20年位前、1980年代終わりごろから、最近まで、ソフト業界とかその周辺の変遷について、特にソフト開発の立場を中心に見て行く、土日シリーズ「失われた20年-ソフト業界は変わったのか?」その第11回目。
今、1995~99年までについてです。今回は、そのころの開発方法論、その1ウォーターフォールについてです。
■ウォーターフォールは、ほぼ完成
1990年代後半において、ウォーターフォールの開発方法論は、ほぼ完成し、そこで作られるドキュメントに関しても、前回書いた、情報処理試験テキストの一種用の、
第一種共通テキスト 15 応用システム開発技法
ISBN4-89078-452-7
にそのドキュメントサンプルが記載されている。
以下、そこに記載されているドキュメントをあげてみると、
こんなかんじ(ページ数は、上記の本のページ数)
・要求仕様書(71ページ) 目次 システム化の目的 システムの概要 情報要件 制約条件、システム構成 費用対効果、開発計画 ・外部設計書(138ページ) 変更記録 目次 新システム概要 新システム業務フロー システム機能仕様書 入出力仕様書 ファイル仕様書 補足資料 ・プログラム設計書(369ページ) 変更履歴 目次 プログラム機能概要 機能階層図 詳細処理仕様 利用部品一覧 入出力一覧 データベース情報 テーブル一覧 メッセージ一覧 ・(障害管理 - 492、491、495) 不具合管理簿 不具合管理用報告書 変更依頼書兼検討結果報告書 |
なお、テストに関しては、用紙は載っていないが、
単体テストの実施手順が482ページ、結合テストの実施手順が484ページ、システムテストが486ページに載っている
上記の本には、これらに書く内容が、細かく記載されている。
■しかし、問題が出たのもこのころ
というので、ウォーターフォールは一応の完成をみた。
しかし、ウォーターフォールの開発期間が長いため、時代はどんどん変わり、要求もどんどん替わるけど、途中変更ができないといったような、ウォーターフォールの問題も、このころではじめました。
ということで、どーいう開発方法論がよいかと、さまよいはじめることになります。
次回のこのシリーズでは、ウォーターフォールでも、そして、DOAの世界でも使われた、デマルコの構造化分析やDFDのお話についてです。