A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

久々に、ストレートなジャズの演奏をトランペットとボーカルで・・・

2015-02-02 | CONCORD
Stand By For The Jack Sheldon Quartet

昔、スイングジャーナルの読者人気投票のランキングを見ると、ギターに植木等、トロンボーンに谷啓といった名前が並んでいた。コメディアンとして有名になったクレージーキャッツの面々であるが、以前はジャズを演奏していたミュージシャン達であった。コミックバンドを経て、それぞれの道へ進んだが、谷啓は、最後までテレビ番組でもトロンボーンのプレーを披露していた。

ジャックシェルドン、元々は‘50年代西海岸で活躍していたトランぺッター。50年代のウェストコーストで作られたアルバムには、コンボでもオーケストラでも彼の名前は数多く見かける

しかし、60年代に入ると、テレビや映画に俳優、コメディアンとして登場し、活躍の場はすっかりテレビ中心に変った。テレビに出ている時もトランペットとボーカルを忘れることは無かったが、ストレートのジャズというよりは、ポピュラーな曲を演奏したり、子供番組の主題歌を歌ったり、その活動はジャズからはどんどん離れていった。



しかし、70年代に入ると、再びトランぺッターとしてスタジオワークを中心に活動を再開する。そして、ストレートなジャズの演奏も。ビルベイリーのビッグバンドに参加しコンコルドのアルバムにもシェルドンの名前が見られるようになった。

そんな彼を、カールジェファーソンが放っておくことは無かった。
Concordレーベルは、ベテランの復帰の機会を提供する、ある種のリハビリの場のような存在であった。無理に今風の演奏を強い得ることなく、本人の意向を一番尊重し、ベストなプレーができる環境を常に用意していたので、ミュージシャンにとっては気負うことなく久々のプレーでも気楽に演奏できたかもしれない。

今回もコンコルドのハウストリオとでもいえる、トンプキンス、ブラウン、ジェイクハナがバックを務める。このトリオをバックに、シェルドンに「お好みのトランペットと歌をご自由にどうぞ」といった感じのセッションである。

ジャケットのテレビ画面を模したデザインも、シェルドンのキャリアを知っている人にとっては、意味が良く分かると思う。テレビではプレーヤーとしてよりも、長年Merv Griffin Showのミュージカルディレクターとして有名になってしまったシェルドンだが、今度のプログラムは「いつもお馴染みのシェルドンではなく、ジャックシェルドンカルテットがスタンバイしています」ということだろう。
そして、このカルテットの演奏は、ジェファーソンの思惑どおり、シェルドンのジャズプレーヤーとしての側面を再び全面的にアピールした内容となった。

トランペットを吹くボーカルといえばチェットベイカーが有名だが、タイプは異なってもこのシェルドンも両刀使いだ。このアルバムでも、トランペットとボーカルの曲を交互に配し、楽器も歌もどちらもメインとアピールしたかったのだろう。

基本的にはモダンスイング系のスインギーなトランペットであるが、曲に合わせてプレースタイルは微妙に変えている。バイバイブラックバードのトランペットというとマイルスを思い出してしまうが、ここでもミュートプレーで軽快に(もちろんマイルスのような鋭さはないが)、そしてシャドウオブユアスマイルでは、低音域でストレートなメロディーの美しさを訴える。バラードもスインギーな曲もご機嫌である。

歌の方も、余興で歌うといった感じではなく、最後の曲、The Very Thought of Youでは7分にも及んでじっくり歌い込んでいる。

この録音がきっかけだと思うが、翌月行われたウディーハーマン仕切りのジャムセッションにも参加している

その後も、プレーや歌を継続して行くが、エンターテイナーとしてステージの楽しさも、演奏や歌に加えて人気を博した要因であろう。いずれにしても、才能豊かな人は、何かを極めるにしても他の分野での才能が助けになって大きく育つのは間違いない。
どんなに上手く演奏しても、ただ黙々と演奏するライブが楽しくないのは、そのようなキャラクターが影響するのかもしれない。

その当時のライブの様子↓


1. I Love you
2. Daydream
3. Cherry
4. Don’t Get Around Much Anymore
5. Bye Bye Blackbird
6. I’m Getting Sentimental Over You
7. Shadow of Your Smile
8. Get Out Of Town / Ours
9. Poor Butterfly
10. The Very Thought Of You

Jack Sheldon (tp)
Ross Tompkins (p)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recording Engineer : Phil Edwards

Recorded at Ocean Way Recording, Hollywood, California, March 1983

Originally released on Concord CJ-229
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ビッグバンドのリーダーだけでなく、ジャムセッションリーダーとして適役と見込まれたのは?

2014-11-17 | CONCORD
Volume 3 Woody Herman Presents A Great American Evening

高齢者というと何歳からか?
以前は60歳、還暦を迎えると年寄りの仲間入りだった。
最近では高齢者というと65歳、60歳はまだまだ元気、定年も延長される世の中では還暦は年寄りの仲間入りにはまだ早すぎる。

65歳になるとやっと高齢者の仲間入り、健康保険証とは別に介護保険の保険証が届く。これが来ると何となく年寄りになった実感が沸く。気のせいか体力的な衰えも感じるが、これから鍛え直すには手遅れだ。

次なる節目は70歳、やはり60代とは違うのだろうが自分がどうなるかは想像できない。しかし、今日会社時代の先輩の集まりがあった。自分以外は全員70代以上だったが、何か異様とも思えるくらい皆揃って元気溌剌だった。このグループが別なのかもしれないが。

そして、次がいよいよ75歳、医療費も別扱いになり後期高齢者となる。ここからが本当の年寄りなのだろう。最近健康寿命という言葉を良く聞く。とりあえずここまで行くのにあと10年、何とかゴルフができる位の健康は維持したいものだ。

