茶・菓子・果物・野菜・素材・酒・酒菜などについてのひとりごと含めた杜屋(もりや)のブログです
杜の茶菓菜(もりのさかな)
長野・富山旅日記~4(完)
地ビール祭りでたまたま出会ったおじさんに聞いた黒部市生地の町にある酒蔵「皇国晴酒造」は車を停めておいた魚の駅のすぐ裏手にあった。
ぐるりと湧水巡りをして、最後のお楽しみに酒を買おう、と思ったが日曜日のせいかやっぱり皇国晴酒造の門は閉じていた。
他にも普通の酒屋さんは何軒かあったが、何故か軒並み休みだった。
「あ~あやっぱり魚の駅の売店で四合瓶買うしかないか~」とちょっと肩を落として皇国晴酒造の前を通り過ぎようとすると、私の傍らを小さな女の子二人がとととと駆け抜け、まさに目の前の酒蔵に入っていくではないか。
「ん?」ふと見ると、後ろにお母さんらしき若い女性が。
もしかしてこの酒蔵のご家族の方?
「あのーすみません。この辺にこの皇国晴酒造さんのお酒を買えるお店はありませんか~?」
と遠まわしに言うと「良かったら今うちのお店の方開けますから」と言ってすばやく酒蔵の中に入り、道に面した目立たない小売コーナーのシャッターを開けて下さった!
「お休みのところすみません。」と言いながらお店に入り、純米酒を所望すると、最初に出して下さったのが純米吟醸「幻の瀧」。これともう一つあるんですよ、と後から出してきて下さったのが同じく純米吟醸の「巌瀬」。味はどう違うか尋ねると「巌瀬の方が味が濃いとお客様に言われます。」
値段は巌瀬の方が500円高。基本的に濃い方が私好みだが、せっかくなので幻の瀧と巌瀬と一升を一本ずつ買い求める。
箱に入れてもらったお酒を夫と一本ずつ抱え持ち、良かったねー!やっぱり一声かけてみるもんだね!としゃべりながら20m程歩くと後ろから呼び止める声がする。
さっきお酒を売ってくれた酒蔵の奥様が手招いているので、お店に戻ると「これうちの吟醸酒を絞った酒かすなんですけど、良かったらお使いになりませんか?それとこちらはおつまみに・・・」と言って何と吟醸板粕2袋とにんにくスナックをプレゼントして下さったのだ!
思いもかけない親切に心浮き立ち、酒を抱えたままスキップする勢いで駐車場に戻り、いったん酒を車に積み込む。
↑本当にいい町だなーと一升瓶を抱えて名残惜しく振り向く私。
* * * * * * * * * * * * * * * * * *
北アルプスの山並みはいつも今日みたいにきれいに見えるわけじゃないんですよ、と地元の方は言っていた。
珍しい「旋回可動橋」(船の通行のために橋全体が回転する)の生地中橋を通って海岸へ。
北アルプスの大パノラマと夕焼けを眺めるこの富山湾の景色は、ほんとに見事。
こういう土地に住めば郷土への誇りというものはごく自然に育まれるだろう。
日が沈んだあと、魚の駅の「とれたて館」へ。
魚市場風の売店「できたて館」に隣接している「とれたて館」には地魚料理を味わえる食事処がある。
時すでに夕方6時。混雑していたお昼とは打って変わって店内には先客が4、5人しかおらず、ちょっと不安になったが構わず入店。
「半セルフ」のこのお店。
ご飯ものや味噌汁、飲み物は店員さんに注文し、生魚や魚の干物、刺身をはじめ、煮物、酢の物、揚げ物、サラダ、肴などの小鉢類はショーケースの中から自分で好きなものを選んでとり、最後にお皿の種類と数でお会計、というシステムだった。
各テーブルにはロースターが付いており、生魚と干物を自分で焼いて食べられる。
肴三品、バイ貝の煮付け、干物、イカをセレクトし、刺身大盛りと海鮮丼とかに汁とごはんを注文。
肴三品はたこわさび、いかの墨造り、いかの身の和え物。
バイ貝の煮付けをつまようじで肝が切れないようにほじくり出してかじる。
サザエの肝のような苦味は少なく、身も柔らかくてとてもおいしい。
