写真1
写真2
泰阜村はこの20日にも訪れた。先週訪れた際には残っていたハザもことごとくなくなり、脱穀されてしまっていた。それでも高町などにもまだ残っていハザがあり、日当たりの条件もあるのだろう、多段式で固定されているものも散見される。地域性というより「いかによく乾かすか」が重視されているのがこうした山間のハザと言えそうだ。阿南町でもそんな日時間の影響なのだろうが多段式のハザが西条など町の中心で見られるが、尾根上の日当たりの良いところでは多段といっても2段程度のものが多く見かけられた。
写真1は先週の10月15日に阿南町の北側、そして泰阜村とは天竜川を挟んで西側にあたる下條村小松原で撮影したものである。すでに脱穀され、ハザを分解すれだけの状態であるが、鉄パイプの三脚の中央から吊り下げ用のフックが降りているのがわかる。そのフックで1段目と2段目の竿を吊っているのである。木と鉄の支柱を交互に設置しているが、鉄パイプの支柱が主たる荷重を負っていると見て良いのだろう。また、写真2も写真1の隣接地にあったハザである。水田から運んできて掛けているもので、意図的に方向を変えてハザを設置している。さらにハザの間に空隙があるのも意図的と見られ、風通しを考えたハザなのだろう。記憶に定かではないが、こんなイメージのハザを雪国の方で見た覚えがある。しかし南信でこのようなハザの設置し方はまず見た記憶がない。
さて、先日の日曜日、ようやく我が家も脱穀をした。雨が振って数日後ということもあってもう数日は置きたいところだったが、翌日から雨の予報が出ていた。その通り今週は雨天続き。ハザに掛けている稲作農家にとってはここのところの天気は嬉しくない。郡内を見て回っても阿南町新野や売木村のように稲刈そのものが遅い地域はともかくとして、それ以外のすっかり脱穀が終わってしまったような地域でも、まだこれから稲を刈ってハザに干す、などという農家も希だがある。最近の夏場の高温のせいで、稲は遅く植えて遅く刈るという方向に動いている農家もあるが、何よりこのごろの天候の傾向を想定すると、ハザ掛け米を作っている農家にとっては9月はもちろんのこと、10月も天候に恵まれることが嬉しいわけである。
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