にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

『BIUTIFUL ビューティフル』

2011年08月04日 | MOVIE
『BIUTIFUL ビューティフル』BIUTIFUL(2010年/スペイン・メキシコ)
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。
出演:ハビエル・バルデム。マリセル・アルバレス。ハナ・ボウチャイブ。ギレルモ・エストレラ。

スペイン、バルセロナ。不法就労者への仕事の斡旋と死者を見ることが出来るという能力を生かしての霊媒。どちらも真っ当とは言えない仕事ながらなんとか二人の子供を一人で育てているウスバル。そんな彼はある日末期がんで余命2ヶ月を宣告される。子供達はまだ幼く、頼れるものもいない、今彼に出来ることは愛する子供達が自分亡きあとも生きていけるようにすることだった。一人必死に残り少ない時間を生きるウスバルだが・・・。

違法な仕事をしているが、決して悪人ではないウスバル。彼の兄や、彼自身の学のなさ、そして病院で採血しようとする看護師があまりにもヘタで自分でやってしまう手つきなどから、完全にやくざな仕事をしていたのだろうと思う。いや今でも十分にやくざな仕事なんだけど、子供達を必死に育てる父の顔から、この仕事しかないんだよ・・・という申し訳なさが漂う。不器用な人間だ・・・。そんな彼に突きつけられる余命宣告。別れた妻に子供達を託そうとするが、別れた時と変わらず妻は精神不安定で、兄は子供を託せるような人物ではなく。大きく儲けようとするがそれもとんでもない事態を招き・・・。見ているこちらが「どうすんだよ!」と困惑してしまう。
なんでもこの作品は黒澤監督の『生きる』へのオマージュが含まれいるということなんだけど、『生きる』はタイトルそのままの通り生きることを見いだす主人公、そしてその彼の生きた証がラストにある作品だけど、こちらは「死」が多い。でもその「死」があるからこそ「生きる」んですよね。見ている私を困惑させながらも映画のラストは近づき、彼に「死」が訪れる。とにかく何が何でも最後の時まで彼は必死に「生きる」それがほんのり報われて、彼は旅立つ。「どうすんだよ!」・・・「どうにかなるもんなんだな」で私の感想は締められるのだが・・・(笑)。
どう生きたか?とかどう生きるとか、そんなことどうでもいいんだよ。ただ生きればいいんだよ。とにかく必死に・・・。

-2011.7.20 TOHOシネマズなんば別館-


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