「いいよー俺にかまわず酒頼めばいいじゃん。」と夫は言ってくれたが我慢する。
焼きたての干物、イカをぱくり。
「うわっこのイカおいしいっ!」
そこで運ばれてきた刺身盛り。私の好きな白身とアジのたたき付き。
・・・ここでやはりいてもたってもいられず、この後運転する夫に遠慮しつつ、幻の瀧の生酒を一本頼む。
「300mlの瓶入りの酒だから、残して持ち帰って今日の夜寝る前に車の中で一緒に飲もうよ。」
と言いながら、小さなおちょこについだ酒をちびりと口に含み、鮮度抜群の魚介類を食べていたら手酌する自分の手がとまらなくなってしまった。
ちょっと小ぶりの丼に入った海鮮丼は880円のお手ごろ価格で、乗っている刺身はもちろん、ごはんもとてもおいしい。(お米は黒部産コシヒカリ)
かに汁をちびちびとすすりながらもあっという間に生酒一本自分一人で飲みきりそうだったので、底から1cmだけ残して後は持ち帰った。
これは魚好きの飲兵衛にはたまらない店だ。
私が今住んでいる静岡も、海まで徒歩10分だし実は漁港もある町なのだが、何故か地元の魚を食べる機会があまり無い。(自分が料理しないだけ?)
こういうお店に出会うと、やっぱり地魚と地酒はその地元で食べるのが一番かなと思ってしまう。
とことん満喫した後、会計してくれた店長らしき方(くりいむしちゅーの有田に似てる)に、とてもおいしかったですー是非また来たいです!営業は何時までなんですか~?お休みの日はあるんですか~?と、レジを打っている最中に矢継ぎ早に話しかけたら、代金総額が非常に安い!
後でレシートを見てみたら、やっぱり私が飲んだ生酒代が入っていなかったのであった・・・。
この後、長野まで戻りスキー場の駐車場で車中泊。(残した酒は夫が一口で飲みきる)
地ビール祭りからスタートし、大変恵まれた一日を振り返りながら幸せな眠りについたのであった。
そして翌日は猛吹雪。リフトに乗っている間にウエアに雪が積もる過酷な状況・・・。
ぐるりと湧水巡りをして、最後のお楽しみに酒を買おう、と思ったが日曜日のせいかやっぱり皇国晴酒造の門は閉じていた。
他にも普通の酒屋さんは何軒かあったが、何故か軒並み休みだった。
「あ~あやっぱり魚の駅の売店で四合瓶買うしかないか~」とちょっと肩を落として皇国晴酒造の前を通り過ぎようとすると、私の傍らを小さな女の子二人がとととと駆け抜け、まさに目の前の酒蔵に入っていくではないか。
「ん?」ふと見ると、後ろにお母さんらしき若い女性が。
もしかしてこの酒蔵のご家族の方?
「あのーすみません。この辺にこの皇国晴酒造さんのお酒を買えるお店はありませんか~?」
と遠まわしに言うと「良かったら今うちのお店の方開けますから」と言ってすばやく酒蔵の中に入り、道に面した目立たない小売コーナーのシャッターを開けて下さった!
「お休みのところすみません。」と言いながらお店に入り、純米酒を所望すると、最初に出して下さったのが純米吟醸「幻の瀧」。これともう一つあるんですよ、と後から出してきて下さったのが同じく純米吟醸の「巌瀬」。味はどう違うか尋ねると「巌瀬の方が味が濃いとお客様に言われます。」
値段は巌瀬の方が500円高。基本的に濃い方が私好みだが、せっかくなので幻の瀧と巌瀬と一升を一本ずつ買い求める。
箱に入れてもらったお酒を夫と一本ずつ抱え持ち、良かったねー!やっぱり一声かけてみるもんだね!としゃべりながら20m程歩くと後ろから呼び止める声がする。
さっきお酒を売ってくれた酒蔵の奥様が手招いているので、お店に戻ると「これうちの吟醸酒を絞った酒かすなんですけど、良かったらお使いになりませんか?それとこちらはおつまみに・・・」と言って何と吟醸板粕2袋とにんにくスナックをプレゼントして下さったのだ!