ジャズのミュージシャンでも生涯現役でプレーを続ける元気者は多い。ウディーハーマンもその一人だろう。このアルバムが録音されたのが1983年、ハーマンは1913年生まれなので、まさに70歳を迎えようとしていた頃の演奏だ。
単にプレーを続けているというのではなく、リーダーとしてもまだ大活躍をしていた。ハーマンは演奏活動自体が好きだったということもあるが、大きな負債を抱えていてこれを返さなければという事情も、常に演奏活動にオブリゲーションを与えていたようだ。

ハーマンは色々なレーベルに録音を残しているが、晩年の演奏はConcordに残されている。
自らのオーケストラの演奏は、1979年のモンタレー1981年のコンコルドジャズフェスティバルに登場し、そのライブアルバムがある。
その後も日本でのライブがあり、そしてハーマンのラストアルバムは、亡くなる年の1987年の録音となる。まさに生涯現役であったが、ビッグバンド一筋に生きてきたハーマンに相応しく、このラストアルバムもビッグバンド物であった。

コンコルドではこれらのビッグバンドリーダーとは別のハーマンの顔を捉えたアルバムを出している。ハーマンは昔から自分のオーケストラ以外にも色々なアルバムにゲスト出演することが多いが、コンコルドではWoody Herman Presentと銘打ったアルバムを出していた。これが3枚目になる。

これらは、ジャムセッションリーダーとしてのハーマンの才能をアピールしたものだ。
ジャムセッションを上手くやる秘訣はいくつかあるようだが、このハーマンは適役だということでこのシリーズができた。

一作目はコンコルドパビリオンの大きなステージでのライブ2作目はニューヨークのスタジオでの録音であったが、これは4人のテナーを揃えたフォーブラザースの再現でもあった。
そして、今回はサンフランシスコのGreat American Music Hallでのライブ。ここではメンバー達の実にリラックスした親近感を覚えるプレーが聴ける。

いきなり、ハーマンのボーカルとクラリネットが大きくフィーチャーされてスタートする。ハーマンは時々歌を聴かせてくれるが、このアルバムではクラリネット同様登場機会は多い。
ハーマンは盛り上げ役と纏め役としての責務は果たしているようだが、他のメンバーは熱がこもっているものの、お祭り騒ぎになることなく淡々とプレーをしている。コンコルドの常連メンバーにしてみれば、普段の演奏もジャムセッションのような物、ステージに立ったからといって改めて演奏スタイルを変える必要はないのかもしれない。
その中で、北村英治と少し前に口笛でデビューアルバムを出したロンマックロビーはゲスト役でのジャムセッションの舞台、緊張していたかもしれない。北村英治はお得意のアバロンで、マックリビーはウェイブで無事出番を終えた。
纏め役のハーマンの進行も的を得ていたのかもしれないが、クールな優等生が多いコンコルドのメンバーにはあまりノリノリになるリーダー役は不要のようだ。ハーマンの歌と演奏が少し浮いて聴こえてくるが、ステージはハーマン大得意のカルドニアで幕を閉じる。

大きな舞台を上手く纏めるのはやはり場数と年の功。ハーマンの役割が重要だったのだろう。

1. I've Got the World on a String  Harold Arlen / Ted Koehler 6:33
2. I Cover the Waterfront   Johnny Green / Edward Heyman 4:34
3. Leopard-Skin Pill-Box Hat            Bob Dylan 3:48
4. Avalon       Buddy DeSylva / Al Jolson / Vincent Rose 6:04
5. A Beautiful Friendship     Donald Kahn / Stanley Styne 5:17
6. Pennies from Heaven    Johnny Burke / Arthur Johnston 4:23
7. Wave                 Antonio Carlos Jobim 6:18
8. Caldonia                   Fleecie Moore 5:37

Woody Herman (cl,Vol)
Scott Hamilton (ts)
Eiji Kitamura (cl)
George Masso (tb)
Ron McCroby (puccolo)
Jack Sheldon (tp)
Cal Collins (g)
Nat Pierce (p)
Bob Maize (b)
Jake Hanna (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recording Engineer : Phil Edwards
Recorded live at the Great American Music Hall, San Francisco April 1983

Originally released on Concord CJ-220


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ケントンオーケストラでの経験と実績を生かし、セッションワーク&ソロの腕前をまず披露した場所は・・・・

2012-03-28 | PEPPER ADAMS
A Pell of A Time / Dave Pell’s Jazz Octet


辰己哲也というトランペッターがいる。しばらくライブ通いもしていなかったので、最近の日本のジャズ事情にも疎くなっていたが、彼を知ったのは一昨年のカールサンダースのビッグバンドが来日した時の共演のライブが最初。その後フォローをしてみると、自分の好みとの接点が多いのも分かった。最近も自分のFavoriteであるボブブルックマイヤーのアルバムに興味を持っているとか。自身で作編曲もやるしビッグバンドからDuoまで色々な編成でライブにも良く登場している。

その活動の中に少し大型の編成のオクテットがある、昔はベイエリアジャズアンサンブルといってホテルにも定期的に出演してそうだが、最近は年に数回ライブハウスにといった感じらしい。その名の通り、アンサンブルとソロの絶妙なコンビネーションが素晴らしい、ウェストコーストの香りがするスマートなバンドだ。先日はこのバンドの流れから更に発展してバリトンとピアノを外した3管編成の新しいグループを作ってライブをやっていた。生憎その夜は都合が悪く行くことはできなかったが、またまた新しい試みをやっているようだ。次回は是非行ってみたいと思っている。

辰己哲也オクテットの演奏



実は彼のオクテットの元となっているのは、Dave Pellのオクテットだ。アメリカではそれなりに人気のあるグループのようでアルバムの数も多い。だがハードバップが人気の中心にある日本ではあまり有名とはいえず、一部の好事家がファンといえるバンドだ。自分もウェストコーストは好きな方だが、決してデイブペルの追っかけでもないし特に熱烈なファンでもないのだが。このアルバムを持っているのは、実はバリトンサックスにペッパーアダムスが加わっているからだ。アダムスの参加しているアルバムを追いかけてみたら、たまたまそれがデイブペルオクテットであったという次第。

