく、周りの景観も楽しめ快適です。
臥雲院(がうんいん)の三本杉と呼ばれるこの巨杉は今から165年前、弘化4年(1847)3月24日発生の所謂「善光寺地震」で地滑りを起こした斜面もろともに180mも滑り落ち、今の姿でこの地にとどまったと言う。
よくもまあ、ここで留まり、その命をつないで来たものだと希有な生命力に感嘆せざるを得ない。
165年前の痕跡を今に留めこの巨杉の主幹は直立することなく傾き、それ以後の枝葉だけは直立して、見慣れない珍な景観を見せてくれる。
案内板によると推定樹齢約600年強、目通り約11m、樹高約40mちかくにも及ぶ。
途中三幹に分かれるが株はもともと一株、横から見るとかなり扁平な感じを受ける、最近台風の被害にでも遭ったのか??二本の大幹が痛々しく裂けていた。
しかしそんな自然災害をものともせず全身で受け止めて来た力強さをしみじみ感じさせてくれる銘木だと思う。
臥雲院はこの斜面を登り切った上に有る。
撮影2009.5.1