思いもかけない親切に心浮き立ち、酒を抱えたままスキップする勢いで駐車場に戻り、いったん酒を車に積み込む。
↑本当にいい町だなーと一升瓶を抱えて名残惜しく振り向く私。
* * * * * * * * * * * * * * * * * *
北アルプスの山並みはいつも今日みたいにきれいに見えるわけじゃないんですよ、と地元の方は言っていた。
珍しい「旋回可動橋」(船の通行のために橋全体が回転する)の生地中橋を通って海岸へ。
北アルプスの大パノラマと夕焼けを眺めるこの富山湾の景色は、ほんとに見事。
こういう土地に住めば郷土への誇りというものはごく自然に育まれるだろう。
日が沈んだあと、魚の駅の「とれたて館」へ。
魚市場風の売店「できたて館」に隣接している「とれたて館」には地魚料理を味わえる食事処がある。
時すでに夕方6時。混雑していたお昼とは打って変わって店内には先客が4、5人しかおらず、ちょっと不安になったが構わず入店。
「半セルフ」のこのお店。
ご飯ものや味噌汁、飲み物は店員さんに注文し、生魚や魚の干物、刺身をはじめ、煮物、酢の物、揚げ物、サラダ、肴などの小鉢類はショーケースの中から自分で好きなものを選んでとり、最後にお皿の種類と数でお会計、というシステムだった。
各テーブルにはロースターが付いており、生魚と干物を自分で焼いて食べられる。
肴三品、バイ貝の煮付け、干物、イカをセレクトし、刺身大盛りと海鮮丼とかに汁とごはんを注文。
肴三品はたこわさび、いかの墨造り、いかの身の和え物。
バイ貝の煮付けをつまようじで肝が切れないようにほじくり出してかじる。
サザエの肝のような苦味は少なく、身も柔らかくてとてもおいしい。
「いいよー俺にかまわず酒頼めばいいじゃん。」と夫は言ってくれたが我慢する。
焼きたての干物、イカをぱくり。
「うわっこのイカおいしいっ!」
そこで運ばれてきた刺身盛り。私の好きな白身とアジのたたき付き。
・・・ここでやはりいてもたってもいられず、この後運転する夫に遠慮しつつ、幻の瀧の生酒を一本頼む。
「300mlの瓶入りの酒だから、残して持ち帰って今日の夜寝る前に車の中で一緒に飲もうよ。」
と言いながら、小さなおちょこについだ酒をちびりと口に含み、鮮度抜群の魚介類を食べていたら手酌する自分の手がとまらなくなってしまった。
ちょっと小ぶりの丼に入った海鮮丼は880円のお手ごろ価格で、乗っている刺身はもちろん、ごはんもとてもおいしい。(お米は黒部産コシヒカリ)
かに汁をちびちびとすすりながらもあっという間に生酒一本自分一人で飲みきりそうだったので、底から1cmだけ残して後は持ち帰った。
これは魚好きの飲兵衛にはたまらない店だ。
私が今住んでいる静岡も、海まで徒歩10分だし実は漁港もある町なのだが、何故か地元の魚を食べる機会があまり無い。(自分が料理しないだけ?)
こういうお店に出会うと、やっぱり地魚と地酒はその地元で食べるのが一番かなと思ってしまう。
とことん満喫した後、会計してくれた店長らしき方(くりいむしちゅーの有田に似てる)に、とてもおいしかったですー是非また来たいです!営業は何時までなんですか~?お休みの日はあるんですか~?と、レジを打っている最中に矢継ぎ早に話しかけたら、代金総額が非常に安い!
