古今集第五十九番桜花(書) 2010-08-16 06:26:00 | 書 桜花咲きにけらしなあしひきの 山の峡より見ゆる白雲 紀貫之 桜の花が見事に咲いたのだろう。こちらから眺めると山と山との間に白雲が湧き立つように見える。平安期の大和絵屏風にこんなような光景がよく見られる。
日本ラインくだり(写真) 2010-08-15 06:32:31 | 写真 大揺れてシートに防ぐ水しぶき 日本ラインの瀬を下るとき 樋田哲仙 木曽川の美濃太田から犬山橋までの13㌔を両側から迫る岩の間を縫うように下るスリリングな和船の川くだり。雄大と清流がドイツのライン川に似ていることから志賀重昂が名づけた日本ライン。多くの奇岩、珍石が異様な景観を作り、1時間弱の船旅が楽しめる。船が手漕ぎなら、もっと情緒が出るのだが、船外機の運行では寂しい。
朝顔二輪(墨彩画) 2010-08-14 05:24:52 | 墨彩画 強き風に傷められても怯まずに 立ち直りつつ朝顔の咲く 樋田哲仙 垣根を埋め尽くす朝顔の大敵は強風である。生き生きとした緑の葉に色とりどりの花をつけて楽しませてくれるのだが、突風や強風にあおられると、葉が千切れたり、折れたり、破れたりして無残な姿になってしまう。だが、すぐに立ち直りをみせ花を咲かせる。1週間もすれば何事もなかったようになる。シーズン中に一二度風が襲うが、力強いものだ。
古今集第五十八番誰しかも(書) 2010-08-13 05:34:36 | 書 誰しかもとめて折りつる春霞 立ちかくすらむ山のさくらを 紀貫之 一体誰が出かけて行って折ってきたのだろう。春霞が立ち込めて隠れている桜を。作者は感心もし、呆れてもいる。折られた桜の枝を見て詠んでいる。
長良川鉄道お座敷列車(写真) 2010-08-12 05:58:05 | 写真 清流を右に左にはしゃぎゐる 旅は長良のお座敷列車 樋田哲仙 第三セクター長良川鉄道のお座敷列車に乗車した。美濃太田ー北濃間72㌔走る。乗車したのは大矢ー美濃市駅を観光用に衣替えした畳敷きとテーブル3台を置く1輌で6駅停車しない特急となり、長良川の清流を左右に眺める。旧国鉄越美南線廃止論に地元の熱意で存続したローカル線。美濃加茂、関、美濃、郡上八幡、白鳥を結ぶ。
クツワムシ鳴く(水墨画) 2010-08-11 05:39:31 | 水墨画 轡虫草丈あれば待ちきれず まだ明るきに騒がしく鳴く 樋田哲仙 クツワムシは一般に夕方から夜にかけてガチャガチャと騒々しく鳴く。ところが、草丈の中では昼間から鳴くことがある。音色のいい虫とは言い難いが虫の声と思うとうるさいとは思われない。捕らえ方はいたって簡単で、鳴声のする辺りの草を踏み倒すと、慌てて虫が飛び出してくるので居場所の確認が出来る。それを捕らえればよい。他の虫とはぜんぜん捕らえ方が違う。
古今集第五十七番色も香も(書) 2010-08-10 06:05:06 | 書 色も香もおなじ昔にさくらめど 年ふる人ぞあらたまりける 紀友則 色も香りも昔のままに桜は咲いているけど。年月を経てやってきて見る我々は老け込んで姿がすっかり変ってしまったワイ。
喫茶「KOYO」で(写真) 2010-08-09 05:06:59 | 写真 甲山下り終へたる駅前の 茶店にはづむ歌の人たち 樋田哲仙 門戸厄神に参詣を済ませ、甲山森林公園をぬけて神叶寺(甲山大師)へと立ち寄った後は暑い中の長い道を一気に甲陽園駅へと下った。疲れを癒すために駅前の喫茶「KOYO」へ入ると、女性7人のコーラスグループの練習。月1回、リーダー葉山さんのリードで「南の花嫁さん」「りんごの唄」などアイスコーヒーを飲みながら疲れを癒した。歌の合間の会話も笑いが絶えなく楽しそうだった。
