にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『ゼロの焦点』

2009年11月19日 | MOVIE
『ゼロの焦点』(2009年/東宝)
原作:松本清張。
監督:犬童一心。
出演:広末涼子。中谷美紀。木村多江。西島秀俊。鹿賀丈史。

お見合いで知り合い結婚した鵜原憲一と禎子。式から7日経った日、仕事の引き継ぎのために夫憲一は以前の勤務地である金沢へと旅立ったが、予定の帰宅日を過ぎても憲一は戻って来なかった。一緒に過ごした日がいくら少なかったとは言え、あまりにも夫憲一のことを知らなすぎることに禎子は気付いた。どうしても彼を探し出したい禎子は単身金沢へと旅立つ。そしてそこで禎子を待っていた事実とは・・・。

赤い服の女三人のフライヤーがどうも、気に入らなくって、なんかこの映画にはノれないなぁーって気がしていた。だから正直観に行くのもどうだろう?などと思っていたら・・・なんとやたらと評判がいいじゃないですか!これなら間違いないだろうと、いそいそと出かけて正解!面白い!
私はこれ原作読んでないんで、どんな物語なのかも知らなかったのですが、時代背景もいいし、映像もいい。全体的に地味な雰囲気の作品なんですが、その地味さがいい。終盤ウルウルきちゃいましたよ。女三人いいなぁー。中谷美紀さんはもう貫禄ですね。「私わかっちゃいましたー!」のイメージは皆無・・・ま、そらあれから10年も経ってるんだから当たり前かもしれませんが(笑)。もうすごすぎ。素晴らしいです。室田佐知子の強そうでいて、強すぎるが故の脆さ・・・見事に演じきってます。広末涼子さん演じる禎子の聡明な真っ直ぐさもよかったなぁ。もちろん田沼久子役の木村多江も言うことなしです。
しかし・・・本当にこの物語は悲しい。ボタンの掛け違い・・・か。踏み出す一歩を間違えたために起こる悲劇。しかも、その一歩は誰か一人の一歩ではなくて登場人物すべての一歩。そしてその一歩は目の前の幸せを掴もうとして踏み出した一歩。戦争という時代がすべての人の生き方を変えてしまったのは確かにあるのだろうけど、それにしてもあまりにも悲しすぎる。
本当に幸せを求めて誰かと共に歩こうとしたとき、言わないでいい過去はあるのだろうか?聞かなくてもいい過去ってあるのだろうか?過去なんて関係ない今だよと、誰かと共に強くいることって出来るのだろうか?
出来ないから人はいろんな意味で悲しいのかもしれませんね。

-2009.11.18 アポロシネマ -

最新の画像もっと見る

2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
報告とお礼です。 (ヤマ)
2010-02-20 09:52:53
とめさん、こんにちは。
 今日づけの拙サイトの更新で、こちらの『ゼロの焦点』を例の直リンクに拝借しています。
「本当に幸せを求めて誰かと共に歩こうとしたとき、言わないでいい過去はあるのだろうか?聞かなくてもいい過去ってあるのだろうか?過去なんて関係ない今だよと、誰かと共に強くいることって出来るのだろうか?
 出来ないから人はいろんな意味で悲しいのかもしれませんね。」との末段が沁みました。

“過去なんて関係ない今”
 言葉にするは容易いし、自分はいつもそう思っているつもりでいるのに、人はそうではないように感じられるということは、自分も含めて、そもそも人には出来ないこととわきまえるのが至当なのかもしれませんね。

どうもありがとうございました。
返信する
ありがとうございます。 (とめ)
2010-02-27 08:43:39
ヤマさーん。
基本的に私は隠し事ってあまり好きではないのですが、隠さないといけない過去・・・も人にはそれぞれあるんでしょうねぇ。
そして聞きたくない過去も・・・。
「過去が・・・」というのは推理ドラマの定番ですが、この作品はそれに戦争が関わっているから余計に悲しいのでしょうね。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。