後でレシートを見てみたら、やっぱり私が飲んだ生酒代が入っていなかったのであった・・・。
この後、長野まで戻りスキー場の駐車場で車中泊。(残した酒は夫が一口で飲みきる)
地ビール祭りからスタートし、大変恵まれた一日を振り返りながら幸せな眠りについたのであった。
そして翌日は猛吹雪。リフトに乗っている間にウエアに雪が積もる過酷な状況・・・。
コメント ( 13 ) | Trackback ( )
« 長野・富山旅... | マーマレード... » |
お腹がギュルギュルなっています
「とれたて館」に「できたて館」という
売店の名前も面白いですね~。
杜さんに質問です!
お食事の時はやっぱりおいしそうなお店を
事前にリサーチしているのですか??
毎回おいしそうなものばかりに出会っているようなので…。
それともおいしい物を嗅ぎわける「野性のカン」かしら??
富山もいいとこだね。
次の日は猛吹雪って…滑ったのですか?
よかったですね!
私も今月中旬、彼氏さんと旅行の予定。北陸~愛知の範囲のどこかに行くと思われます。
静岡も候補に出してたんだけど最後の「冬」を楽しむにはちょっとばかり北の方。
るるぶなどの地域情報誌も買ったりするのですが
実は意外に「野生のカン」は当たりの店に合う確立が高いです。
このできたて館のお店も今回生地に行って初めて知りました。
一昨年に出来たばかりと言ってたので
まだるるぶなどにはあまり紹介されてないのかもしれません。
かなりおすすめです!
ちなみに野生のカンは、店構え、看板、外から見た雰囲気、メニューなどで検討をつけてます。
あと匂いかな。特にケーキ屋とかパン屋とかは。
かなりつらかったです。
富山はいいとこですねーおいしい魚たくさんあるし。
眺めもいいし、人もいいし!
今回はかなりグルメな旅でした。
こんなリッチなことは年に1回あるかないかかも!?
名残の冬を楽しんできて下さいね。
静岡、特にうちのあたりはもう春爛漫です。
でもちょっと気温の変化がはげしく、風邪ひきました~。
私は富山は何度も行っているのですが、
石川県と福井県は1、2度通過したことがあるだけなので
いずれ泊まりでじっくり行きたいです。
コメント残してませんが・・いつも楽しく拝見させて頂いてます。
美味しそうなお魚ちゃんが一杯ですね。
どんなお酒なのか??とても気になるなぁ。
そうそう、以前に杜さんがUPされてられた、黒純米を買う事が出来ました~。
本題です!
もし、宜しかったら、パパから見たママのイメ-ジバトンを受取って頂けないでしょうか??
お願いします。
お忙しいでしょうし、無理でしたらスル-して下さいませ。
富山は魚がおいしいですね~静岡とはまた違って。
ホタルイカの旬に入りました。是非また現地で食べたいです。
お酒もおいしかったです!
黒純米、あれは万人向きではないそうですが(製造者談)
私は好きでした。
イメージバトン、夫に託しましたよ!
鮮度抜群のお刺身・・・杜さんお住まいのあたりでも食べられるんでしょうけど、富山でも食べられるんですね!
いろんな出会いがあったようで、楽しい旅だったでしょうね~^^
うらやましいです。わたしも旅行したいなぁ~
バトンを受取って下さって有難うです。宜しくお願いします。
富山・・行った事ありました。旦那の後輩が富山出身で(石川やっけ??と悩んでました)極楽坂やらいちょうに良く行ってました。海王丸かな??展示、係留??されてる所の近くだったような??最近はお店が違うので休みが全く合わないので全然行ってませんが・・それに、皆雪と縁切ってるし・・未だに行き続けてるのうち位・・(10人中)美味しいお魚ちゃんに出会いたいです。長々すみません。
魚は、何か富山の方がおいしいような気がしたんですよ。
富山湾は急に深くなっているからおいしいのかも、
とお店の方は言ってましたがやっぱり鮮度かなー。
日本海側と太平洋側は魚の種類も違いますしね。
実は一昨日もこの店に行っちゃいました。
気長にお待ち下さいませ。
富山はいいとこですね。
ほんとに移住したいくらいです。
それにしても、断崖絶壁の親不知子知らずを
過ぎると地元の方の言葉に関西弁入ってくるのは
おもしろいと思いました。
長野は関東、富山は関西文化圏ですね。