1956年にこのデイブペルはバンドの一部組み換えを行った。というのも、このオクテットはきちんとアレンジされた演奏を売りにしていたが、実際に演奏する場は半分強がダンスのため、そして残り40%がクラブやコンサートホールになっていた。コンサートホールのステージでは、アレンジは”Dandy”という評価を得られたが、聴かせるグループとなるとソロの短さがネックとなっていた。そこで、ペルはこのレコーディングからはソロのスペースを広げ、よりフリーな演奏が出来るようにした。もちろん全体のアレンジの枠組みを崩さない範囲で。そこで、メンバーも入れ替えることになり、この時ロスにいたペッパーアダムスにも白羽の矢が立ったということだそうだ。

ペッパーアダムスは、スタンケントンオーケストラを辞めて、ロスを拠点として活動を開始したが、ロスでの活動期間は、ケントンオーケストラを辞めた1956年11月から翌’57年8月に自分のリーダーアルバムを制作するまでの8ヶ月間。短期間であったが、この間様々なセッションに参加し、レコーディングにも数多く参加している。アダムスが本来は東海岸の出身でニューヨークとデトロイトを活動の拠点にしていたが、ウェストコースト出身ではないかと誤解する要因は、スタンケントンへの参加と、この間リーダーアルバムの制作を含め西海岸での躍進が顕著であったからであろう。

このアルバムは、57年の1月、スタンケントンを辞めたアダムスはメルルイスと行動を供にしていたが、2人揃ってこのデイブペルのNewオクテットに参加した。リハーサル&オーディションを兼ねてハリウッドのクラブにしばらく出演後、1月17日の録音に臨むことになる。アダムスは多くの曲でソロも披露し、ペルのオクテットのリニューアルにさっそく貢献することになる。

本家Dave Pellの演奏



1. Jazz Goes to Siwash     Holman 4:32
2. Suze Blues          Paich 3:06
3. Grey Flannel         Paich 6:41
4. Angel Eyes          Brent, Dennis 5:38
5. G Tune            Moer 2:42
6. Sandy Shoes         Pell 5:18
7. Cameo            Montrose 4:11
8. Love Me or Leave Me      Charig, Furber, Lee, Weston 7:14
9. Them There Eyes        Pinkard, Touble, Tracey 5:21

Dave Pell's Jazz Octet

Dave Pell (ts)
Pepper Adams (bs)
Jack Sheldon (tp)
Ray Sims (tb)
Marty Paich (p)
Tommy Tedesco (g)
Tom Kelly (b)
Mel Lewis (ds)

Suppervision : Shorty Rogers

Recorded in Los Angels, January 17,23, March 29, 1957


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暑い時にはクールなジャズバトル・・・・2×2

2011-07-30 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
A Jazz Band Ball (First Set) / Stu Williamson

ジャズのバトルというと、ステージでの白熱したソロの交換が思い浮かぶが、クールなジャズバトルもある。お互い語り合うようなインタープレーだ。ビルエバンスとジムホールの掛け合いが有名だが、DOUのアルバムは基本的にすべて2人のバトルだ。
同じ楽器同士のバトルは、2人の個性の掛け合いがまた楽しい。

このアルバムは、2つの楽器が2人ずつ、2×2=4のバトルだ。2人のトランペットと2人のトロンボーン。それも普通のスライドではなく、バルブトロンボーンが2本だ。
トランペットとトロンボーン、それもヴァルブとなると、クラークテリー&ボブブルックマイヤーが有名だが、バルブドローンボーンが丁度人の声でモグモグやっているような感じで、ある種スキャットのように感じることもある。
トランペット2人の掛け合い、トロンボーン2人の掛け合い、そしてトロンボーンとトランペットの掛け合い、さらには4人のアンサンブルと色々な組み合わせが聴けより変化がある。曲もディキシーの名曲から、ベイシーの十八番、オリジナルまで良く考えられている。

4人を取り纏めているのはマティーペイジ。モードレーベルらしい、玄人受けする企画だし演奏内容だ。ハイノートとフォルテシモで盛り上がるバトルもいいが、ウェストコーストサウンドのクールなバトルも清清しくて楽しいものだ。

1. Blue Lou
2. Soft Winds
3. Dinah
4. Iris of the IRA
5. Jumpin' at the Woodside
6. Look Around
7. Ida
8. Yardbird Suite
9. Logrolling

Don Fagerquist (Trumpet)
Jack Sheldon (Trumpet)
Bob Enevoldsen (Trombone (Valve))
Stu Williamson (Trombone (Valve))
Marty Paich (Piano)
Buddy Clark (Bass)
Mel Lewis (Drums)

Eva Diana (Cover Design)
Bones Howe (Engineer)
Red Clyde (Producer)
Joe Quinn (Liner Notes)

Recorded in Hollywood, CA, 07/1957
Mode 110





Jazz Band Ball First Set
クリエーター情報なし
Vsop Records
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オールスターの楽しみは・・・いつもは見たり聴いたりできない意外性かも

2011-07-06 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
In a Jazz Orbit / Bill Holman

7月になるとプロ野球もオールスター戦だ。野球少年であった頃は見るのを楽しみにしていたが、最近は野球自体に興味が無くなりつつある。いつも戦っている相手と同じチームで戦う、昨日の敵は今日の友、いつもやられっ放しの相手と同じチームで戦える楽しみは格別だろう。オールスターは団体競技の楽しさのひとつだ。

ジャズの場合もレギュラーバンドを離れ、レコーディングで一時のグループを作ったり、ライブで入り乱れての大ジャムセッションになったり、オールスターの組み合わせになる機会は沢山ある。

