街~運命の交差点(SS、PS)

こんばんは。

今回はチュンソフトのサウンドノベル第三弾「街~運命の交差点」
についてまとめてみたいと思います。

第一弾の「弟切草」、第二弾の「かまいたちの夜」に続いての
サウンドノベル新作はセガサターンで発売されました。
この作品は過去二作品と違って、かなりの意欲作だと言えます。
まず、グラフィックが全て実写でした。
登場人物は活躍中の役者を用いて渋谷でロケを行いました。
ちなみに渋谷区では撮影の許可がおりず、全てゲリラだったそうです。
舞台は現代の渋谷。普通に生活している8人の男女から一人を選んで
スタートです。誰を選んでも構いません。
後で説明しますがこのゲームは全員が主役で、全員が脇役です。

今までのサウンドノベルは、主人公の男性とヒロインの女性に
名前を付けてゲームがスタートします。
その為割と感情移入がしやすかったのですが、「街」では最初から
名前も決まっています。
実写の功罪としてイメージが完全に固定されてしまい、感情移入が
出来なかった、という意見を見た事があります。
それはある程度理解できます。

しかし、「街」は感情移入して話にグイグイ引き込まれるという
作品ではないと思います。
どちらかと言うと荒唐無稽なコメディタッチの話を俯瞰(ふかん)
で眺めるような感じです。

文章と想像力が楽しみ方の一端を担うサウンドノベルで、そんなのが
面白いの?と思われるかもしれません。
そこで、「街」独自のシステムと面白さについて説明します。

「街」はZAPTIPという2つの単語がシステムの幹となっています。

まずはZAPから。これはいわゆるザッピングというものです。
最初に説明しましたが、今作は8人の登場人物がいます。

例えばひ弱な男とガタイの良い男がいたとして、町中でその二人が
出会ったとします。

「目の前には年上のガタイの良い男がいた」というような文で
色の違う分をチェックすると、相手の話に飛ぶのです。
「俺の前には見るからにひ弱そうな若い男がいた」という感じです。

ブログに例えると引用、言及している別のブロガーさんのリンクを
クリックするようなものでしょうか。
そのようにしていろいろな登場人物の話に進む事が出来ます。
ZAPにより、誰でも主役にも脇役にもなる訳です。

そしてもう一つのTIP。
これは話の中で出てくるいろいろな単語で違う色のところがあり、
それをクリックするとその用語の説明を見る事が出来ます。
ブログでいうとはてなダイアリーなどの用語解説みたいなものですね。
どうでも良いムダ知識から笑ってしまうエピソードなどがあります。

この二つが今までのサウンドノベルとは全く違うシステムを作り出して
いる事に成功しています。
もっとも、そのせいでいろいろな人の話に飛ぶ事で話がブツ切りに
なって全体を把握しづらい事は否めませんが、そのマイナス面を補って
余りある魅力あるシステムになっています。

話を読み進めていくと様々なアクシデントで、バッドエンドとなり
終わってしまう場合があります。
その場合は別の人の話を読み進めて行くと、前の人のバッドエンドを
回避する選択肢があったりします。

例えば、前述のひ弱な男がカツアゲに遭ってしまいバッドエンドに
なるとします。
ガタイの良い男がそれより前の時間軸でカツアゲの人をボコにする
選択肢を選んでいるとひ弱な男はバッドエンドを回避できます。

このように別の人の何気ない選択肢、行動が他の人の話に影響して
いる事があり、8人の話が複雑に絡み合った糸のようになっている
状態から解きほぐしていくパズルのような快感が味わえます。
そうして8人全員が渋谷での7日間を無事に過ごせればエンディングです。

個々の話もさる事ながら、他者と絡んでいく話で矛盾なくここまで
作り上げたチュンソフトには本当に敬意を表したいと思います。
余談ですが、「ラブ・アクチュアリー」という映画はこの「街」の
ように色々な人の運命が絡み合って行く物語で面白かったです。
「街」はPS one book(廉価版)で2940円とお求めやすいので
オススメです。

以上、長文失礼しました。

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stars最高の作品
stars極上のドラマ性に震え上がれ!
stars毎晩徹夜してしまいました…(笑)
stars運命の交差点
starsこれは素晴しいゲームです

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ラブ・アクチュアリー
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stars愛はすぐそこにある!
starsなごみます
starsみんなの恋
starsいろいろな形の愛
stars愛する人のいることの素晴らしさ

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コメント
 
 
 
懐かしい。。。 (春海)
2005-08-20 01:42:07
かなり前にやりました、コレ。

メチャメチャハマりました。

でも結局隠しシナリオまでたどり着く前に飽きましたが…(笑)



まだ若い窪塚とか、北陽の人とか、

意外な人が出てるのも面白いですよね。



 
 
 
本当の金のシオリ (リオン)
2005-08-20 02:03:23
ご無沙汰しております。

ADSL復帰おめでとうございます。



さて、このゲームはサターン版とPS版両方をやりつくしました。

渋谷の街がよくわかったり、最後の方は感動でやばいなぁって思いながら見ていた思い出があります。



サターン版では、早解きコンテストで本当の金のシオリをチュンソフトからいただきました。

そして、PS版では入っていない(削除された)あんなシーンとかが記憶に強烈に残っています。



街2を作る予定が、いろんな問題で作れなかった訳ですが、金八先生として、システムは残される事になりました。

でも、金八先生とは違った、面白さがこの街にはあって、最高峰のサウンドノベルとして僕もおすすめします。
 
 
 
すごい食いつきですね(^^;ゞ (USHIZO)
2005-08-20 13:35:03
こんにちは。



記事にした途端にお二方からコメントが来るとは思いませんでした(^^;ゞ



>春海さんへ



すごいボリュームですよね。

サウンドノベル史上No.1かも。

続編を望む声が多数あるのもうなずけます。

もしまだ持ってるなら頑張って残りをやってみて欲しいですね。





>リオンさんへ



ノベル好きのリオンさんはやはりやってましたか(^^;ゞ

しかも相当なやり込みようですね。

これは本当にオススメの作品ですよね。



私も隠しシナリオを含め、やり尽くしましたが

本当に楽しめました。



それでは、失礼します。
 
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