咲き競うヒマワリ(水墨画) 2010-08-08 06:22:34 | 水墨画 向日葵の巨大迷路に挑みゐる 子らの歓声暑さを飛ばす 樋田哲仙 昨年、台風9号による大きな災害が発生した兵庫県佐用町にある南光はヒマワリが特産。7地区の29㌶に150万本が7月下旬をピークに咲き競う。中でも宝蔵寺地区は4・6㌶と最大で甲子園より大きい。種子から油を搾り、280㌘1本に80本の花、16万個の種子が必要という。花畑には巨大迷路も誕生し、子どもらが楽しむ。
古今集第五十六番(書) 2010-08-07 05:57:31 | 書 見わたせば柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける 素性法師 はるかを見渡すと緑の柳と紅の桜をうまく織りなして、平安のこの都を春の錦を延べたようで美しいものである。素性法師は、六歌仙の一人僧正遍照の子で、自らも三十六歌仙の一人。
三井寺三重塔(写真) 2010-08-06 06:32:21 | 写真 二度三度訪ねながらもはじめての 思ひに仰ぐ三井寺の塔 樋田哲仙 三井寺の訪問は数回はある。団体や複数で訪ねているので自由に行動が取れないこともあるが、一度は見ているはずなのに、三重塔は記憶がない。なんだか初めて見た思いで仰いだ。境内が広大で三重塔の建つ場所は少し離れた大師堂や潅頂堂の一角にあるからだろう。室町時代の建築で需要文化財とある。
渓谷の中(水墨画) 2010-08-05 05:49:43 | 水墨画 今年ほど熱中症を聞くはなく 日陰の恋し水辺の恋し 樋田哲仙 7月の1ヶ月で熱中症の死者が全国で94人、救急搬送は1万八千人と報じた。梅雨あけ後急増しだし、2008年の猛暑のときを上ま回ったという。気温の高かった関東に増加。高齢者は外出ばかりか、室内でも発症し、死者も出る始末。水分補給をこまめにすることが最善の対策らしい。自分だけはと安易に考えずに実行するしかない。
古今集第五十五番見てのみや(書) 2010-08-04 06:12:17 | 書 見てのみや人に語らむさくら花 手ごとに折りていへづとにせむ 素性法師 どんなに美しい情景を記憶してみても、人に語ることは出来ようか。桜の花を各人が折って、家への土産に持ち帰ろう。グループで花見に出かけて即興的に詠んでものだろう。現在なら枝を折るなんてマナー違反で考えも及ばない。 今日でブログ1900回。
三井の晩鐘(写真) 2010-08-03 05:20:42 | 写真 聞きたきは近江の国の八景の 高き響きの三井の晩鐘 樋田哲仙 高尾山神護持、宇治平等院とともに三井寺(園城寺)のぼん鐘は「天下の三銘鐘」の一つに数えられる。一方「近江八景」の一つ三井の晩鐘としても名高い。大津市北部の山麓に広大な境内地を有し、金堂正面左にぼん鐘はある。見た目には意外と質素で、これが有名な鐘かと驚いた。鐘の響きは湖面をはうように遠くまで届いたという。一度聞きたいものだ。
高原の里(水墨画) 2010-08-02 06:43:48 | 水墨画 両サイド落として再度描きみる サイズ違ひに高原の里 樋田哲仙 この絵は4月22日に掲載した4号色紙の両サイドを切り落として普通サイズの色紙に描き直したものである。今までに描いた絵の中で不要と思われる部分を省いてみたり、全く別のものを付け足したりすることで一つの絵にすることはよくある。筆のタッチがいつもと異なっていても描きやすさがあって、再度描き直してみた。