このアルバムはメンバーを見渡すとウェストコースト派のオールスターメンバー。今回の束ね役はビルホルマン。彼のアレンジをお披露目するために集まったオールスターだ。これだけ揃った役者に何をやらせようと「力不足」ということはなかろう。反対に中途半端なものだと「役不足」。役者の力を生かしきれないまとめ役は大変

当時の西海岸の有名なライブハウスのひとつ The Lighthouse



録音は1958年。今でも元気に活躍しているホルマンの50年以上前の作品。アレンジャー
としては新進気鋭のデビューをした頃だ。選んだ曲はスタンダートとオリジナルがA面B面で丁度半分ずつ。定番料理と創作料理のバランスも考えられている。

まずはちょっと味見をしてみると、まさにウェストコーストサウンドそのもの。1958年というとジャズ界は当たり年。このブログで紹介したものも名盤と言われる物が多い。

その中で、ビッグバンド物も結構多い。

Basie Plays Hefti

ASPECTS / BENNY CARTER and His Orchestra

HARRY ARNOLD + BIG BAND + QUINCY JOMES = JAZZ

Michel Legrand Meets Miles Davis

A MESSAGE FROM NEWPORT / Maynard Ferguson & His Orchestra

SOUNDS OF THE GREAT BANDS VOL.2 / GREN GRAY

New York N.Y. / George Russell

新旧取り混ぜてハードバップ全盛期の中でビッグバンドも元気だった。

このホルマンのアルバムを聴くと、これらの同じ時代の他のビッグバンドとは一線を画している。いわゆるケントンサウンドの流れを汲んではいるのだが。
あっという間に、A面のスタンダードが終わる。反対にひっくりかえしても。
細かく音楽的な指摘は出来ないが、いわゆるビッグバンドの従来の手法をベースに、流行のウェストコーストの味付けで少し音に厚みをつけてより心地よくした感じだ。
ビッグバンドというと大音量というイメージだが、これはパワー全開というわけではない。
大排気量の車を、余力を持ってクルージングしている気分だ。
これがホルマンのアレンジの基本だと思う。その後、色々なバンドにアレンジを提供し、そのバンドカラーに合わせた作品もあるが、現在の彼のオーケストラまで脈々と続いているように思う。

オールスターの楽しみには何が起るかが分からないハプニング性。ライブの飛び入りなどはその際たるもの。唯一このアルバムの欠点を探すと、その意外性が見当たらないかもしれない。もっとも、このメンバーはオールスターといっても、当時の西海岸のスタジオミュージシャンの一流を集めたオーケストラ。日々のスタジオワークやクラブのセッションで毎日顔を合わせているレギュラーバンドのようなもの。意外性を求めても無理かもしれない。

でも録音から50年以上経った今聴いても新鮮に感じるのがこのアルバムの「本当の意外性」かも。長く付き合った女性に新たな魅力を発見するような。


1. Kissing Bug        Sherrill, Stewart, Strayhorn 4:10
2. The Man I Love       Gershwin, Gershwin 3:56
3. Goodbye          Jenkins 3:29
4. You Go to My Head     Coots, Gillespie 6:15
5. After You've Gone     Creamer, Layton 2:44
6. Far Down Below       Holman 4:18
7. No Heat          Holman 6:07
8. Theme & Variations #2   Holman 4:29
9. Aura            Holman 4:45

Stu Williamson (Trumpet)
Ed Leddy (Trumpet)
Al Porcino (Trumpet)
Jack Sheldon (Trumpet)
Frank Rosolino (Trombone)
Carl Fontana (Trombone)
Ray Sims (Trombone)
Herb Geller (Alto Saxophone)
Charlie Mariano (Alto Saxophone)
Bill Holman Arranger, Performer, Producer, (Teno Saxophoner)
Bill Hood (Baritone Saxophone)
Richie Kamuca (TenorSaxophone)
Charlie Kennedy (Tenor Saxophone)
Victor Feldman (Piano)
Buddy Clark (Bass)
Mel Lewis (Drums)

Bones Howe Engineer
Recordeed on Feb 11, 1958 - Feb 13, 1958

In a Jazz
クリエーター情報なし
Vsop Records

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たった2枚のアルバムしかないが・・・・印象に残る歌手だ

2008-05-22 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Joy Bryan Sings

Concordのジャズの特徴は普段着のジャズ。特に何のお化粧もしていない、ミュージシャンの「すっぴんの素顔」の演奏が聴ける。特に大作のアルバムを作るという気負いもなければ変な緊張感も無く。中には長年プレー続けてきたがリーダーアルバムを作る機会に恵まれなかったミュージシャンの普段見せない一面を垣間見ることもできるものもある。
一流を一度極めたミュージシャンは、普段着の演奏でも何か光るものを感じさせてくれるものだ。
反対に、新人が世に認められるためには、自分を特徴づけるために何か特別な唄い方にチャレンジしなければならない。そうしているうちに、徐々に本来の自分の良さを失って、結局世に出るきっかけを失ってしまう歌手もたくさんいるようだ。

