陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「アイ.ロボット」

2011-06-26 | 映画──SF・アクション・戦争
金曜ロードショーで放映されていた、2004年作のアメリカ映画「アイ.ロボット」
ロボットたちが叛乱を起こす近未来社会を描いたSFアクションなんですが、もうこの手のシチュエーションは手垢がついた感がありますね。映画のSFは、映像技術が進歩しただけで、八〇年代あたりまでの筋書きをなぞっているだけでおもしろみに欠けるきらいがあります。
しかも、おなじくロボットと人間との交感を描いた「A. I.」を観た直後でしたので、よけいに見劣りがしてしまいました。

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家庭用のロボットが労働力として浸透した、2035年のシカゴ。
ロボットの大手メーカーで、ロボット工学の権威ラニング博士が暗殺された。警察は自殺として片づけようとするが、熱血漢のスプーナー刑事は、現場から捕獲された一体のロボット、サニーを疑う。
過去の事故のトラウマからロボットを目の敵にしているスプーナー。彼は、ロボット心理学の研究者スーザンの助けを借りて、博士の死の真相に迫ろうとするが…。

スプーナーを襲おうとするのが、サニーを複製したロボット軍団なのですが、これがいかにもうすっぺらいCGで、ロボット特有の金属感がまったくありません。あと動きも爬虫類のよう。いってみれば、スパイダーマンみたいな。この造形が、もっとターミネーターのように人体に即したデザインだったら凄みも増したのだと思うのですが。

そして、黒人のウィル・スミスと、白人女性のブリジット・モイナハンで送るコンビ、というのもウィル・スミス主演の「メン・イン・ブラック」を意識したと思われます。ただ相手が女性なので、スミスお得意の辛口ツッコミが空回りしている感が否めない。あと、アクションシーンが、おなじくスミス主演の「ワイルド・ワイルド・ウエスト」に比べたら、格段に見応えがないですね。
黒幕がマザーコンピューターというのも、ありきたりですし。

じつを言うととちゅうまでつまらなくてラストは眠って見逃してしまいました。
ただ、なんとなく予想はつきましたが。
スプーナー刑事のトラウマが、サニーの活躍によって解消されてしまうあたり。

監督はアレックス・プロヤス。

ところで、近作のロボット物が八〇年代の筋書きをなぞっていると感じるのは、アイザック・アジモフの打ち立てたロボット三原則に従っているからなんですね。


アイ、ロボット(2004) - goo 映画

(〇九年九月十八日)

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