我が郷は足日木の垂水のほとり

文化芸術から政治経済まで、貧しくなった日本人の紐帯を再構築したいものです

アンドリュー・ワイエス

2009年07月31日 | 芸術

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 アメリカン・リアリズムの大御所です。今年の1月16日に物故しました。91歳の大往生とはいえ残念なことです。つい最近テレビにも出演されていて、こうなるとは思いませんでした。

                                                
ワイエス
画集 カーナー農場〔1944-1975〕WYETH AT KUERNERS

発行者 小川道明
株式会社 リブロポート

1981年3月20日 初版第一刷


私の本棚に上記の画集がある。過日、家人と神田の古本街をあるいていたらこれと同じのがあった。値段は、五万円。ちなみに購買時の定価は、15,000円である。鼻が高かった。アメリカの画家では彼が一番のお気に入り。控えめで押さえた色調だが、丹念に描き込んだ細密描写は、リアリズムの最高峰との評価が高い。

 

 


 2008年11月8日 - 12月23日
 Bunkamura ザ・ミュージアム
  主催; Bunkamura
 東京新聞


 2009年1月4日 - 3月8日
  愛知県美術館
 主催;
 愛知県美術館
 中日新聞社

 2009年3月17日 - 5月10日
 主催;
 福島県立美術館
 福島テレビ

残念ながら、もう巡回展は終わってしまっている。私も残念所用が立て込み観られなかった。だが手元には件(くだん)の画集と、家人がもとめてきた巡回展の図録がある。これで我慢しながら、イメージだけでもワイエスの世界に浸りたいもの。彼は1917年ペンシルヴェニア州で著名な挿絵画家の末子として生まれた。彼の父は売れっ子の挿絵作家で、子供のワイエスにも売れる画を描くように勧めていたらしい。しかし彼が興味があったのは、華やかな花や、物語のヒーローではなく、ごくありふれた一般の人。そしてありふれたアメリカの住宅。そして窓とレースのカーテンと風。

 

彼の画には写真から描き写したのではないかとの、思いを致させる何かがある。

画像の上でクリックして頂ければ、より大きな画像になりますので、そうして観てもらえればより詳しいのですが。左上の柵の奥に向かって極端に小さくなってゆく遠近法。まあるく微妙に盛り上がった枯れた牧草地。まるで広角レンズで切り取ったかのような画像です。それに少年の陰が妙にリアルで写真の介在を想わさすのです。

作家の視点は少年の前方、かなり上空にあります。本来なら少年の足許前方にも、画家の陰が落ちている筈です。それがない。後方の牧草地と空の境界線も、凝視してみれば不思議なラインです。写真的イメージで構成してはあるようですが、作為には別のたくらみが隠されているのだと想います。

この絵は少年の孤独がテーマなのでしょう。少年はWyeth自身で、見下ろして描いているのは彼の父なのかも知れません。

この作品が描かれたのは、彼の父が交通事故で亡くなってから半年後とされています。
 

 

 

(Andrew Wyeth,1917年7月12日 - 2009年1月16日)

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