このアルバムの主役も最初はそのような経緯をたどっていた。生まれはインディアナ州。アメリカのへそといわれるところだ。歌手になることを夢見て遠路ロスへ出てきた。仕事の場は見つかったが、だんだん自然体の自分では無くなっていくのに葛藤を覚えていたようだ。
そのような彼女を見出したのは、歌手の伴奏にかけてはプロ中のプロ。様々な有名歌手の伴奏を努めたピアノのジミーロウルズ。長年の経験でピンとくるものがあって、彼女の歌に何かを感じたのだろう。レコーディングを紹介したのはマティーペイチ。アレンジャーでもあるペイチはその頃、新興レーベルModeの音楽ディレクターを務めていた。とんとん拍子にレコーディングの話が進んだ。
幸いなことに、このModeの基本コンセプトも、「実力ある当時の若手の素顔の演奏を世に出すこと」を第一の目的にしていた。
マティーペイチは彼女のためにアレンジも用意し、そしてそれを演奏するメンバーも集めた。Concordのハウスドラマーがジェイクハナであったように、このModeのハウスドラマーと言っていいほど多くのセッションに加わったのがメル・ルイス。このアルバムにもルイスの名前がある。
ペイチのアレンジは、シンプルではあるがよくスイングし、そして多様な管楽器を絶妙にハーモナイズさせる点にある。このアレンジも4管編成だが曲によって楽器の組み合わせを微妙に使い分け、ミニオーケストラのような変幻自在なバックをブライアンに提供している。
そして彼女の歌であるが初録音に関わらず何の気負いもなく、バックに影響された大げさな誇張も無く、彼女の得意とするストレートなトーンの普段着の歌声が聴ける。もちろんこれには、アルバム作りを全面的に企画し、彼女の素顔の良さを引き出したマティーペイチの果たした役割が大きかったのだろう。
その後、彼女はコンテンポラリーで一枚アルバムを残した後現役を退いてしまう。
彼女の良さでもある普段着の歌を、プロとして長く続けることには何か限界を感じたのか。それとも、夫でもあるレスターケーニッヒが彼女の歌を独り占めしたかったのか。

1. I Was Doin' All Right (G & I Gershwin)
2. Round Midnight (Monk, Hanighen, Williams)
3. My Shining Hour (Arlen, Mercer)
4. When The World Was Young (Mercer, Bloch)
5. Mississippi Mud (Baris, Cavanaugh)
6. My Heart Stood Still (Rodgers, Hart)
7. You're My Everything (Warren, Young, Dixon)
8. When It's Sleepy Time Down South (Rene, Muse)
9. Swinging On A Star (Burke, Van Heusen)
10. What Is There To Say (Duke, Harburg)
11. Down The Old Ox Road (Coslow, Johnston)
12. I Could Write A Book (Rodgers, Hart)

Joy Bryan (vocals)
Marty Paich (piano)
Bob Enevoldsen (clarinet, bass clarinet, valve trombone)
Herb Geller (clarinet, alto)
Ronnie Lang (clarinet, baritone, alto)
Jack Sheldon (trumpet)
Red Mitchell (bass)
Mel Lewis (drums).

Produced RedClyde
Engineer Dayton Howe
Recorded June,1957,Hollywood,CA

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サドと比較するとリーダーアルバムの少ないメルだが・・・・

2008-05-08 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Mel Lewis / 6

サド・メルのリーダー、サドジョーンズは50年代の後期はカウントベイシーオーケストラに籍を置きながら何枚かのリーダーアルバムを残している。
もう一人のリーダー、メル・ルイスはというとスタンケントンを辞めた後、多くのセッションでその確実なプレー振りを聴くことはできるが、リーダーアルバムとなると・・・・・?
基本的に脇役なので非常に数は少ない。
56年に初のリーダーアルバム“Got 'Cha”があるが、このアルバムが2枚目のリーダーアルバムだ。

おなじみModoレーベルのNew Star Seriesの中の一枚。
Modeレーベルは統一されたジャケットデザインだけでなく、中身のコンセプトも明確だ。
当時の新進気鋭の新人達に録音の機会を与え、その後のスタープレーヤーのデビュー作が並ぶ。57年の6月から9月にかけて30枚近くが一気に制作され、あっという間に消えてしまったが。このようなこだわりのレーベルはコンセプトが明確で好きな部類だ。
メル・ルイスもその中でもプロデューサーのお眼鏡にかなった一人だったのだろう。このリーダーアルバムだけでなくこのシリーズの中でもよく顔を出している。

54年から在籍したスタンケントンオーケストラを辞したルイスは、57年にロスに居を定めスタジオワークに徹する。このModeの一連のセッションを含めて参加した録音は何と30枚近くに上る。
Modeのもう一つの特徴は、QuintetとかTrioとかタイトルが実に素っ気無いものが多い。このアルバムも“Mel Lewis 6”。曲やメンバーのイメージがタイトルからは分からない。

このセッションのメンバーの一人、ビルホルマンとはこの頃行動を共にしていたようで、彼のオーケストラにも加わっている。チャーリーマリアノは3曲だけ参加。トランペットのジャックシェルドンは、その後俳優業や時には歌も歌って活躍を続けた息の長いプレーヤーだ。ピアノはアレンジャーとして有名になったマティーペイチ。ベースはバディークラークとウェストコーストの生え抜きのメンバーが加わっている。
ウェストコースト派のセッションはアレンジャーが気になるが、ホルマン、ペイチ、シェルドンに加えて、プレーには参加していないが、ボブブルックマイヤーが3曲アレンジを含めて提供している。ということで、演奏はウェストコースト派の典型的なサウンドだ。
ジョージラッセルのアルバムが、ジャズが元気だった時代のニューヨークのある断面を残したのに対して、このメルのアルバムを含めたModoのシリーズは、この時代のハリウッドに集う若手ミュージシャンたちの演奏を「一塊」にして残した遺産だ。
どちらのアルバムにも参加しているボブブルックマイヤーのこの頃の活躍も目立つが、彼もサド・メルオーケストラの立ち上げには欠かせなかったメンバーだ。

1. Brookside               Brookmeyer 4:20
2. You Took Advantage of Me    Hart, Rodgers 5:13
3. Zig Zag                Brookmeyer 5:05
4. Jazz Goes to Siwash        Holman 4:11
5. Charlie's Cavern          Sheldon 5:19
6. Grey Flannel             Paich 6:25

Jack Sheldon (tp)
Bill Holman (ts,bs)
Charlie Mariano (as,ts)
Marty Paich (p)
Buddy Clark (b)
Mel Lewis Drums (ds)

