メドウサ
メデューサの頭部 (Haupt der Madusa) 1617-1618年頃
68.5×118cm 油彩・画布 ウィーン美術史美術館
17世紀にフランドルを始め諸外国で活躍した巨匠ピーテル・パウル・ルーベンスが1617-18年頃に手がけた傑作『メデューサの頭部』。動物や静物の描写を得意としていた同時代の画家フランス・スナイデルスとの共作とも推測されていたが、現在は全面をルーベンスが手がけたと考えられている本作に描かれるのは、海の老人ポルキュスと海の怪物ケトの間に生まれた三人の娘(ゴルゴンたち)のひとりで蛇の頭髪を持ち、見る者を石にしてしまうと恐れられていたメデューサ(女王の意)の、英雄ペルセウスによって切り落とされた≪メデューサの頭部≫で、斬首された首から流れる鮮明な血や、自分に刃を向け死へと陥れた者を忘れまいとするかのように見開かれたメデューサの眼の生々しい描写は、本作を観る者に極めて生々しい印象を与える。一見すると本作は非常に恐々とする作品のように感じるが、英雄ペルセウスが敵対するフィネウス一味をメデューサの首を掲げ退けた(石に変えた)という伝説や、メデューサの首が戦いの女神アテネに捧げられたとされる神話から、武具や壁の装飾におけるシンボル的な要素として、しばしば用いられてきた題材であり、本作もそのような教養を持った注文主からの依頼によって制作されたと推測されている。source
メドゥーサ
(古希: Μέδουσα, Medoūsa)は、ギリシア神話に登場する怪物。ゴルゴーン三姉妹の一人である。姉はステンノー(「強い女」の意)、エウリュアレー(「遠くに飛ぶ女」の意)と呼ばれメドゥーサは三女に当たる。その名の語源はmedousa(女支配者、女王)である。
日本語では長母音を省略してメドゥサ、あるいは英語などでの表記・発音の影響からか、メデューサとも書く。
(wikipedia)
宝石のように輝く目を持ち、見たものを石に変える能力を持つ。かつては見た者を恐怖で石のように硬直させてしまうとされていたが、途中から現在知られている形に解釈される。頭髪は無数の毒蛇で、イノシシの歯、青銅の手、黄金の翼を持っている(腰に蛇をまいた姿や、下半身がイノシシの胴体と馬の下半身になった姿で描かれる事も)。
海の神であるポセイドーンの愛人であり、ポセイドーンとの間に天馬ペーガソスとクリューサーオール(「黄金の剣」の意)がいる。ペルセウスによって首を切り落とされ退治された。
本来は、ギリシアの先住民族であるペラスゴイ人(もしくはアナトリア半島)の神話の中で主たる女神の内の一柱であった[1]。また、コリントスでは大地の女神とされていた[1]。ポセイドーンも元はヘレーネス(古代ギリシア人)到来以前から古代ギリシアに存在していた神であり、二神は夫婦であった[1]。
春の花咲く野で神に略奪された少女としてペルセポネーに近く、「女妖怪」はいわば美しいペルセポネーのもうひとつの面といわれる。(『オデュッセイア』11.634)
「自分の髪はアテーナーの髪より美しい」と自慢したメドゥーサはゼウスの娘アテーナーの怒りを買い、美貌は身の毛のよだつような醜さに変えられ、讃えられるほどの美しい髪ですら、一本一本を蛇に変えられてしまう。しかし、アテーナーはそれで許そうとせず、ペルセウスがメドゥーサを退治しようとした際には、ヘルメースとともに彼を援助している。
彼女の切り落とされた首から滴り落ちた血はペルセウスによって二つの瓶に集められ、アテーナーに献上された。右側の血管から流れて右の瓶に入った血には死者を蘇生させる効果が、左側の血管から流れて左の瓶に入った血には人を殺す力があったとされる。アテーナーは後に、メドゥーサの頭の左側から抜き取った人を蘇生させる血をアスクレーピオスに授け、アスクレーピオスはこの血を混ぜた薬を使用した。
石化された者を戻すには彼女の涙が有効とされている。頭に生えている蛇は「メドゥシアナ」と呼ばれ、引き抜いて単体で動かす事も可能とされる。だが、この蛇は女性に噛みつく事はできず、男性のみを狙うとされる。
2012 10 24 竹島の敵を 殲滅せよ 【わが郷】