Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

隣組⑧

2012-07-06 12:30:11 | つぶやき

 隣組⑦より

 隣組とは直接的には無関係だが、もう少し交通安全協会のことに触れてみよう。

 毎年この時期に組織を運営するための収入の主たる会費徴収が行われる。規約によれば会員は会を置いている自治体に居住するも者で、運転免許証を有する者としている。「居住」の定義まで持ち出す必要はないが、そもそもが自治会の関連組織でなければ、もちろんのこと会員であるかないかという判断は任意である。定義されている者が皆会員というわけではない。ようは会に加入しているかどうかの判断は会費を納めたかどうかによって確認されるもので、会費を各戸単位で徴収している現状では名簿登録者の全てに入会の意思を確認しているわけではない。徴収する側は居住している方で免許取得者の人数分を徴収しているわけで、代表者(というか支払い者といった方が正しい)の判断で各戸の会員数が決定する。

 会費徴収の際には前年の名簿を見ながら徴収していくわけであるが、その人数は必ず確認する。明らかにもう何年も居住して車を所有しているにも関わらず会員になっていない居住者が解っている家では、あらためて会員資格を示して協力を要請する。おそらく前年の名簿から落ちているということは新たに居住が発生した段階、あるいは免許を取得した段階からずっと名簿からは欠落していたと推測される。たった数百円とはいえ、どう捉えても得とは思えない会に入会などしない方が良い。とすれば「前年通り」で済めばそれにこしたことはない。そうして新規資格者であっても徴収側が示唆しない限り「前年通り」でことは過ぎていく。しかしいっぽうで規約の通り新規に資格を持った段階から会費を納めている人もいる。どうみても不平等感を抱くわけで、せめてわたしの感覚としては資格があればすべての人に納めてほしい、という組織側の意識が生まれてしまう。もちろんこの組織の必要性などまったく感じていないのに、役を仰せつかった以上義務として平等性を意識してしまうし、前段にも述べたように本来の主旨とは異なった意識を持ち合わせてしまう。

 集める側にとっては困った話なのだが、先日こんなことがあった。その家の主に会費徴収のことをお願いし「いくらだな」と聞かれ、「免許を持っている方の人数分をお願いします」と返答した。こちらが何を意図しているか汲んだのだろう「昨年はどうだった」と聞くのである。おそらく相手側も夫婦2人分だと認識した上で返答したと思われる。嘘を答える必要も無く「2人です」と返答したわけであるが、ほかに該当者がいることを訪れたわたしも、支払う側も認識した上でのやり取りなのである。すると「俺が判断するものでもないから」と本人に確認してみるから待ってくれと言うのである。数百円という小額なものである以上、集める側としては主の判断で決めて欲しかったのであるが考えてみればあくまでも個人としての意思表示であるのだろう。このようなやり取りをする家はまず皆無なのだが、実は本来ならこうあるべき、というか家単位ではなく個人から徴収するのが本来と言えるだろう。しかしそのようなことでは会費徴収がままならないのと、会員そのものも減少してしまうことは解りきっているから「家」という単位が発生し、さらには隣組、自治会、支会、地域組織と組織化されていくわけである。自治組織の基本構築ともいえる個人を消してしまう方法なのである。自治体にかかわる多くの組織が同じように構築されていると思われるのである。ちなみのこの地域組織の事務所は「○○町役場内に置く」と規約第1条に掲げられている。

 続く


コメント    この記事についてブログを書く
« “田んぼの生き物たちのいま”... | トップ | 隣組⑨ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

つぶやき」カテゴリの最新記事