Red Clyde Producer
Eva Diana Cover Design
Thorne Nogar Engineer

Recorded in Hollywood,CA, July 1957

メル・ルイス・セクステット
メル・ルイス・セクステット
MODE

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今までの16年の活動の集大成をこの一枚に・・・

2008-04-05 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Modern Jazz Classics / Art Pepper + Eleven

同じ人物でもいい顔をしている時と、そうではない時がある。
もちろん人の喜怒哀楽は日々起こっていること。そして、ちょっとした瞬間に実にいい表情をすることがある。写真を撮るときはその一瞬を狙うのであるが、なかなかいい写真というのはとれないものである。

このジャケットのペッパーの写真は実にいい顔をしている。そして、この翌年のアルバム、”GETTIN' TOGETHER”でも。
ペッパーが元気だったのはこの頃までだ。その後は長い療養生活に入ってしまう。
復帰してからの顔つきは少し変わってしまった。
単に年をとったからというだけではなく。

健康で、毎日の生活が充実していれば、自然といい顔をするものなのだろう。
それは、他人から見ても分かるものだ。先日、友人から「最近いつも怒っているような顔をしているよ」と言われた。
自分では気づいていなくとも、自然と心と体の内面が表にでてしまっているのだろう。

さてこのアルバム。ペッパーの元気な頃のアルバムだが、ウェストコーストジャズも全盛期を過ぎ終焉を迎えていた。
そのウェストコーストジャズを築いてきたオールスターが総勢11名、ペッパーの演奏を支えるために集まってきた。いつもよりは大きな編成で、分厚いサウンドを作り出すために。トランペットのソロにはジャックシェルドンが。バリトンには、スーパーサックスのメッドフローリーが。他にもお馴染みの面々が。
そのアレンジはマティーペイジ。役に不足は無い。

そして選ばれた曲は、モダンジャズを語るには欠かせない名曲ばかり。
どれをとってもペッパーにとって、これ以上望めないようなお膳立てだ。
いつものコンボでの演奏と比較すると、大きな編成をバックにするとプレーの起伏がより大きくなるような気がする。バックの舞台を演出したアレンジャーとのコラボレーションの結果であろう。ペッパーもこれに応えるように、いつものアルトに加えてテナーやクラリネットで熱演する。

このアルバムが制作されたのは59年。アートペッパーの初吹き込みは18歳のときにケントンオーケストラで。それから16年。ひとつの時代の区切りになる卒業アルバムのようだ。聴く方も、色々な想いを巡らせる間もなく、あっという間に12曲が終わる。
そしてこのセッションに加わったメンバーも、翌年はそれぞれに新しい人生を歩み始める。
ペッパーは長い療養生活に。ドラムのメルルイスは秋のモンタレージャズフェスティバルに昔お世話になったウディーハーマンオーケストラにゲスト出演した後、長年住み慣れた西海岸を離れてニューヨークに移る。

Opus De Funk
'Round About Midnight
Walkin' Shoes
Airegin

 Pete Candoli, Jack Sheldon (tp)
 Dick Nash (tb)
 Bob Enevoldsen (vtb, ts)
 Vince DeRosa (frh)
 Herb Geller (as)
 Art Pepper (as, ts, cl)
 Bill Perkins (ts)
 Med Flory (bs)
 Russ Freeman (p)
 Joe Mondragon (b)
 Mel Lewis (d)

 Marty Paich (arr, cond)

  Recorded in Los Angeles, CA, March 14, 1959

Groovin' High
Shaw 'Nuff
Anthropology
Donna Lee

 Al Porcino (tp)
 Bud Shank (as)
  replaces Candoli, Geller

  Recorded in Los Angeles, CA, March 28, 1959

Move
Four Brothers
Bernie's Tune
Walkin'

 Charlie Kennedy (as)
 Richie Kamuca (ts)
  replaces Shank, Perkins

  Recorded in Los Angeles, CA, May 12, 1959

 Produced by Lester Koenig

アート・ペッパー・プラス・イレヴン 3(紙ジャケット仕様)
アート・ペッパー・プラス・イレヴン,アート・ペッパー,ピート・キャンドリ,アル・ポシーノ,ジャック・シェルドン,ディック・ナッシュ,ボブ・エネボルドセン,ビンス・デ・ローサ
ビクターエンタテインメント

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先進的なプレー志す者は、スタジオ入りしてもその志は衰えず。

2007-08-27 | CONCORD
The Artful Dodger / Victor Feldman

50年代の後半のContemporaryやRiversideのアルバムにはよく登場したVictor Feldman。改めて経歴を見てみると、イギリス生まれの彼は最初ドラムの天才といわれて音楽活動に入ったそうだ。プロになってからは、最初はヴァイブで有名になり、そしてピアニストとして名を成した。ハーマンのバンドを経て、キャノンボールアダレイのグループにも加わり、マイルスとも共演し曲(Seven Steps To Heaven)も提供している。
そのまま、ひのき舞台を歩むかと思ったら、彼はL.A.にそのまま居座りもっぱらスタジオの仕事が中心となった。

しかしJAZZへの探究心が旺盛なのか、スタジオワーク以外にも時々ストレートなJAZZアルバムを出し続けた。それも忘れた頃に。
そのFeldmanがConcordレーベルに登場したのは1977年。それも、自らの名を冠したリーダーアルバムで。
多芸なフェルドマンではあるが、ここではピアノのプレーに専念する。ただし、新しい物を追っていたFeldmanらしく曲によってはFender Rhodesを用いてプレースタイルも新しい流れを存分に取り込んでいる。その点では、今までConcordに登場した「スタジオの雄」の面々とは一味違ったプレーを聴かせてくれる。
アルバムタイトルは、ARTFUL DODGER(巧妙なごまかし上手)とでも訳すのだろうか。
けっして誤魔化しではなくFeldmanの多彩な才能が全面的に披露されている。

