25 日露関係Ⅰ (江戸時代~第一次世界大戦) -15-
ⅱ 日露戦争の描き方 -5-
■まとめと考察 1/2
1 「主な参考資料」について
・「与謝野晶子とその詩」を5社が掲載・・・この内容は事実でありそれを掲載すること自体は編集の裁量範囲だと思うが、「日露戦争全体の記事」を総合してみれば、《日露戦争への負のイメージ》を強めるための《印象操作の材料》となっているのが残念。
〇育鵬社と自由社は、参考資料が豊富で理解が深まる。
〇学び舎だけが載せている「明治天皇の開戦の勅語」・・・他社も掲載すべき重要な1次資料だろう。
2 「日本の開戦理由(など)」の描き方
●もっとも重要な開戦理由を書かず、主目的が「韓国(朝鮮半島)を支配すること」だと断定的に描いている。 → × 東京書籍、学び舎。
※ウィキペディアでは「日本帝国の安全保障を堅持することを主目的」としたとされている。
●もっとも重要な開戦理由を書かず、主目的が「韓国(朝鮮半島)を支配すること」であると誤解させるように描いている。 → × 教育出版、日本文教、清水書院。
●もっとも重要な開戦理由を書いていない。 → △ 帝国書院。
3 「 戦争の経過」の描き方
●まったく不十分。 → × 学び舎。
●やや不十分。 → △ 東京書籍。
※日露戦争は、次回にくわしく述べるように、世界史的に重要な戦争の一つ。
4 「ポーツマス条約」の描き方
●条約の内容のうち、「南樺太の領有権獲得」が無記。 → × 学び舎。
●日本国内の反応が無記。 → △ 学び舎。
※上記どちらの知識が欠けても、”前提知識不備”の状態になり、以後の歴史展開の理解が不十分になる可能性が高くなる。
~次回、まとめと考察2/2
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》