杉の巨木には夫婦杉や逆杉の呼び名を持つものが多い。
勿論夫婦杉は二本の幹が寄り添うように立っているもので連理であったり主幹が二本に分れていたりする。
逆杉はその名の通り杉には似合わず、木の根のように枝を下方に伸ばしている裏杉で、それはそれなりの面白おかしい曰く因縁を言い伝えているが、雪深い地方では珍しいものではない。
日本三景のひとつ天の橋立を一望する成相山(569m)はその中腹に西国巡礼第28番札所として知られた成相山成相寺を容する。
成相寺駐車場の横を抜け成相山展望所に続く道路を駆け上って行くとちょうどその中間点辺りの右手道路脇に逆杉の小さな看板がある。
道端より少し下がった平地状の樹林内にひと機は大きなこの杉が目に飛び込んでくる。
地上2m辺りから3本~5本と枝分かれして、それぞれがそのまま主幹として天空を目指していますが逆杉の名の通り右へ左へ上を向くものもあれば下方を向くものもあり、裏杉の特徴そのものの枝ぶりです。
寺の言い伝えとして、もともとこの位置にあった成相寺は室町期、(西暦1400年)に山崩れに遭遇、それ以上崩れるのを防ぐためにスギの杭を打ったところ、その杭から新芽が出て、逆さに枝を出した杉がこのように大きくなったという、まことしやかな話を伝えている。
樹齢約600年、樹高25m、目通り7.1m、言い伝えの時期とはまさにドンピシャ。
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撮影.2008.5.17