一曲目のライムハウスブルースからその本領発揮だ。ディキシーの演奏にも似合う古いスタンダード曲であるが、2拍子と4拍子を交えながらも、ボサノバ風のリズムを加えたモダンな解釈で曲の古臭さを感じさせない。
21世紀のbebopとライナーノーツで書かれた2曲目のAGITATIONは、非常に攻撃的なドラミングに鼓舞されたピアノプレーで新主流派のピアノとしても一級品だ。B面のアルバムタイトル曲のARTFUL DODGERも同様に先進的な演奏だが、ドマニコのベースやベイリーのドラムのソロや絡み合いもピアノトリオの演奏として聴き応えがある。
一転スタンダードのSmoke get in your Eyesでは、Fenderの軽やかなタッチが冴える。
A面、B面最後の曲は共にHAUNTED BALLROOMと同じ曲。A面はスイングするピアノプレーだが、B面はJack Sheldonのトランペットとユーモラスなヴォーカルが楽しめる。
色々な顔を持つFeldmanであるが、このアルバムではピアニストとしての多芸ぶりを発揮している。
B面4曲目のSPONGE MONEYはFeldmanのオリジナルとライナーノーツには書いてあるが、どう聴いてもロリンズのセントトーマス。色々なものがぎっしり詰まっているアルバムだ。

1. Limehouse Blues        Braham, Furber 6:10
2. Agitation               Feldman 4:36
3. Walk on the Heath           Feldman 4:50
4. Haunted Ballroom        Feldman, Adamo 5:07
5. Isn't She Lovely            Wonder 3:29
6. Artful Dodger             Feldman 3:18
7. Smoke Gets in Your Eyes     Kern, Harbach 4:57
8. Sponge Money(St. Thomas) Feldman(Rollins)4:17
9. Haunted Ballroom, No. 2    Feldman, Adamo 3:05

Victor Feldman (p,elp)
Chuck Domanico (b)
Monty Budwig (b)
Collin Baily (ds)
Jack Sheldon (vol,tp)

Recorded 1977 , Concord CJ-38


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転勤先の新天地で、心機一転の活躍・・・・

2007-07-15 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Bill Berry’s L.A. Big Band / “Hello Rev”

会社勤めの人間にとって転勤はつきもの。
オフィスや工場が引っ越すとなると自分の生活の居も動かさざるをえないのはサラリーマンの常であり宿命。
それに較べると音楽で生計を立てている人は、より自由に自分が働く場所も仕事も選べるようにみえるのは、会社人間のやっかみかもしれない。

ところが、音楽の世界でもそうはいかないようなことがあった。

場所はアメリカ、1970年前後。
ハリウッドがテレビ産業の中心になるにしたがって、テレビ番組制作の拠点が西海岸に移っていった。
New Yorkを拠点として番組が制作されていた「Merv Griffin Show」が、L.Aに移ることになった。日本で東京のキー局制作のテレビ番組が関西制作になったようなものだ。
そして、その番組の専属バンドの中核メンバーも西海岸へ移動せざるを得なくなった。

こんな事情で、71年にBill Berryは西海岸に移り、そしてBill Berryを中心として L.A.Big Bandは誕生する。
ハードなスタジオワークの合間の地元での活動の評判も上々、徐々に人気を博して、Concord Jazz Festivalにも登場ということになった。

Bill Berryは、元々Big Band畑で活躍したトランペットプレーヤー。60年代初期はエリントンのオーケストラに参加。その影響か、このアルバムでもエリントンの曲が多い。
そして66年~68年には、New YorkでThad Jones & Mel Lewisのオーケストラに参加。
最初のアルバムや、一番の名盤だと思うVillage Vanguardのライブ盤にも参加している。

この経歴を見ると、Bill Berryのやりたいこと、Bandカラーはよく分かる。
Berry自らも、
Our musical concept is “Swing and have a good time”といっている。

メンバーは、エリントン、ベイシー、ファーガソン、ケントン出身のベテランばかり。
全員がソロプレーヤーだ。このアルバムでも、全員のソロが見事にフューチャーされている。
Berryのアレンジもシンプルで、聴き手も演奏する側も理屈抜きで楽しめるBig Bandだ。

サド・メルがNew Yorkに登場して10年。世の中がFusionの洗礼を受けて、Big Bandの姿も変わっていった時、もう一度サド・メルの初期のコンセプトを引き継ぐBig Bandが西海岸に誕生したのだった。

Berry自身は、Hanna&Fontanaバンドに参加してConcordには登場済であったが、Big Bandで初登場。
レーベルにとっても、これがBig Bandの初めてのアルバムであったが、ConcordのコンセプトにピッタリのBig Bandであった。

モノトーンのジャケットのトランペットの先にカラフルな果物が詰まっている。
洒落たデザインであるが、何となくこのBig Bandの特徴を現している様だ。

1. Hello Rev                     Berry   5:49
2. Star-Crossed Lovers             Ellington 6:18
3. Bink/And How                Berry    11:40
4. Earl                      Kamuca   3:52
5. Little Song for Mex              Berry   3:09
6. Be Your Own Best Friend                1:57
7. Tulip or Turnip            Ellington, George 4:28
8. Boy Meets Horn           Stewart, Ellington 4:07
9. Cotton Tail                    Ellington 7:38

Bill Berry, Cat Anderson, Gone Goe, Blue Mitchell, Jack Sheldon (tp)
Britt Woodman, Jimmy Cleveland, Benny Powell, Tricky Lofton (tb)
Marshal Royal, Lanny Morgan, Richie Kamuca, Don Menza, Jack Nimitz(sax)
Monty Budwig (b)
Dave Frishberg (p)
Frank Capp (ds)

Recorded live at Concord Jazz Festival , 1976 (CJ-27)
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QUINCY JONESが「サンタアナの風」に乗って

2007-04-11 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Go West Man! / Quincy Jones

