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利用者指向で業務分析する場合の手順

2007-01-23 16:18:28 | 開発ネタ

 いままで、「利用者指向」ということを書いてきました。

 これは、
・開発しようとするシステムを、外部入出力によって定義して
    (ってことは利用者だけでないのですが)、
・利用者の一連の業務の流れに対応する、システム内部の流れを明らかにしていこう
というものです。

 そして、利用者の業務範囲や、利用者の種類を広げることで、システムを拡張していきます。
(その場合でも、つねに、業務範囲の一連の流れをトレースして決めます)

 で、実際に、どうやるかということを、給与システムを例にまとめてみたいと思います
 (以前、大体書いた気もするけど、例をつけてまとめます)




■まずは、利用者を体系づけて分けます

 利用者にはいろいろいて、いっぺんに扱うとたいへんなので、
 利用者を恣意的にではなく、分類基準を付けて、体系的に分けます。

 たとえば、給与だったら、支払い方に応じて、分類します
  ・時給の人
  ・正社員で月給の人
  ・年俸制の人
 などなど。。

 この分類の仕方は、いろんな仕方ができます(たとえば上記の例なら
   ・独身の人
   ・結婚した人
   ・子持ちの人
 や、
   ・こきつかわれる社員
   ・管理職
   ・役員
   ・一番偉い人
 などなど)
 で、どの分類にするかは、その後、大きく影響してしまうのですが。。
 。。。ここがセンスです。つまり、システム構築とは経営の一種でありまして、
 経営とは、客を見抜いて分類し、それぞれに、対応することなんであります。




■今回対象の顧客について、システム利用(入出力)場面を考えます

 顧客が、どのときにシステムを使うかについて考えます。
 そのときの入出力を明らかにします。

 たとえば、給与システムだと、
   ・会社入社時に、入社したよと利用します。
   ・やめるときに、退職したよと利用します。
   ・毎日(毎月)勤務時間などを入れます
   ・月一回計算して、給料をもらいます
   ・ボーナスももらいます
   ・退職金ももらいます
   ・出張のとき精算します・・・・
      :

  書いてると、切りないのでやめますが、とにかく、システムを使うときを挙げます
 (ここで、仮にもれていても、次の作業で、明らかになるので、あんまり気にしなくてOK
  です)

  なお、このとき、どの範囲までシステムを使うかを考えながら挙げます。
  出張費は関係ないかもしれません。退職金は扱わないかもしれません。。
  などなど。。




■ひとつの場面をとって、入出力を、まず出力から確認します

 その中の場面1つ1つをとって、まず、出力を確認し、
 その出力値を生み出すために、入力情報が足りているかどうかを確認します。

 たとえば、給料をもらうことを考えて見ましょう
 このとき、システムからの出力は、給料と、給料明細です。

 さて、給料のほうですが、これは、何とか銀行に、いくらいくら振り込まれているわけです。

 そのとき、銀行を、入力しているか?って考えます。
 入社時はいいかもしれませんが、銀行が変わったときの変更はしてないかもしれません
 そしたら、銀行変更処理を上記の「システム利用(入出力)場面」として追加します。
 金額は。。。給与明細に書かれた金額です。
 では、給与明細を確認しましょう。

 基本給は。。。どうやって決まるんでしょう。入力は足りているでしょうか?
 手当ては。。どうやって決まるんでしょう。それを計算するための入力は足りているでしょうか?

 てな具合に考えていきます。

 これを、全出力やります。。。っていうときついので、
 今対象にしたいものだけ、やって、先に進んでもOKです(結局最後には全部やんないといけないけど)




■入力を受け取ったら、どうやって出力まで持っていくか、システム内のプロセスを考える

 さて、入出力ができたら、その入力を、どうやって出力にまで持っていっているのか、システム内部の処理の流れを考えます。
 外部入出力には、かならず、それに対応するシステム内部の処理がありますが(コレがバウンダリ)それだけではすみません。そのとき、どんな処理があって、どんな入出力をやっているのかを考えます。

 たとえば、給与だったら、勤務状況入力と、給与支払いはありますが、この間に何があるか?ということです。それは実際に、勤務状況を入力してもらったあとに、何をしているかを考えれば(多分計算をして、振り込み手続きをしている)わかるので、それを、必要データはちゃんと来ているか、おさえながら、プロセスを追加していきます。




■ある出力ごとに、シナリオをつくる

 そしたら、ある出力イベントごとに(必ずしも全部ではない。一通り出てくればOK、場合によっては入力だけのこともありえるけど)、利用者が何をして(入力)、そーすると、システムのどのプロセスで受けて、その後、何して、どー出力されて、利用者に届くかのシナリオを、具体的数値をいれて、作成します。




■で、範囲を広げていく

 で、必要なら、範囲を広げ、違う利用者で、やはり入出力をチェックし、上記作成のプロセスで処理可能か、追加するものがあるかどうかを確認し、修正・追加する必要があれば、修正・追加します。




ここまでで、現状(AsIs)の状態ができます。

ToBeにもっていくには、どうするかについては、長くなってしまうので、別の機会に書きます。

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