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憂生’s/白蛇 セカンドハウス

笑う女に寄せて

2015年09月16日 | 作品に寄せて・・2

この作品は

確かにきわどい性表現がある。

そして、裏側には社会的にもニュースになっている

介護が必要な立場の人間にたいする暴行や虐待という問題がある。

憂生自体は、

直接、介護するという立場ではなかったが、

養護施設にちかい職場にもつとめたことがある。

昨今、面白半分で

性表現のある読み物をかいている人間も多い。

感覚がずれこんでいるのだろうと思うし

きわどく描写する憂生もどこかでずれこんだ人間だろうとは思う。

だが、

笑う女をよみなおして、思うのは

最初の、あるいはところどころの性表現をおもしろがって読んでいればいるほど

ラストに掲げられている

「自分こそが性にあやつられ、おどらされる、傀儡である」

と、いうことになるということだろう。

 

この物語を読んで、あおられているような

あるいは、そういう表現をめあてにして読んだとしたら

この物語のラストで

「そういう風に読んでること自体が、傀儡である」

と、突きつけられることになるのではないかと思えた。

どういう思いでよんだかは、本人にしかわからないことだけど・・・。

 

過去のコメントから

 

この話をかきながら、職員が暴行するという設定に迷っていた。
車椅子にのった河原さんは、こういう事がある。
と、いうことをはなしてくれた。
一方で、障害者が性への希求をもったときに、
当時でいえば、ソープにいくことはおろか、
そういう希求をもつことにさえ、蔑視があった。

ところが、この話をかいている途中だったと想う。
車椅子にのった方が
「今は、セックスボランティアがありますからね。
私もちょくちょく、お世話になっています」
と、コメントを残してくださった。

一方で、障害のある子供をもつ親も、この物語をよんでいた。

子供が男の子か、女の子で、受け止め方はちがうかもしれない。

男の子であれば、性的希求をもつころに、その希求をかなえることもしらず、
性をしらず、一生をおえさせてよいのだろうか?
かといって、通常、結婚に結びつかない状況であり、
ただの欲望の昇華をおしえてしまうことも惨いことかもしれない。

車椅子のかたも河原さんも、身体的には障害があっても、
精神的には障害(ちょっと、問題のある表現だと想う)はない。
むしろ、より優れた知能と知識を持っている。

この物語は、主人公を女の子にしたけれど、
男の子とて、性への希求をもつだろう。

そのときに職員が暴行とみなされることをしたとして、
はたして、
「希求をかなえてやりたい」というものがひとつもないといえるだろうか?

確かにレイプでしかない場合もあるとは想う。

職員側の問題として、考える部分はあるが、
セックスボランティアを利用するという言葉のとおり、
希求がないとはいいきれない。

軽々しく書けることではないし、ここに書いたことなど、考えで物をいおうとしていることにすぎない。

「性への欲望」が良識ある人間の地位も名誉もうばうほど
「理性」をなくさせるものであるならば、
その「性」のエネルギーのすさまじさを想う。

そのエネルギーの噴出がないとはいいきれない。

*******

笑う女のタイトルを考えた時に
二重・・・三重の意味をこめた。

 

本名・・恵美子
の、特徴?である、笑った顔の笑子と
えみこの名前と同じ音の笑子を使う。

そして、
この笑子は最後までヤッパリ笑う女のままで。。。
笑子はなんにもかわっていない・・・。

だけど、
笑子を取り巻くものの接し方?で
笑子の笑が異質なものになってくる。

笑子が笑ったままであることで
知らずのうちにしっぺ返しをしてしまう。

最後の部分は初めから設定していたことだったんだけど
そこまで、もってゆくために、
紆余曲折?にもがきました。

笑う女というタイトルは
笑子が童女のままであることも含めていますが
「俺」にとって
笑う女・・・は・・有る意味物凄く怖い意味になってきます。

いつだったかレイに少しコメントしたけど
笑子と小枝は裏表みたいなものだって。

どちらの女性も
性を求めてゆく・・・その根本は変わらない気がします。

だけど、
性が生につながらない部分で
生と性の主従が逆転して
笑子にいたっては生まない体になることの方が幸せであり
小枝は逆に命を紡いでゆくことが幸せになる。

自分でも、なにを思って
コンナ話をかいたのか、よく判らないのですが
やっぱ、根本は
性はとっても慎重に扱わなきゃなんないものなんだよって
そんなところかもしれません。

憂生の作品は、性に触れる物事が多いのですが
こういう特殊な状況をかいて・・
う~~ん。
待てよ。
他の作品も結構特殊な状況下の性・・・多いな。

ま、いいや。

特殊な状況に置いて
主人公達が何を思うか・・・。

そこらへんが、掘り下げてゆきたい部分かもしれません。



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