にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

『127時間』

2011年07月01日 | MOVIE
『127時間』127 Hours(2010年/米)
監督:ダニー・ボイル。
出演:ジェームズ・フランコ。ケイト・マーラ。アンバー・タンブリン。

あまり人と深く関わらず、一人ロッククライミングを楽しむ青年アーロン・ラルストン。金曜日の夜、彼はいつものように誰にも行き先を告げず一人、ブルー・ジョン・キャニオンに向かう。慣れ親しんだ場所。何の問題も起こるはずのない自分一人の楽しい週末のはずだったが、突然の落石に巻き込まれ、断崖でその落石に右腕を挟まれ、全く身動きのとれない状態となってしまう。なんとか脱出を試みるが彼の右腕を挟む落石はびくともしない。誰にも行き先を告げずに出てきた彼を探す者はいない。刻々と衰えていく体力。朦朧とする意識の中、彼は今までの彼の生き方を自らに問いかける。何としても生きる!そう決意した実在の登山家アーロン・ラルストンの127時間の物語。

ネタばれも何もない。結論は完全にわかっている物語。しかもたった一人の断崖。彼が救出されるまでの127時間の物語が、果たしてどう描かれているのか?身動きのとれない中でのアーロンの一人語り。描きすぎると周りの物語が鬱陶しくて本題が見えなくなる。描き足りないと断崖で挟まれ身動きのとれなくなった映像だけと、語り・・・きっと眠くなるはずだ。極限状態に追い込まれた主人公をジェームズ・フランコが見事に演じているのもあるけど、彼が悔いる自らの生き方を描く過去のシーンが余計なセリフなくフラッシュバックされて、描き過ぎていないから、余計に彼の悔いが、見ているこちら側にも痛く伝わってくる。しかしあのシーンはきつい・・・。目を反らしそうになるが、やはり重要なシーンだとなんとか目を反らずに見たが、ふと自分が・・・と考えたとき、無理だと思った。日頃、後ろ向きなのは嫌だとか生きることを諦める映画は嫌いだとか言ってはいますが、あの状況に自分が置かれたら・・・死んじゃう方選んでしまうと思う。生きるって選択は過酷ですごいことなんだと改めて思い知らされた。でも生きよう。何があっても生きるという選択をしよう。そう出来る人でありたい・・・いや、そういう人になりたい。つくづくそう思った。前を歩く人をみつけたときの彼の「HELP!」という叫びに涙が溢れてきた。一人で生きてきたとどこか粋がっていた彼が今の状態だけではなく、彼のこれからの人生に対しての「HELP」だったのではないだろうか?一人ではなく誰かと生きていくための「HELP」。素晴らしい作品でした。

-2011.6.23 TOHOシネマズ梅田-


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