巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

立山美女平 仙洞杉

2009-11-03 | 富山県 新潟県

 

10月31日から飛び石潰しての4連休、後半は天気が大荒れになるという予報が出ていたので、土曜日早朝からちょっと遠出で富山立山、立山杉の巨木に逢いに出かけた。

立山杉は、立山アルペンルートの始まる、美女平一帯で良く知られている裏杉系の巨木ですが、立山アルペンルートはその麓、富山鉄道立山駅付近よりマイカーー規制が施かれ、自家用車では通行する事が出来なく成っている。

これらの杉達に出逢うには、立山駅よりケーブルカーでその美女平駅に降り立ち、そこから散策道や、アルペンロードそのものをテクテク歩くしか方法はない。

美女平から室堂まで行く観光バスで、片道だけこの大杉で途中下車出来ないかと交渉してみたが上手くいかなく、結局、往復約2時間半、散策路とアルペンロードを辿っての山歩きとなった。

ケーブルカーを降り立ち外に出ると、駅のバスターミナルにはこの美女平の名称の謂われとなった言う美女杉が立っていて、立山杉の特徴であるこんもりした梢を天に伸ばしている。

ここから直ぐに散策路に入るとあちらこちらに立山杉の巨木があり、普段歩きなれない足を引きずりその奇怪な姿をカメラに収めながら先を急ぐ。

途中からアルペンロードに出てブナ林が天を突き刺す姿などを眺めて歩き続け、ハイブリッド車と誇らしげに書かれた観光バスに何度と無くすれ違うが歩いてる人には全く出会わない。

歩き始めて約1時間半、曲がり角の先端部分、アルペンロードに接して一際大きな主幹でこんもりした梢を持つこの仙洞杉が現れる。

観光バスはここでほぼ一時停車ほどスピードを落としこの杉の案内をしているようで、乗客が窓からカメラを向けているのが伺える。

どうせならここで途中下車させてくれればどんなに助かった事か・・・、ここまで登れば帰りはくだりでルンルンなのに。

仁王立ちするかの様な主幹は朝日を受けて淡白く、白骨化が進んでいるのか?相当な樹齢かとも思うが表示板に拠ると約300年以上とだけ有る。

 立山杉の特徴か、過酷な自然環境のなせる技か、主幹の中程から突き出した枝は無数に四方八方に伸び、冬季の雪の重みに下方へ垂れ、いわゆる見慣れた杉らしからぬ樹姿をしている。

目通り9.4m、樹高21m、ずんぐりむっくりしたその姿は過酷な自然環境に適応して何百年も生き続けた証なのだろうか??。

主幹のところどころに見られる白骨化や小さな洞、また枯れた枝元から生える寄生樹なども有るが樹勢はいたって盛んのように見える。

全く手付かずの過酷な自然の中に命を繋いで来た巨木の前でただただ脱帽の思いでしばし見上げていた。

いつも僕達は巨木の前ではかくも小さくかくも短い。

ちなみにこの樹は「森の巨人たち100選」に選定されています。 

撮影2009.10.31

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