陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

氷上のアスリート、ソチでの熱戦2014(二)

2014-02-23 | フィギュアスケート・スポーツ
私ことですが、先週あたりからスケジュールが厳しくて。ゆっくり観戦する時間とれませんでした。またしても結果報告のみにて。

男子シングルは羽生結弦選手の金メダルをはじめ、町田、高橋両選手の五位、六位入賞と満足な手応えであったフィギュアスケートの日本チーム。ペアやアイスダンスでは本選での勇姿観られず残念でしたね。さて、こうなると期待が高まってくるのが女子シングルですが…。

バンクーバー五輪の銀メダリスト、期待の星・浅田真央選手。
ショートでは十八番のトリプルアクセルが崩れ、態勢を立て直すことができず、十六位に甘んじてしまいました。真央ちゃん史上、二桁順位ははじめてなのだそうで。そこからどうふんばるかが注目の的でした。しかし、さすがは彼女。フリーではしめて八つの三回転ジャンプを着氷成功。トータル198.22点。メダルにこそ届きませんでしたが六位入賞。じつに驚異的な挽回力です。真央選手はバンクーバーでも五輪史上初となる記録を達成しましたが(氷上のライバル、バンクーバー決戦)、今回、さらにそれを上回ります。七転び八起きならぬ、真央転び八飛び! 人間、転んでもただでは起きない覚悟が大事ですね。
ちなみに浅田真央選手、三月の世界選手権に出場するそうです。たぶん、そうじゃないかな、と思ってましたけど(笑)。あんがい、四年後までがんばってくれたりするかもしれませんよね。多くの人が彼女の演技を観たいと願っていますし。

バンクーバーでは八位入賞を達成した鈴木明子選手。
ショートでは八位、そして彼女の人生を体現した選り抜きのプログラム「オペラ座の怪人」で熱演。最終的には186.32点、八位でした。五輪入り前から足の調子が良くなかったようで、それでもよく奮闘されたことと思われます。

五輪直前、四大陸選手権にて怪我を圧して出場し、初優勝した村上佳菜子選手。
ショートでは十五位、最終的には170.98点の、順位をあげて十二位でした。浅田、鈴木、そして安藤のバンクーバー三人娘が引退したのちは、いずれ彼女こそが日本女子フィギュア界のリーダーとなります。佳菜子ちゃんには今回の経験を活かして、四年後に輝いてほしいものですね。

優勝したのはロシアのアデリーナ・ソトニコワ選手。誰もが予想しなかったというべきかもしれませね。224.59点と圧倒的なハイスコア。ショートで首位だったキム・ヨナ選手は逆転を許し、219.11点での銀メダル。そして銅を獲得したのはイタリア女王の貫禄見せつけたカロリーナ・コストナー選手。

浅田真央選手も、鈴木明子選手も、村上佳菜子選手も、そのほかの悔しい涙を流した方も、人生に負けたわけではありません。苦境に立たされても、気持ちを切り替えて、立ち上がることができました。首から下げられたものがなかった、ただそれだけの事実。四年で一度の出場資格を得るために三年間、ライバルどうしの厳しい戦いを勝ち抜き、さらにたった数分のために全力を傾ける。ひじょうにきわどいタイミングで情勢が狂うこともあります。
勝負の世界でたしかに結果を出すことは大切です。しかし、それ以上に選手たちのがんばりに観客も寄り添い、惜しみない賛辞と拍手を贈ることこそ、幸福なゲームと言えます。個人競技に先立った団体戦への出場について、その影響について今後検討の余地はありそうですが、今回の大会、ひじょうに意義ある内容だったと言えるでしょう。今回、フリーの演技に多くの人が最大最高のメッセージが届けられたことがなによりの成果ではなかったかと思えるのです。



【関連記事】
氷上のアスリート、ソチでの熱戦2014(一)
フィギュアスケート男子シングル、羽生結弦選手が日本男子初の金メダル。町田樹選手が五位、高橋大輔選手も六位と大健闘。おめでとうございます。


【過去のフィギュアスケート記事一覧】

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 氷上のアスリート、ソチでの... | TOP | 月が逃げる »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | フィギュアスケート・スポーツ