やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【中学歴史教科書8社を比べる】2 ~前書き /(1)縄文時代の内容量が大きく違う <その1 頁数のちがい>~

2016年11月12日 | 中学歴史教科書8社を比べる(h28-令和2年度使用)

  ◆◆中学歴史教科書8社を比べる◆◆


前回シリーズでは、平成24-27年度使用の「育鵬社版」と「東京書籍版」について、実物コピーを示して比べた。

 <内部リンク:【歴史教科書】2 「歴史教育」の実態(1) ~「東京書籍」「育鵬社」の中学歴史教科書を比べる(1)~>  

  ※全シリーズ46の記事はカテゴリー「教育6 中学歴史教科書の比較」にある。

 

今回のシリーズでは、今年度(h28)から4年間使われる8社すべてを、実物コピーを引用掲載して比べる。(※教育出版本は28年度使用本、それ以外はすべて「同年度採択用見本本」)

 

1 なぜ比べるのか?

 中学歴史教科書で言えば、この10年ほどの間に「新しい内容の教科書」が出版されるようになり、それは約70年前からずっと続いてきた「従来の教科書」とはかなり違っています。

《自分はどんな人間なのか》という自己認識(アイデンティティ)と同じように、《日本(人)はどんな国(民族)なのか》という日本(人)の自己認識が、その国策・生き方に大きな影響を与えるのはまちがいありません。


 その自己認識の内容のなかで、自己の記憶・歴史認識はもっとも基本的な要素でしょう。


 ですから、日本(人)がその子供たちに教える「我が国の歴史」の内容は、とても大事なものなのです。

 

2 各社の教科書と占有率(シェア)

 ※上記「新しい内容の教科書」は、青字で示す。 

 

・東京書籍が51%も占めている。

・前回採択率と今回に大きな変化はない。(増加率は、育鵬50%、帝国29%)

 

3 実物コピーの引用によって8社を比べる

 ・比較する内容・・・各社によりはっきりと違うことがら

 ・教科書コピー画像の大きさ・・・場合により、縮小した画像を提示する場合あり。

 ・時代区分や年代・・・原則として育鵬社版に準拠する。

 ・掲載順・・・原則として時代の古いものから。

 

~以上、「前書き」終わり~

 

(1)縄文時代の内容量が大きく違う

 最近、世界の歴史・考古学界で「日本の縄文時代」が注目されているようだ。

縄文|NHKスペシャル アジア巨大遺跡

第2回 豊かな縄文時代 - 裏辺研究所

 研究が進み、数十年前に描かれていたものとはずいぶん違う縄文の姿がわかってきた。


移動しつつ狩猟・漁労・採集の生活 → クリなどの栽培(農業)もする定住生活

原始人に近い新石器時代の文化: → 1万5千年ほど前から土器(世界最古級!)や漆(うるし)なども利用する多彩な文化。


 平成28(2016)年9月1日、《国立遺伝学研究所集団遺伝研究部門および総合研究大学院大学遺伝学専攻の斎藤成也教授らのグループ》が驚くべき研究成果を発表した。

その一部を紹介すると、

・・・縄文人は、現代人の祖先がアフリカから東ユーラシア(東アジアと東南アジア)に移り住んだ頃、もっとも早く分岐した古い系統であること、そして、現代の本土日本人に伝えられた縄文人ゲノムの割合は15%程度であることが明らかになりました。
今回、縄文人の核ゲノムの一部が解読されたことによって、縄文人が現代の東アジア人と比べて遺伝的に特異な集団であったことが明らかとなりました。・・・

 【プレスリリース】『縄文人の核ゲノム配列をはじめて決定 〜東ユーラシア人の中で最初に分岐したのは縄文人だった〜』

 この《歴史的日本人(民族)像を根底からくつがえす発見》は、《平成4(1992)年から行われた青森県:三内丸山遺跡の発掘研究》などの進展により言われ始めてきた、「縄文時代の日本列島は人類文明の先進地域であった」という新説に、間接的な根拠をつけ加えていることになる。

 では、このように大きく変わりつつある縄文時代像を各教科書はどう描いているのか。


①  ページ数の違いが大きい

 

~つづく~ 

<全リンク⇒へ> <縄文