にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『ジョジョ・ラビット』

2020年01月31日 | MOVIE
『ジョジョ・ラビット』Jojo Rabbit(2019年/米・独)
監督:タイカ・ワイティティ
出演:ローマン・グリフィン・デイビス。スカーレット・ヨハンソン。サム・ロックウェル。

第二次世界大戦下のドイツ。ヒトラーを信奉する10歳の少年ジョジョ。彼の友達、空想上のアドルフ・ヒトラーに鼓舞されながらヒトラーユーゲントで立派な兵士になるために訓練に励むが、訓練でウサギを殺すことが出来なかったことから「ジョジョ・ラビット」というあだ名をつけられてしまう。本当は臆病で優しいジョジョは、ある日母と二人暮らしの家の二階の隠し部屋に一人のユダヤ人の少女がいることに気付いてしまう。

私はこの映画の情報を全くいれずに見に行った。だから冒頭、ヒトラーが出て来て彼と仲良く話す少年が出かけるシーンに、ただ普通の学校に行くのにも、ナチに心酔する彼はヒトラーと同じく空想の世界で立派な兵士になるために訓練するんだ!と言っていると思っていた。ところが、まさか本当に10歳の少年を兵士にするための訓練があるなんて!戦争の狂気は真っ当な判断が出来るはずの大人でさえ、妄信的に自分たちが善なんだと思い込まされるのですから、10歳の少年がナチに心酔したって当然で、純粋な子供たちを培養するのはたやすいことなんでしょうね。
彼の父親は兵隊に行って逃げたと言われている。彼の姉はすでに亡くなっていて、その亡くなった理由は語られない。そしてなぜジョジョがナチに心酔するのか?それもこの映画の中では語られることはない。コミカルに描かれる戦争映画。そのためにリアルになる部分を排しているのかもしれませんね。
この映画の中では靴が印象的に使われている。自分の靴紐を自分で結ぶことができないジョジョ。踊る母の足元。そして・・・。母が結んでくれたはずの靴紐が母のいたずらで両足を結ばれていたためにこけてしまうジョジョ。ラスト、ユダヤ人の少女の靴紐を結んであげるジョジョ。
アウシュビッツで亡くなったユダヤ人の靴やカバンが多く残されていたということから、この映画で描かれる靴がとても気になった。母の結んだ靴紐でこけてしまうジョジョのシーンは人任せにするとこんなことにもなるよという暗示で、靴紐を結べるようになったジョジョのシーンは彼の成長を描いていて、そして彼が結ぶ靴紐がユダヤ人少女のものだということにも意味があるような気がした。
コミカルだからこそ、要所の描き方が心にしみた作品です。
ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイビスは本当にかわいいし。母役のスカーレット・ヨハンソンもいい。そして何よりサム・ロックウェルかっこよすぎです(笑)。

-2020.1.27 MOVIX京都-


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2 Comments

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報告とお礼に参上しました。 (ヤマ)
2020-04-28 23:13:13
とめさん、こんにちは。

 報告とお礼がすっかり遅くなってしまいましたが、先の拙サイトの更新で、こちらの頁をいつもの直リンクに拝借しております。
 なるほどの「靴ひも」についての言及でございました。明らかに観る側に引っ掛かりを与えていますよね。いくつもに重ねて言及しておいでのところに感心しました。
 どうもありがとうございました。
ありがとうございます! (とめ)
2020-04-30 07:31:57
以前「ハンナのかばん」というお芝居を見てカバンや靴のことを知ったんですよ。だから何度も出てくる靴にひっかかったのかもしれません。
こちらこそリンクありがとうございます。

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