英文のライナーノーツの冒頭に、「サンタアナ」の風の事が。
南カリフォルニアで冬に東の山から海の方に時に吹く季節風。
涼しい気候に、突如暑い風が吹く砂漠性のフェーン現状だそうだ。
時々、カリフォルニアの山火事がニュースになる。きっとそんな時の出来事なのだろう。

涼しげに「Cool Jazz」演奏をしていた西海岸に、Quincyが突然「サンタアナの風」に乗って登場する。そんな雰囲気のアルバムだ。
ちょうど東からの風。遠くNEW YORKではハードバップが真っ盛り。
RUDY VAN GELDERのスタジオでは、連日のように「BLUE NOTE」のSESSION
が繰り広げられていた頃だ。
この風は、当然西海岸にも届いていたと思う。

時は1957年2月、ABCと契約をして自己の初リーダーアルバム「私の考えるJAZZ」を56年に吹き込んだQuincyは、パリに留学する前にもう一枚のアルバムを吹き込んだ。
それが、このアルバムだ。

西海岸に単身乗り込んで、地元のメンバーを3つのセッションに分けて集めた。
それぞれトランペット、アルトサックス、テナー&バリトンサックスを4人ずつ、それにリズムセクションを集めてのセッションだ。
それも、どの一人をとってみても一流どころを厳選して。
最高のネタを仕入れて最高の料理を。ここは、板前の腕の見せ所である。

このように同じ楽器を何人も集めてアンサンブルを売りにするセッションは、BIG BAND好きの自分としては「お気に入りの部類」だ。どんな音が聴けるだろうかワクワクさせる。

何か企画を立て、全体を旨く纏め上げ、そしてそれらの相乗効果で最高の結果を出す。
何の仕事でも「プロデューサー」と呼ばれる人種にとっては共通の目標だろう。
企画力や実施力だけでなく統率力が求められる。それは、必ずといっていいほどある種の尊敬の念を持って他人に受け入れられる人間的にも魅力がある人間であることが多い。

一トランペットプレーヤーからスタートし、作編曲の仕事を数多く行うようになっていた。そして、ガレスピーのオーケストラのマネジメントを経験したQUINCY。
ここでは、プレーはもちろん、作編曲も提供していない。若くして、今回が早くも「プロデューサー」としての初仕事だ。

プレーヤー選定、3つのセッションの選択、そして曲はメドレー以外、皆オリジナル曲。その仕上げには3人のアレンジャーの起用。
どれをとっても「プロデューサー」QUINCYのこだわりと贅沢さが感じられる。
これは、後のQUINCYに共通するところだ。
美味しい鮨を食べるには、素材と、職人と、そして雰囲気のよい店が必要なのと同じように。

このアルバムから聞こえるサウンドは、もちろんWEST COASTの極上のサウンドだ。
しかし、その味付けは、流行の東海岸風ではなく、あくまでもQUINCY風に。
サンタアナの風は、「QUINCY」そのものであった。

1 Dancin' Pants Giuffre 3:47
2 Blues Day Giuffre 4:40
3 Bright Moon Giuffre 5:17
4 No Bones at All Mandel 3:55
5 Oom Is Blues Mariano 5:06
6 Be My Guest Niehaus 4:27
7 Medley: 6:17
What's New
We'll Be Together Again
Time on My Hands
You Go to My Head
Laura
8 London Derriere Mandel 4:03
9 Kings Road Blues Niehaus 5:02

SESSION A
Benny Carter/Art Pepper/Herb Geller/Charlie Mariano alto sax
Lou Levy piano
Red Mitchell bass
Shelly Manne drums

SESSION B
Harry Edison/Conte Candoli/Pete Candoli/Jack Sheldon trumpet,
Carl Perkins piano
Leroy Vinnegar bass
Mel Lewis drums.

SESSION C
Buddy Collette/Bill Perkins/Walter Benton tenor sax, Pepper Adams baritone sax
Carl Perkins piano
Leroy Vinnegar bass
Shelly Manne drums.

Recorded, February 1957
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MANNY ALBAM AND THE JAZZ GREATS OF OUR TIME VOL.2

2006-12-28 | MY FAVORITE ALBUM
サックスとかクリスマス音楽をテーマにしばらく聴いたが、1958年前後のJAZZにまた戻ってみることにした。
JAZZを聴き始めた頃、この時期の演奏はどちらかというとWEST派のレコードを買うことが多かった。
ブルーノートの有名アルバムはほとんど買わなかった。JAZZ喫茶で良く聞いたせいもあるので買わなかったというのか正解かも。

WOODY HERMANのオーケストラにもスコアを提供していたマニーアルバムは、後年はテレビや映画音楽の世界でも活躍したが、このアルバムはWEST COAST派のメンバーを集めたオーケストラ演奏。
メンバーにもWOODY HERMANで活躍したメンバーも多い。
いかにもWEST COAST派のサウンド。複雑なアレンジというよりは、ソロを生かすための軽快なバックだ。

A面がマニーアルバムのオリジナル。B面がスタンダード曲中心。
JIVE AND FIVEは作曲したハリーエディソンが自らプレーするが、ベイシー楽団での演奏も有名だ。比較するとバンドカラーが出てやはり違うもの。
これが一番お気に入り。

INTERWOVEN
AFTETHOUGHTS
SWEET’S-BREAD
JIVE AT FIVE
THUNDER BURT
HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON
IT’S DE-LOVELY

ARRANGED BY MANNY ALBAM

CONTE)CANDOLI (tp)
JACK SHELDON (tp)
HARRY EDISON (tp)
STU WILLIAMSON (vtb)
HERB GELLER (as)
RICHIE KAMUCA(ts)
MED FROLY(ts)
BILL HOLMAN(ts)
CHARLIE MARIANO(as,bs,ts)
LOU LEVY (p)
RED MICHELL(B)
SHELLY MANN(ds)

Recorded on August 14-16,1957

ポールアンカのダイアナの流行った頃。
コメント (4)
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