通し狂言『東海道四谷怪談』四幕十場
あらすじは・・・と言うまでもないくらい有名な作品なんですが、この歌舞伎版はとにかく民谷伊右衛門は悪い奴です。で、しっかり『忠臣蔵』設定も入ってます。伊右衛門は塩冶浪人。伊右衛門に一目ぼれしてしまうお梅の祖父は高家用人の伊藤喜兵衛。つまり伊右衛門は赤穂浪士で、お梅に気に入られたのをいいことに吉良家に寝返るという武士としてはとんでもない悪党です。とは言えお岩を疎ましく思いながらもさすがに捨てることは出来ずにいる伊右衛門に実はさっき届けた薬は毒薬なんです。なんて平気で言う伊藤家の人もどうかと思うのですが・・・(^^;。
いい役しかみたことのない吉衛門さん演じる悪党伊右衛門。なかなかいいですねぇ。砂村陰亡堀の場で、一人生き残った伊藤喜兵衛の娘お弓を堀の中へ蹴り落とす場面はゾクッときます。かっこいい・・・悪党なのに(笑)。そしてこの場面で伊右衛門の「首が飛んでも動いて見せるわ」のセリフが出る。え?これって伊右衛門のセリフだったのかぁ。と『阿修羅城の瞳』を思いだす私。あ・・・そっか鶴屋南北も『東海道四谷怪談』も出てきてたな。これで納得。いやぁ実は『阿修羅城の瞳』でなぜ突然あのセリフが出てくるのかわかんなかったんですよねぇ。問題が一つ解決してよかったよかった(笑)。
しかし、この『東海道四谷怪談』という話は、何度も映画化されたりドラマ化されたりしていますが、切り口によりいろんな形に変わる面白い話ですね。裏切られ殺されるお岩さんの「恨」をメインにすれば、とにかく怖い幽霊モノになるだろうし、悪の道をひた走る伊右衛門をメインに描けばピカレスクロマンに。中川監督版のようにラブストーリーになったりもするんですから深い物語です。今回鶴屋南北の基本的な歌舞伎版を通しで観ることが出来て、その深さがわかりました。
そうそう、ラスト、舞台に出ている出演者がお辞儀をして幕。あれ?こんなのはじめてだ?なんで?と思ってたんですが、なんでも座頭が主役で最後は殺されて終わりっていう芝居の場合は殺される手前で終わるそうなんです。ほぉ~、これでまた一つかしこくなった(笑)。歌舞伎ってホント面白いですね。
-2008.5.25 新橋演舞場-
あらすじは・・・と言うまでもないくらい有名な作品なんですが、この歌舞伎版はとにかく民谷伊右衛門は悪い奴です。で、しっかり『忠臣蔵』設定も入ってます。伊右衛門は塩冶浪人。伊右衛門に一目ぼれしてしまうお梅の祖父は高家用人の伊藤喜兵衛。つまり伊右衛門は赤穂浪士で、お梅に気に入られたのをいいことに吉良家に寝返るという武士としてはとんでもない悪党です。とは言えお岩を疎ましく思いながらもさすがに捨てることは出来ずにいる伊右衛門に実はさっき届けた薬は毒薬なんです。なんて平気で言う伊藤家の人もどうかと思うのですが・・・(^^;。
いい役しかみたことのない吉衛門さん演じる悪党伊右衛門。なかなかいいですねぇ。砂村陰亡堀の場で、一人生き残った伊藤喜兵衛の娘お弓を堀の中へ蹴り落とす場面はゾクッときます。かっこいい・・・悪党なのに(笑)。そしてこの場面で伊右衛門の「首が飛んでも動いて見せるわ」のセリフが出る。え?これって伊右衛門のセリフだったのかぁ。と『阿修羅城の瞳』を思いだす私。あ・・・そっか鶴屋南北も『東海道四谷怪談』も出てきてたな。これで納得。いやぁ実は『阿修羅城の瞳』でなぜ突然あのセリフが出てくるのかわかんなかったんですよねぇ。問題が一つ解決してよかったよかった(笑)。
しかし、この『東海道四谷怪談』という話は、何度も映画化されたりドラマ化されたりしていますが、切り口によりいろんな形に変わる面白い話ですね。裏切られ殺されるお岩さんの「恨」をメインにすれば、とにかく怖い幽霊モノになるだろうし、悪の道をひた走る伊右衛門をメインに描けばピカレスクロマンに。中川監督版のようにラブストーリーになったりもするんですから深い物語です。今回鶴屋南北の基本的な歌舞伎版を通しで観ることが出来て、その深さがわかりました。
そうそう、ラスト、舞台に出ている出演者がお辞儀をして幕。あれ?こんなのはじめてだ?なんで?と思ってたんですが、なんでも座頭が主役で最後は殺されて終わりっていう芝居の場合は殺される手前で終わるそうなんです。ほぉ~、これでまた一つかしこくなった(笑)。歌舞伎ってホント面白いですね。
-2008.5.25 新橋演舞場-