前回紹介の長島神社から、縁起でもない国道42号線を尾鷲方面へ、トンネルを幾つも越えて約6km程南下、三浦交差点を左折して道なりに進むと、めのまえに大きく開けた熊野灘の大海原が飛び込み、堤防ごしの白砂海岸となっている。
僕がここを訪れたのはお盆休みの8月15日、未だ海水浴客が遊泳を楽しんでいた。
この大きく開けた海岸路に面して豊浦神社の小さな石の鳥居が立てられていて、まさに海岸沿いの神社という感じがします。
しかし鳥居をくぐって一歩境内に入り込むと、そこは深い木立ちに囲まれ、薄く木漏れ日がさす昼なを暗い鎮守の杜。
約50mばかしの参道を行くと本殿に上る石段左手に巨大なクスノキが立っている。
樹齢1000年、目通り幹周り10.5m、樹高40m、と、記されているが、幹に痛んだ気配もなく、若々しく、仰ぎ見るその枝ぶり、葉の生い茂り方にまったく樹齢を感じさせず、樹木医の入った形跡も無い。
しかし幹周りが10mを越す巨体、樹齢1000年はオーバーにしてもそれなりの年は重ねているに違いなく、この元気さは、この地方の気候風土が楠の樹に適しているのかもしれない。
三重県下、熊野灘沿いの巨木は悉く楠なのが、それを物語っているように思える。
また、石段下の参道右手には珍しいバクチノキの大木がある。
バクチノキはバラ科の常緑木で、別名「ビランジュ」とも呼ばれていて、この名「バクチノキ」が正式な名前らしい。
灰黒色をした樹皮が鱗片状に剥離、脱落してその跡が紅黄色になり、それが博打に負けて身ぐるみはがれる様に繋がっているのだとか???。
樹高33m、目通り幹周り約、3mのバクチノキ、珍しい名前と、節くれだった樹瘤の多さが記憶に鮮やかに残っています。
撮影2006・8・15